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第184回深夜句会(9/14) [俳句]

いつまで続くこの暑さ。

(選句用紙から)

おしろいやコーポの脇に屋敷神

郊外の農家の大きな敷地の一角に、相続税対策を兼ねてアパートが建てられている。
そのアパートには「コーポ◯◯」のような名前がついて、そこから都心に人が通勤しているのだけど、農家の敷地だからして、その近くには屋敷神(お稲荷さん)があって、屋敷は取っ払うわけにもいかずにそのままになっている。コーポ◯◯と屋敷神のあいだの狭い隙間には、今年も白粉花が咲いている。
「コーポ」がいいですね。メゾンなんとかとか、カーサなんとかとか、そういう小洒落た(実質はともかく、名前だけは小洒落た)集合住宅ではないわけで。

供養塔あまたある町蝉時雨

この町がニュータウンとか新しい埋立地の町ではなく、歴史があってかつ供養塔がたくさんあるぐらい自然災害や戦災にさらされてきたこと、さらに供養塔がきちんと残されているような、再開発という名の破壊が行われていない、歴史と伝統のある町であることがわかる。
そこにたくさんの蝉が生まれては死にながら鳴いているのだけど、見方によってはその生き死にが(蝉といえば生き死になので)「つきすぎ」のように感じられるかもしれない。ただ、これは眼前の風景なので、そこは響き合う関係を感じればよいと思う。

(句帳から)

ゆくりなく母を入院させ九月
煉瓦館の茶色に似合ふ秋の晴

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