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番町句会(5/11) [俳句]

きのうまでの寒さから一転して、汗ばむ陽気。体がついていかない。

(選句用紙から)

二坪に満たぬ畑や麦の秋

どんな畑なのですかね。麦を植えていることからして、家庭菜園とかではないとすると、道路際とか斜面とかで、わずかな場所で一区画になっている畑(道路の拡張工事なんかで、もっと大きな田畑だったのが不自然な形の小さな区画になってしまっているような場所)であろうか。
その「二坪にも満たない」小さな畑に、全体が持ち上がるようにして麦が薄茶色に稔っている。小さな区画であるだけに、その立体感ともいうべきものが明瞭に感じられる。

春の雲風に押されて北へ北へ

南から北に風が吹いているのだろうか。「北へ北へ」という散文的な表現が一句の眼目でもあり、人によっては採れない理由でもあろう。「春の雲」にありがちなイメージとはちょっと違って、急速に吹き流されている雲の様子。

(句帳から)

十薬の蘂ことごとく上向きに
薔薇色の薔薇といふほかなき真紅
野茨の花の白さや校舎跡
蔓薔薇の白の濃淡連なれる

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