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第182回深夜句会(7/20) [俳句]

(選句用紙から)

夕暮れて茅の輪くぐりの親子来る

季題「茅の輪」で夏(七月)。この句の巧みなところは、社の前の茅の輪に来る人はそれほど多くないことが読み手にわかるところ。参拝者がひきもきらない大きな神社だったら、こういう句にはならないわけで、人もまばらな中、夕暮れになってからやってきた親子連れに「おや?」と感じたというところ。
また、これが深夜だと、ホラー映画になってしまうので、「夕暮れて」もよく効いている。津村記久子さんの「まぬけなこよみ」(平凡社、2017)に「狭い、けれどもちょうどいい大きさの境内」という表現があるが(p.32)、それがあてはまる夏の夕暮れの風景として共感できる。


炭鉱節のテープかすれて盆踊り

季題「盆踊」で夏。一読「テープなの?」と思うわけだが、これはテープなんだと思う。カセットテープがラジカセか何かに入っていて、年に1回、盆踊りのときしか使わない町内会の備品だったりするのでは。なので、あまり商業的に洗練されていない、小規模で素朴な盆踊りなのだろう。

(句帳から)

夏蓬歩道半分まで隠れ
送り火を一・二・三とまたぎけり
泥と埃と土にまみれて花南瓜
夏柳色濃し落とす影も濃し
今脱いだばかりのシャツを夜濯に
青柚子の頑ななまで深緑
溝萩や生まれつき色あせてゐて

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