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あけてみようかがくのとびら展(福音館書店「かがくのとも」創刊50周年記念) [皿回し]

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福音館の絵本「かがくのとも」から生まれた初めての科学展、と聞けば、行かないわけにはいかないでしょう。会期中なので、展示内容に立ち入って紹介することは差し控えるが、会場に入ってすぐ左側に掲げられた福岡伸一さんのメッセージを読むだけでも、行ってよかったと思えるわけです。「かがくを愛する子どもたちへ」という副題を掲げたこのメッセージは、人文科学や社会科学にもあてはまる、すばらしいものだと思う。

決して広いとはいえない会場にたくさんの来場者があって、みんなが場所や時間を譲り合って楽しむ場面もあったけれど、それでも、虚心坦懐に「知る」ということの価値を肯定するからこそ、(少なくとも自分には)満足感があったのだと思う。「そうか、そういうことだったのか」という、こどもの頃に当り前にあった気持ちを持ち続けなければいけないと自戒。この気持ちと健全な懐疑心とが相まって、はじめて本当に「知る」ことが可能なのだろ思う。

会場は学校の校舎のような不思議な場所。銀座線末広町駅か千代田線湯島駅が便利。

(福音館書店主催、アーツ千代田3331で9月8日まで開催中)

  
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エネルギー保存の法則? [皿回し]

きょう(2019.3.8)の日経1面。

「リース取引 資産計上へ」
機械や設備を購入せずに借りて利用する「リース取引」に関する会計基準が変わる。今までは企業の財務状態を表す貸借対照表(バランスシート)に記載する必要はなかったが、ルールが変わればリースの金額を明記する必要が生じる。上場企業全体を表す「日本株式会社」の資産は17兆円増える計算。リース離れの懸念に加え、資産効率を表す指標は数値上悪化するが、国際標準並みに財務の透明性を高める。

下線の部分、皿回し的におかしくないですかね。
オペレーティングリースを資産計上すれば、計上した企業のバランスシートには資産とリース債務が両建てで計上されるので、確かに「資産(と負債)が増える」わけだけど、その資産は、それまでリース会社の貸借対照表に計上されていたわけでしょ。リース先で計上された分だけ、リース会社のバランスシートから除かれるわけだから、「日本株式会社」全体の資産は増えも減りもしないのではないの?
この表現が成り立つとすれば、そのリース資産がことごとく上場会社「以外」に帰属していた場合だけだが、そんなわけないと思うのだけど。誰か教えてジェネラル!

 

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本試験 [皿回し]

またやってきたこの季節。
がんばれ受験生!

ことしの東京会場は、早稲田大学と東京外国語大学。
エアコンは効いているのだろうか…

 

 
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貨幣の時間的価値(3.28追記あり/4.11再追記あり) [皿回し]

退職給付会計や資産除去債務会計では、将来のキャッシュアウトを現在価値に引き直す際の割引率として、安全性の高い長期の債券の利回り、たとえば10年国債の利回りが使われる。

じゃあ、10年国債の利回りがマイナスになったら、割引率もマイナスになるのだろうか?

しかし、たとえ金融商品としての国債とか普通預金の利回り(口座管理手数料を含めた実質的利回りと考えてもよい)がマイナスになったとしても、そもそも、貨幣の時間的価値がマイナスになることってあり得るのだろうか?だって、目の前に現金で積み上げておけば、何年経っても1万円は1万円なわけでしょ。
そうすると、将来キャッシュアウトの現在価値が当該キャッシュアウトより大きくなる(=貨幣の時間的価値がマイナスになる)ことって、原理的になさそうな気がするのだけど。誰か教えてジェネラル!


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(3.28追記)
…なんて書いていたら、25日の日経17面にとんでもない記事が。
(以下引用)
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マイナス金利という異例の事態は会計基準そのものにも対応を迫る。「金利がプラス」が前提だった割引率はこれまで将来の債務を現在の価値に引き直すものだった。仮にマイナス金利を適用すれば「足し戻し」が生じ退職給付債務は増える方向に働く。
日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(ASBJABSJ)は9日、「ゼロ、マイナスの割引率をいずれも認める」という暫定的な結論を示した。委員からは「長期国債の利回りがマイナスなのに割引率をゼロとするのはどうか」との意見も出された。
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(引用おわり)

マイナスの割引率…orz
長期国債の利回りがマイナスなのはわかったが、それでどうして貨幣の時間的価値がマイナスになるんだとこの委員を小一時間。

※期待運用収益率の話を書いているのではありません。あくまで割引率の話です。念のため。

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(4.11追記)
公益財団法人財務会計基準機構(FASF)のウェブページで、3月9日の委員会議事概要を読む。
この日の審議事項は9点あって、そのうちの4番目が「マイナス金利に関する会計上の論点への対応について」だったとのこと。議事概要には、「審議の結果、マイナス金利に関連する会計上の論点のうち、退職給付債務の計算における割引率に関する論点について、当委員会における議論の内容を周知するために、別紙を議事に残すこととした。」とある。

そこでその「別紙」を読むと、「そのままマイナスで」とする意見5点と「ゼロが下限でしょ」とする意見3点が具体的にあげられている。これを探していたのです。以下順に紹介しながら、コメントを加えたい(青字が「議事概要別紙」からの引用部分)。

〔マイナスの利回りをそのまま用いる論拠としてあげられた意見5点〕
(1) 現行基準では、平成20年度好評の企業会計基準第19号「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)において、一定期間の利回りの変動を考慮して割引率を決定することができるとする取扱いを排除し、期末における市場利回りを基礎として決定される割引率を用いることとしており、その趣旨を踏まえると、マイナスであっても期末における利回りをそのまま用いるべきである。
これは一理ある。皿回しの世界では、おおざっぱに言うと、見積りによる恣意性を排除して、だれがやっても同じ結果になるようにルールを改めていく趨勢にある。そうした経緯から、割引率についても時代の経過とともに見積りの余地が小さくなり、期末における長期国債の利回りを基礎として、いわば「機械的に」あてはめるように改められてきたわけだ。だから、それがマイナスになったからどうだというのさ、というのは一定の見識だ思う。
しかしこの意見は、国債の利回りは対等な立場の市場参加者が自由意思で合意した結果であることを前提としているわけだけど、現在の国債市場ってそうなってないわけですよね。マイナス金利は、自然な取引というより極端な金融政策の結果なのだから、それを「機械的に」あてはめるのは、方法論は正しくても前提が間違っていると思う。
(2) 退職給付債務の計算における割引率について国債の利回りを用いる場合、当該割引率は、基本的には貨幣の時間価値を反映するものと考えられ、プラスの利回りとマイナスの利回りで区別する理由がない。
これはわかったようなわからないような意見。国債の利回りは、それがプラスであれマイナスであれ貨幣の時間的価値を表現するものだ、ということなのだけど、それがプラスである間は、貨幣の時間的価値の指標として、他の指標よりも客観的で優れたものとして採用される理由になることはわかる。しかし、それがマイナスになったとき、そもそも貨幣の時間的価値がマイナスになりうるのかという根源的な問いを発することなく、「プラスとマイナスで区別する理由がない」と言い切っていいのか。
頭の体操として、貨幣の時間的価値がマイナスであるような世界を想像してみると、それは「現金であろうが預貯金であろうが債権であろうが、およそすべての資産が、時間の経過とともにその額面を減じていく世界」になると思うのだけど、それって非現実的というかSFの世界ではないのですか。
(3) 退職給付債務は、期末における要支給額を計算するのではなく、退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額を割り引いて計算したものであるため、期末において支給すべき金額以上の額が退職給付債務として測定されることもある。
退職給付債務の額は一種の「モデル」なのでそのモデルに使う指標がマイナスになるのなら、結果的にそのモデルが現実の額を上回るのはかまわないという考え方。これも一理あります。そもそも最初の退職給付の見積り自体、昇給率や退職率にもとづく一種のモデルなわけで。しかし、「モデル」だからという理由で割引率をマイナスにしたら、債務の見積額は当然膨れ上がるし、もし差異を即時償却するとしたら包括利益が乱高下することになるのだけど、それは財務諸表の有用性を損なうのではないですかね。いや包括利益というのはもともとそういう性質のものなのだ、と言われそうだけど。
(4) 退職給付適用指針第24項では、「割引率は、退職給付支払ごとの支払見込期間を反映するものでなければならない。」とされており、割引率の決定の基礎となる国際の利回りについて一定の期間以下の利回りのみがマイナスとなる場合に、マイナス部分のみをゼロに補正することには合理性がない。
すでに10年までマイナスになっていますが、もっと長期のものを含めて全期間がマイナスになってしまったら、どうするのでしょうか。マイナスの度合いに応じて「割増率」を決めるのでしょうか。
(5) 退職給付債務の計算に用いる割引率は、必ずしも年金資産の収益率を反映するものではないが、年金資産の期末における公正な評価額には、通常、マイナス金利の影響が反映されると考えられるため、仮に退職給付債務の計算においてゼロを下限として補正した割引率を用いると、資産と負債の測定について整合しなくなる可能性がある。
確かに、実際に国債で運用するかどうかにかかわらず、期待運用収益率は、たとえマイナスにならないとしても、マイナス金利の影響が反映されているでしょう。だから、割引率についてマイナス金利の影響をすべて排除するのはおかしいという考え方はわかります。ただ、いま問題になっているのはゼロを割り込むかどうかであり、期待運用収益率だってゼロを割り込んで設定するとは思えないのだから、割引率だってゼロを割り込まないと考えてもいいのではないかなあ。

〔これに対して、ゼロが下限でしょとする論拠としてあげられた意見3点。〕
(1) 年金資産の運用において、運用する金融資産の利回りがマイナスになった場合、現金を保有し続けるか、利回りがプラスの他の金融資産で運用することになる可能性がある。このため、企業が従業員に支給する退職給付の額以上の債務を認識する必要はない。
ほんまそれ。なんで債務として見積もった額をさらに割り増ししないといけないのか。
(2) 将来キャッシュフローを「割り引く」計算において、マイナスの利回りを用いると「割り増す」ことになり、直観に反して違和感がある。
せんじつめて言えば、この点に尽きると思う。この発言をされた方は、うまく理屈を説明できなかったのだと思うし、自分もそうなのだけど、将来キャッシュフローを「割り増す」って一体何なんだよという違和感。
(3) システム上、マイナスの利回りを基礎とする割引率を用いて退職給付債務を計算するように設計されていない可能性がある。
これは想像もしていなかった論拠。あまり本質的な論拠にはなりえないのだろうけど、実務的には大事な点かと。もう少し言うと、「マイナスの利回りを基礎とする割引率を用いて退職給付債務を計算するように設計されていない」のはなぜなのか、という点を考えてみればよいのではないか。システム設計者は、単にいまプラスの利回りだからそういう設計をしたのではなく、割引率がマイナスって原理的にありえないと考えたからそういう設計をしたのではないかと。

それで結局、こうした両論がある中で、委員会としての結論はどうなったのかということだけど、結論としては、「マイナスとなっている利回りをそのまま利用する方法とゼロを下限とする方法のいずれの方法を用いても、現時点では妨げられないものと考えられる。」ってこれはまた肩すかしを…

いゃでもよく読むと、「マイナスの利回りをそのまま用いる論拠の方が、現行の会計基準に関する過去の検討における趣旨とより整合的だけど、十分な議論が必要なのですぐには決められないし、諸外国でもまだ取扱いが示されていないし、既にゼロを下限として決算整理に入っている企業もあるので、とりあえず両方アリにしておく」みたいなことが書いてある。過去の検討における趣旨とより整合的って…うーむ。論拠(1)ですね。この委員会は、過去の検討の趣旨との整合性を最も重要なことと考えているのかなあ。疑問。








google社と英税務当局との合意 [皿回し]

Google社と英国課税庁が、会計方針の変更により過年度を含め1億3千万ポンドを納税することで合意。

備忘のため、BBCニュースサイトから引用
http://www.bbc.com/news/business-35381130
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Google agrees £130m UK tax deal with HMRC

Google has agreed to pay £130m in back taxes after an "open audit" of its accounts by the UK tax authorities.

The payment covers money owed since 2005 and follows a six year inquiry by Her Majesty's Revenue and Customs.

Google is one of several multinational companies to be have been accused of avoiding tax, in spite of making billions of pounds of sales in Britain.

Senior figures at the US search giant said it would follow new rules which would see it pay more taxes in future.

Matt Brittin, head of Google Europe, told the BBC: "Today we announced that we are going to be paying more tax in the UK.

"The rules are changing internationally and the UK government is taking the lead in applying those rules so we'll be changing what we are doing here. We want to ensure that we pay the right amount of tax."

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以上引用おわり。

ところがこの合意について、イギリス国民から非難の嵐が。
以下FT紙のウェブサイトから引用

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Backlash builds against Google tax deal

Downing Street distanced itself on Monday from George Osborne’s claim that the tax deal with Google represented “a major success”, amid growing criticism of the settlement.

Google’s agreement to pay £130m in back taxes to the UK government has reignited a controversy that pushed tax avoidance to the top of the international agenda three years ago.

The deal ended a decade-long probe by tax authorities into whether the tech group had skirted its tax bill by allocating profits earned in the UK — its second biggest market — to its European base in Ireland, where tax rates are lower.

Conservative MPs — led by Boris Johnson, London mayor — have lined up to criticise what they said was a “derisory” payment by the US multinational.

Andrew Tyrie, chairman of the Commons treasury committee, announced an inquiry into corporate taxation saying that fundamental reforms would “probably now have to be considered”.

The chancellor’s enthusiastic reception of the Google agreement was not echoed by Number 10. David Cameron’s spokesman declined to repeat Mr Osborne’s assertion that the deal was a “major success” and “a victory”.

“It’s a step forward but there’s more to do,” the prime minister’s spokesman said. “We have made it clear that we want to see low taxes for business but tax must be paid. Clearly there is more work for the government to do to make sure multinational companies pay their tax.”

David Gauke, treasury minister, was forced to defend the deal in the House of Commons and rejected suggestions from some MPs that Google’s effective tax rate was just 3 per cent. But he said he could not say what rate the company had paid because he was not privy to tax information.

He reminded MPs that international rules dating back to the 1920s decree that corporation tax was paid on the basis of where economic activity takes place rather than where profit was made.

But Mr Tyrie’s treasury committee will look at whether the rules need to be changed. MPs are also expected to call multinationals such as Google, Facebook and Amazon to give evidence on their tax affairs.

John McDonnell, shadow chancellor, claimed the deal with Google had helped to form “an unholy alliance between myself, The Sun, the mayor of London and even Number 10”.

Steve Baker, one Tory MP, said the Google deal was “derisory”, echoing the view of Mr Johnson, and “totally unacceptable” to the public. The Sun newspaper said it was “a kick in the goolies”.

The issue of corporation tax has also been rising up the US political agenda. On Monday, Johnson Controls revived a debate about tax-cutting “inversion” deals, after it agreed a $20bn combination with Tyco International which would move the US manufacturer’s domicile to Ireland.
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イギリスの与野党の(加えて、お下劣なタブロイド紙でさえも)google観は、少なくとも国際税務の観点からはまっとうな点が多く、さすがジョージ・オーウェルを生んだ国だけのことはあると思わせる。財務相が「google社の実効税率が3%にすぎないとの一部議員の指摘を否定したものの、では実際どうなんだとの問いには答弁を拒んだ」というあたりも苦衷を感じる。

ひるがえって東洋のどこかの国では、税務に限らず、グーグル株式会社に何を要請してもムダなので裁判に訴えなきゃならないという状況にもかかわらず、警戒感がまるでないばかりか、同社を手放しで賛美する人の多いことに驚くばかり。


基調文学 [皿回し]

日本銀行が苦しまぎれに連発する「基調」って、いかにもアレだな~と思っていたら、
きょう某所で見たSNSに、日銀を揶揄する用例として

「成績は悪化しているが、学力の基調は改善している」

とあって、思わず吹いてしまった。
上司に難詰されたら、この手で行きましょう。
「売上は減少しているが、業績の基調は改善している」とかね。

ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』(村井章子訳、文藝春秋、2015) [皿回し]

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会計基準の規範性とは何か?法の規範性と何が同じで何が異なるのか?

法の規範性は、立法府によって国民の代表により制定されることと、裁判所の違憲立法審査権によって裏書きされている。また、その実行を担保するための装置として警察や裁判所が用意されている。

では会計基準はどうなのか?

それを考えるための一つの材料として、会計や、その手法である簿記がどのように成立してきたか、歴史的にどのような役割を果たしてきたのか、という経緯があるように思う。しかし本書では、公会計わけても国家財政と会計の関係に多くのページが割かれていて、会計の考え方自体がどのように発展してきたかという点は少々物足りない。それでも、イギリスの鉄道会社の乱脈経営が、結果的に職業会計人を誕生させたとか(この話は友岡賛『会計の時代だ』(ちくま新書)に詳しい)、監査を請け負っている職業会計人がその知識を生かして同じ会社のコンサルティングを始めたらどんな結果になるか、という話は定番として押さえてある。引用元を巻末脚注できちんと表示しているので、会計史にまつわる小ネタを探して自分で掘り下げる目的でも有用かもしれない。

大試験(8/18) [皿回し]

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ことしの本試験の問題(酒税法の問題)は、大半の受験生―といっても全国で1,000人ぐらいしかいない―が顔面蒼白になるような、細かい規定を書かせる問題だったらしい。
1年間準備してきた末にそんなトリビアルな論点を聞かれた受験生が気の毒だとも思うし、逆に、本命中の本命みたいな論点だと初学者も経験者も差がつかないから、経験の蓄積が少しでも答案に現れる分だけ、こういう問題のほうがいいのか、とも思う。
それにしても、自分が受験生だったら、問題用紙の表紙をめくった瞬間にフリーズしたと思われ、ぞっとする。

自分が受験生だったら、で思い出したのだけど、受験生だったころ、同じ受験生仲間のブログをよく読んでいたものだけど、そのころ読んでいたブログの大半は、もう閉鎖されてしまっている。その中で数少ない、いまも続いている「とぼよ」さんのブログ「とぼよの税理士試験」を読んでいてびっくり。

(以下引用部分)
今年は出産予定日が本試験の10日後という
ある意味 しあわせ爆弾をかかえていますが
(以上引用終了)

それでも受けにいくような人だけが、最後まで残って資格をつかみとるような試験ということなのだろう。文字通り体に悪い。余談だが、受験生を何年もやっているとだんだん恨みがましくなったり被害者意識に陥ったりしがちなのだけど、このとぼよさんのブログにはそういう「感じ悪さ」みたいなものが微塵もなくて、本当にあっぱれだと思う。お目にかかったことはないが、こういう方は将来、いい税理士さんになるのではないだろうか。

本試験が大荒れ [皿回し]

8月の第1週に本試験が終わると、その週の週末には予備校の解答解説会があって、それから皿回し受験生の夏休みが始まるわけだけど、ことしは簿記論と財務諸表論と法人税法の試験がえらく難しかったらしい。特に法人税法の問題が大層理不尽なものだったようで、某掲示板は大荒れになっている。

(ここから引用開始)
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965 :一般に公正妥当と認められた名無しさん:2014/08/07(木) 11:08:14.19 ID:esRSJZHr

長いかきこみですみません。感情が押さえられない。
こんなに人を憎い、憎くて…復讐したいと思った人はいない。
今会社から出て気晴らしに遊びに来てるです。(税理士事務所勤務)
午前中で早退&来週まで休みさせてくれる。本当に所長や先輩には感謝。
休んで気分転換してこいだって。もちろん欠勤扱いではない。
○○(←やぶ注:問題を作成する試験委員の名)の事務所の人はかわいそう。

本試験が終わって、出勤した朝のこと、
税務署OBと官報合格の税理士2人に問題見せて解答用紙の形式を紙に書いて見せた
「この○○って税理士は自分が受験生だったころこんな問題できたのか?
 これって○○が税理士になった後に得た知識を受験生に聞いてるよね?(長期定じゅん保険とか)
 資料とびとび、いらない情報が満載、何をやらせたいのか…、二度手間解答用紙&別4…
 資料の読取問題…ほんとに実務家なのか?法人税法のこと聞いてるの?あ−為替とか外国子会社ね、あと配当と法人税等か…聞いてるといえば聞いてるが、それが伝わらないよ。
 同じ実務家として、恥ずかしい。これじゃ税法の試験ではない。試験委員がどれほどのものか知らないが、この人的には、これ知ってる?知らないよね〜。俺知ってる。すごいだろ。って感じがして、
 本当に試験委員としての資格ない。この人を選んだお役所にも問題がある。試験問題、解答用紙のチェックしてから、本試験してんの?同じ税理士として受験生のみんなに申し訳ない。こんな試験を実施する国税庁なんかに惑わされる受験生がかわいそうだ。こんなことをしていたら税理士の将来はダメになる。」
 と言われて…ほんと人前で泣いた。
 家族にも会社にも友人にも迷惑かけて一年間必死にやってきて…そんな思いがこみ上げてきて…。
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(引用終了)

まぁ普通だったら「なに泣き言いってんの」という話なんだけど、何年も本試験受けてると、これ読んで自分のことのようにツラく感じられるのですね。他にも

「これ、明日までに模範解答出るのか?」
「本試験はな、自由研究の発表会やないんよ」
「まじ車の仮免試験でヘリコプターの操縦しろって言われたみたいでした」

などという書き込みもあり、思わず笑ってしまう。


願書 [皿回し]

皿回し試験の願書提出締切は、毎年5月下旬の金曜日と決まっている(今年は5月23日)。

2006年の初受験以来、この時期に願書を書いてスピード写真を撮り、収入印紙(受験料)を買うといった一連の動作が身についてしまっているので、今年もふと「しまった!まだ願書取り寄せてなかった!」と慌て、そのたびに「いやいや、もう受けなくていいんだった」と考え直す。病気。

これにて終了 [皿回し]

440円もする簡易書留で、皿回し論文審査の結果通知が届く。切手代は当方負担。

本試験の結果通知のように、「五分五分なんだが、さあ○か×か!」という緊張感はないのだけど、一応ちょっと気にしながら慎重にはさみを入れると、無事に通過したようで、厚紙が添えられたA4判が1枚。皿回し試験これにて全部終了と相成った。やれやれ。

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このA4判1枚を受け取るために要した時間と労力といったら。2005年の夏にTACへ通い始めて8年半、それ以前に少し間があいているとはいえ、簿記3級から数えれば12年にもなる。で、それだけの価値がある紙片なのかというと、いくぶん疑問である(むろん、皿回し事務所の跡取り息子or跡取り娘で既に事務所で就労中という方にとっては、職業人としての運転免許となる重要なものだろう。それについてどうこう言う立場にない。)。

そう思う最大の理由は、この試験(特に税法科目)があまりにも暗記偏重、それも条文や解説書丸暗記みたいな暗記偏重になってしまっていることだ。もっと考えさせる試験、例えば条文集を与えた上で事例を整理させるとか、口述試験で理解力を問うとかいうやり方はないのだろうか。現状は、試験のための試験とでもいうのか、なるべく合格者を出さないようにするための試験になってしまっていて、少なくとも、社会人が自らの職業生活に活かすために、若干でも見識を高めようとする目的にはあまり適っていないように思われる(そういう目的で受験する試験ではないと言われれば、まあそうなのだけど)。
このことは、合格するまで書かなかった(∵負け惜しみと思われてしまうのがいやだったので)が、未来の受験生に不毛な努力をさせないため、この機会に主張しておきたい。

試験自体にそんな問題がある反面、自分にとって合格通知(3勝)と不合格通知(2敗)のどちらが役に立ったかといえば、もう断然、不合格通知である。特に、2006年末の不合格通知(簿記論)は、受験生としての心構えというか竹刀の構え方というか、そういう基本を思い知らせてくれたような気がする。初受験のこの年、結果自体は8月に見えていたとはいえ、実際に不合格通知を手にすると、「このまま1科目も合格できず、すべての努力がムダになるのでは」という気がして、その後2007年の本試験まで、やみくもに問題集を解き続けたことを思い出す。どれだけできる「つもり」になったところで、合格できなければ何もしなかったのと同じなわけで、不合格通知には、少なくとも、驕慢の予防薬として著しい効能があるように思われる。また、「誰かのせいにするわけにいかない」という点でも同様のことがいえる。

ところで、もう15年近くずっと続いていた「次にやらなきゃいけないこと」が、ここでいったん途切れてしまう。引き続きスーパー皿回しに挑戦するという選択肢もあるし、実際、いくつかの科目は魅惑的なのだけど、あいにく、スーパー皿回しは1科目ずつ合格を積み上げることができないので(全部一度に合格しなければならないわけだから、まさに皿回しだ)、勤め人にとってあまり現実的ではない。他にやりたいことは山ほどあるので、しばらく悩むことにする。

3勝2敗2不戦敗(皿回し8シーズンの記録) [皿回し]

皿回し受験生には、大きく分けて、
 (1)現役の大学生や専門学校生
 (2)昼間から専門学校に通学している受験生(いわゆる受験専念組)
 (3)働きながら夜間や土日に通学している社会人受験生
の三種類がいるのだけど、直前期に追い込み可能な(1)(2)のひとびと(6月の全国模試でDランクだったのに本試験で合格するなどという例がある)と違って、社会人受験生は先行逃げ切りで行くしかないので、自分がいま、集団のどこにいるかを知っておくことが重要で、その位置(特に、直前期の位置)はおおむね本試験の結果と連動している。従って、そうした受験生の参考になればと思い、いわば業務連絡として、これまでの成績をさらしておく。
※ただし、国税庁は本試験の正解や配点を公表しないので、各シーズンの点数は大手予備校T校が発表する正解と配点で推計したものにすぎない。

シーズン1 (2005-2006年)〔第56回簿記論・不合格A〕
・オープンしたばかりのTAC渋谷校へ。日曜ロング瀬戸川クラスでレギュラー受講。
・記録を見るとしばしば土曜や平日に振替えている。受験生とは何かがわかっていない。
・9〜4月期通算のpercentile rank(※TOEICなど通常のpercentile rankとは逆に、自分より上位が何パーセントかを表示する。以下同じ。)32.5%、5〜7月期44.2%、全答練B(22.0%)
・理解に時間がかかると考えレギュラーコースを選択したのが裏目に出て、演習不足で仕上がりが間に合わず、はじめての本試験合格予想45点・ボーダー38点に対し自己採点33点で惨敗。0勝1敗。

シーズン2 (2006-2007年)〔第57回簿記論・合格〕
・土曜日の講座を求めて水道橋校(MCビル)土曜ロング田中クラスで年完+上級受講。
・9〜12月期18.5%、1〜4月期24.9%、5〜7月期13.7%、全答練S(1.5%)
・土曜日朝、神保町駅から水道橋校への道のりがすっかり習慣化し、振替なしで毎週通い続ける。このまま1科目も合格できないのではという不安に駆られ、平日もやみくもに問題集を解き続ける。1年間の学習量はこのシーズンが一番多かった。
・早めに仕上がりすぎて調整に苦心するが、合格予想50点・ボーダー47点に対し自己採点49点で合格。初合格。1勝1敗に

シーズン3 (2007-2008年)〔第58回財務諸表論・合格〕
・渋谷校へ戻り、日曜ロング内田クラスで財表年完+年明け上級受講
・9〜12月期49.8%、1〜4月期37.3%、5〜7学期26.5%、全答練B(21.8%)
・「なぜ」を追究する会計学の理論はなじみやすく、最も楽しく受講できたシーズン。
本試験の計算が超難問で悶絶。合格予想50点・ボーダー45点に対し自己採点41点でなぜか合格。2勝1敗に。

シーズン4 (2008-2009年) 〔第59回消費税法・ 不戦敗〕
・渋谷校で財表上級を続けながら、日曜井上クラスで消費年完+年明け上級受講
・消費税法の問答無用な条文が覚えられず、理論にはまりこんでいるうちに計算に習熟する時間がなくなって共倒れに。9〜12月期64.4%、1〜4月期60.4%と極端な低空飛行。
・それでも受験手続を済ませたところへ6月転勤で挫折。初の不戦敗。2勝1敗1不戦敗。

シーズン5 (2009-2010年)〔皿回し大学院〕
・9月に大学院に入学。元日も返上してひたすら譲渡所得をテーマに修論を書く。

シーズン6 (2010-2011年)〔皿回し大学院→第61回酒税法・ 不戦敗〕
・修論が早く書けたため、大震災直後に1年半で繰上修了。
・4月から毎週末水道橋校へ通い、土曜岩崎クラスで4月速習受講。受験手続直前に6月転勤で挫折。またも不戦敗。2勝1敗2不戦敗。

シーズン7 (2011-2012年)〔第62回酒税法・ 不合格A〕
・水道橋校土曜渡辺クラスで年完+年明け上級受講。大原通信も。
・9〜12月期の成績不明、1〜4月期63.3%、5〜7月期55.2%、全答練C(63.6%)
・直前期にようやく理論がかみ合い始め、本試験前日まで必死に追い込む。
・判定を2つミスし、合格予想94点・ボーダー86点に対し84点で敗退。2勝2敗2不戦敗。

シーズン8 (2012-2013年)〔第63回酒税法・ 合格〕
・水道橋校土曜渡辺クラスで年明け上級。大原通信も。
・B、Cランクの一部まで理論暗記に成功(果実酒集荷業者への未納税移出とか…)
・1〜4月期12.5%、5〜7月期19.6%、全答練A(17.1%)
本試験では判定を1つミスしたが、合格予想93点・ボーダー84点に対し88点でかろうじて合格。3勝2敗2不戦敗で全日程終了。

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計算の解答記入に使っていたパイロットのG-knock0.38mm(青)。上は新品、下は6シーズン使ってボロボロになっている。1本60円の替芯を毎シーズン10本ぐらい使うのが通例。このペンは、油性ボールペンのようなボテが皆無で細かい計算過程がはっきり読めるので、シーズン2から使い続けている。ちなみに理論の解答記入は三菱ビジョン0.5mm(ブルーブラック)。こちらは解答用紙の紙質に合っていて、とにかく早く書けるが、使い捨てなので毎回買い直さなければならないのが難点。

5通目の茶色い封筒(12/13) [皿回し]

12月の第2金曜日は、8月の皿回し試験の結果発表と決まっている。
受験生に結果通知が届く前に、国税庁のホームページに全体状況が告知されるので、昼休み中に見にいく。

〔平成25年度(第63回)試験結果〕
 全体 受験者数45,337人・合格者及び一部科目合格者数8,348人(18.4%)
 年齢別
  xx歳以上 受験者11,481人・合格者及び一部科目合格者数1,232人(10.7%)
 科目別
  酒税法 受験者817人・合格者96人(11.8%)

…酒税法の合格者が100人を割り込んでいる(悪寒)。96人に割り込むことができたか?
 
結果通知の郵便が受験生に届くのは翌日の土曜日と相場が決まっていたのだが、去年は当日中に不合格通知が届いてしまった。
さて今年は…と思いながら番町句会から帰宅すると、案の定茶色い封筒が。
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お茶を入れ、一服して落ち着いたところで鋏を入れてみると、カラーコピーのような薄い紙が3つにたたまれた状態で入っている(去年と同じ=不吉な予感)。
おそるおそる開いてみると…


合格している。

実感がわかないが、ボーダーラインの真上にいたことを考えると、ほんのわずかな悪運が自分に傾いた模様。まだ論文審査があるが、これにて筆記試験は終了なので、ほっと一息。2006、2007、2008、2012年に続く5通目の茶色い封筒は、幸運の手紙だった。

何はともあれ、まず、受験準備のため莫大な時間を費やすことを許してくれた家族や友人や夏潮のみなさんに感謝しなければならない。莫大な時間…大げさでなく、この皿回し試験は、所要時間が計測不能というべきか、あるいは「合格したければ、持ち時間全部差し出せ」ともいうべきゲームなので、2005年夏に学校に通い始めてから8年間、まとまったことは何もできなかった。もともと大した持ち時間もないのにつぎ込んでしまえば、やりくりがつかなくなることは初めからわかっていたことではあるが。

そして次に、頭上はるかな合格点によじ登るための登攀技術を根気よく教えてくれた皿回し専門学校と皿回し大学院のすべての先生方と同級生、スタッフにお礼を言いたい。自学自習では到底合格水準に達しなかったと思われ、週末をつぶして通学しただけのことはあった。

さらに、問題集を広げる場所を提供してくださったカフエ「マメヒコ」や石の湯ロッジのみなさんにもありがとうと申し上げたい(注:マメヒコで勉強していたのは、2007年に開業したばかりで閑散としていた渋谷店の、それも朝の時間帯に限ってのことです。今は他のお客さまがいっぱいいるので、そんな不作法はできませんからご注意を)。ゴールデンウィークに石の湯で、朝から晩まで問題集と理論暗記を繰り返したことも、今となっては楽しい思い出である。

受験生というプレッシャーから解放されて気が楽になった半面、「次の科目」も「修論」もない状態で正月を迎えるのは久しぶりで、かえって気分が落ち着かない。「9月に始まり8月1週に終わる」1年のサイクルがすっかり身に付いてしまった。

大試験(8/6) [皿回し]

平和島の流通センターで5回目の大試験。今回が皿回し生活の集大成になるといいが。

モノレールの駅を降りるとすぐに流通センターで、既に予備校関係者と受験生があふれている。案内所で会場案内図をもらい、自分の座るブロックを確認するが、さてそのブロックにどうやって行けばいいのかわからない。去年の幕張メッセにくらべると、ずいぶんと込み入った建物ではある。

答案用紙が配られ、名前を書きながら検分すると、理論の答案用紙は3枚、計算が14枚。計算冒頭の判定欄が、AからJまでなんと10件もある。おお!品目が多くなれば計算も時間がかかるわけで、これは去年(時間が余りまくった)から一転して、解ききれないぐらいボリュームがある問題なのだろうかと気をもむ。それに対して税額控除はほとんどスペースがない。単純な戻入控除とか原料使用控除が1~2問程度ということか。複雑な再移出控除(混和率や度数換算係数がからむやつ)をせっかく覚えてきたのに。

午後3時半の号砲とともに全体を見ていく。理論はそれほど難しくない…というよりほぼテキストのベタ書きでしょ。答案用紙3枚であることから、30分残しておけば十分と判断して計算にとりかかる。

判定が10問もあるので、長い記述を要するようなものがいくつも出てくると困るな…と思いながらすすめていくと、案の定、微妙に判断を惑わせるものがいくつも出てくる。果実酒を蒸留してブランデー作っているのに、留出時のアルコール分が書いていないとか、2つ続けてほぼ同じような原料で作っている(→数字を拾うときに、間違いやすい)とか。
さらに、発泡酒の麦芽比率の計算で沼地にはまりこむ。1度目は隣の欄の数字を拾ってしまい、2度目は原料酒類の重量を拾ってしまう。3度目でようやく数字が出るが、大幅なタイムロス。

そんなこんなで焦りながら(これが禁物)判定しているうちに、なんと1時間近くも経過してしまう。これは大変。大急ぎで(これまた禁物)課税標準数量と酒税額を計算し、簡単な控除を片づける。こちらは面倒なものがほとんどなくて、あっさり終了してしまう(混和酒とか、課税済酒類を使ったアル添清酒なんかがあったら大変なことになっていたはず)。

で、計算を一通り片づけて時計を見ると、ちょうどあと30分。ペンを中字に持ち替えて理論にとりかかるが、事例問題ともいえないような基本問題なので、15分で答案用紙3枚全部書けてしまう。しかし細かい言い回しに自信がない。こういう出題をされると、条文を丸暗記できる若い受験生が圧倒的に有利。

結局なんだか不完全燃焼な感じのまま120分終了。ものすごく難しい事例を整理して条文あてはめたという充実感もなく、入り組んだ再移出控除を計算しきったという充実感もないので、まったく達成感がない。とりあえず、土曜日の解答解説会までは執行猶予。

体育館の非常口みたいな出口から外に出てみると、試験中に雨が降ったらしくて風呂場のような湿気。ぐったり疲れながら家路につくが、一刻も早く読みたかった「あの日、僕は旅に出た」(蔵前仁一、幻冬舎)を本屋でもとめ、カフェで読み始める。本を読む時間ができたことが、素朴にうれしい。

(8.11追記)
大手専門学校の模範解答と予想配点箇所が発表される(皿回し試験の胴元は、正解も配点も公表しない)
答え合わせのほうが、本試験より緊張していたりして…
最初の商品Aの判定をいきなり間違えているのにがっくり。やっちまった!
T校基準では、合格確実93点・ボーダー84点に対して88点。
O校基準では、合格確実90点・ボーダー85点に対して86点。
いやなんとも微妙。去年のように「明らかにダメ」とわかっている方が気持ちの切り替えがついてすっきりするのだけど。

おととしから2シーズンお世話になっている先生に自己採点結果を報告すると「落ちていても合格していても不思議ではないですね。商品Aの判定は仕方ないにしても、商品Bの単純計算ミスが痛いですね。」とのこと。おっしゃる通りです。

今年の結果発送は12月13日(金)なのであと4カ月。受験者の少ないこの科目は、もう少し早く通知してくれてもよさそうなものだが…

あと2週間 [皿回し]

日曜日、家が暑いので予備校の自習室(単なる空き教室だが)へ。

朝9時の校舎オープンから5分もしないうちに席が埋まる。管理監督者がいなくても100人を超える受験生が無言で机に向かっていると、暗黙のうちに静かなトランス状態というか、「やらねば」という気になるのが面白い。皿回し試験、公認会計士試験(論文式)、社労士試験、不動産鑑定士試験(論文式)が全部8月に集中しているので、受験生はそれぞれに切羽詰まっている。

前の席の受験生は会計士試験の「租税法」の問題集を広げていて、なかなか面白そう(をいをい)。
時間が経ち、朝日がさしていたのと反対側の窓のブラインドに日が当たるようになると、さすがに疲れてくる。戦わずしてすでに頭のバネが飛び出てしまったような受験生もちらほら(そういう自分もでしょ)。

あと1か月 [皿回し]

本試験まであと1か月。
採点してくれる演習としては最後の「予想答練②」に臨むが、ロジックの穴が次々と発覚して、判定8つのうち3つ間違えるという惨状。早く気づいてよかったといえばよかったのだが、あと1か月の時点でこんなに穴があるようでは厳しいかも。
家に帰ってテキストを読むと、間違えた箇所はいずれも、小さな字で書き込みをしていて、教室では要注意とわかっていたつもりだったようだが、いざ演習という段になってすっかり忘れていたのではまるで無意味。

皿回し開講(12/22) [皿回し]

三連休の初日は雨の中を、通いなれた水道橋の皿回し予備校へ。
きょうから7月末まで、毎週土曜日3時間の皿回し授業を受講する。
少し早目に行って、昨シーズン1年間お世話になった講師に不合格の首尾を報告するとともに、ご指導いただきながらもう1年となったことを詫びる。

これまた開講前に、よく知った小さな珈琲店へ行って11枚綴りのコーヒー回数券を買い、ふだん飲まないアイスコーヒーのLLサイズをテイクアウェイで頼む。教室でアイスコーヒーをすすっていると胃がむかむかするので、眠らずにすむ…などという理由で頼むのはお店とコーヒーに申し訳ないのだが、やむをえない。しかし、あまり体によくない感じなので、今シーズンでなんとか終わりにしたいところ。

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倉庫に4ヶ月停めておいたエンジンのように、回し始めるのに時間がかかる。
それでも思ったよりスムーズに再開できそうなので、年末年始に気合入れて問題集に取り組まないと。

Back to School [皿回し]

これまでで一番早く、金曜日の晩に帰宅すると封書が届いている。
結果は…やはり合格ラインに数点届かなかった模様で、不合格の「松」に相当する「A」。

ということで、多くの方にご声援やご心配をいただきながら、またさまざまに不義理をしながら、このようなふがいない結果になって申し訳ないのだけれど、ともかく、ふたたびの受験生生活に向けて、日曜日に皿回し予備校へ行き、履修登録とともに7月末までの学費を納入する。

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もう既に足かけ何年受験生やってるんでしょうという気もするが、やはり受験生は体に悪いので、さっさと片付けたいと切に思う。もっとも、この学費でヘルシンキ往復の航空券ぐらい(今の季節なら)買えるのに、とか考えてる時点で全然ダメなわけだが…。

大試験(7/31) [皿回し]

大試験の記事は4回目。これで最後にしたいが,客観的にはそうならない可能性が高い。

今年の会場は幕張メッセ。遠い。縁起かつぎに渋谷「マメヒコ飯店」でお昼をいただいてから東京駅の京葉線ホームに回ると,既に受験生が何人もいる。ちょうどやってきた海浜幕張行きの電車で会場に向かう。

酒税法の受験会場は第6ホール。おそらく会場の撮影は禁止されているのだけど,広大な会場にびっしりと会議机が教室形式で並び,さらにそれぞれの机に2つずつ椅子が配されているさまは壮観で,思わず撮影したくなる。また,これだけたくさんの受験生の,その約1割しか合格させないというのはなかなかに理不尽であるように思える。

さて試験開始。いつものように理論は後回しにして計算に取り組む。品目の判定を慎重に進めていくと,何問目かに「ぶどうとブルーベリーを原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留した蒸留酒」という酒類が出てくる。
 ブルーベリー?
 ブルーベリー??
ブルーベリーが果実に当たるかどうかなんて考えてことがなかった(注:ブルーベリーが果実にあたればこの酒類は「ブランデー」または「スピリッツ」,果実に当たらないなら「スピリッツ」に該当する)。
専門学校では「果実に該当しないもの」を教えてくれるのだけど,代表的なものとしてデーツ(なつめやしの実)が果実に該当しないものとされる他,殻果類(くるみ,栗など)なども果実でないこととされている。それはいいけど,ブルーベリーは果実なのか?しばらく考えたが,該当しないものリストに「ブルーベリー」の名称はなかったような気がするし,直観的には果実でいいような気がするので先へ進む。

判定理由を書き,税率を書き,課税標準を書き,酒税額とその合計額を書き,控除税額を確認しても,あまり時間が経っていない。もっと難問が出てくれないと差がつかないな…と思いながら理論に移る。

理論の問題を見てみると,おお!きのう復習したばかりの箇所。ぐずぐずなりに何とか書けそう。
しかし理論の答案用紙は2枚しかない。仕方なく,答案用紙の1行について解答を2行ずつ(つめて)書く。結構たいへん。あと5分になるまで書きまくって2枚全部をびっしり2行書きで埋める。採点者の心証はよくないと思うのだが,理論の中の何が大事で何が大事でないのか判らないので,大事なことを落として減点されるより余計なことまで書いて減点されるほうがいいと割り切って書けるだけ書く。

結局,難問といえるような問題はほとんどなく,拍子抜けした状態で時間切れになってしまう。
計算が難問で,そこで差をつけるというもくろみが完全に外れたので,あまりハッピーではないパターン。
まあともかく,まっすぐ帰宅するのもなんなので有楽町で地下鉄を降り,ごはんをいただいて帰る。模範解答が発表される金曜日まで,つかのまの平安。

(8.3追記)
大手専門学校の模範解答が発表される。
案の定,判定を1つ間違えている。がっくり。
配点は公表されていないので想像するしかないが,
大原基準だと合格ライン94点・ボーダー90点に対して自己採点で83点。遠く及ばない。
TAC基準だと合格ライン94点・ボーダー86点に対して自己採点で84点。やはり及ばない。

はいもう1年(ち~ん)♪

あと1日 [皿回し]

最後の1日はゆっくり総仕上げ…なわけはなくて、遅れに遅れている理論暗記で1日終わってしまう。
それでも恒例により夕方散髪に出て、まずは準備終了。明日の試験開始直前まで穴だらけの理論暗記を続行する。
客観的に考えて、合格可能性は10〜20%ぐらいか…理論はすごく平易で差がつかず、計算は難問でその難問がなぜか解けてしまうというパターン以外になさそう(書いていてばからしいが)。
まあともかく、2008年の財務諸表論のような奇跡も時には起こるので、最後の1分まで頑張るべし。