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2022年 第1回かんさいエクストリームウォーク100 参加の記録 [ウォーキング]

ぼんやりしているうちに「びわ100」が満員になってしまい、残念…と思っていたところ、姫路から大阪まで歩く大会がある(初開催)という。コースの大半が幹線道路なのが残念だが、他に同様の大会がないので申し込む。

10月17日(月)
ドキドキしながら週間予報を見ると、まずまずの天気、かつ朝の最低気温も14度から18度と極楽。これなら装備はかなり軽くできそう。コース上に無数のコンビニがあるはずなので、今回は食べ物を一切携行しないことにする。飲み物だけはソフトフラスクを持参して常時補給をめざす。

20221017_週間予報.png

10月21日(金)
新快速で姫路まで移動。姫路の駅で下りるのは40年ぶりぐらいだろうか。北口も南口もまったく記憶がないが、駅も駅前も新しいビルになってしまっているので、たとえ記憶があったとしても一致しないだろうと思われる。駅ビルで大盛パスタをいただき、早めに就寝。

10月22日(土)
雲が多いが上天気。気温高い。
駅からスタート地点へ向かう途中、すでに歩いている先発組(出発順にA組~D組)の参加者の列とすれちがう。他の大会よりも若い人やカップルが多い印象。これから出発するわれらE組は100人ぐらいしかいない(推定)ので、広場の芝生はのんびりした雰囲気。

9時33分にスタート。いきなり信号待ち。100キロメートルのあいだに何回信号待ちをくらうのかと思うと気分が暗くなる。信号の先で、いつもびわ100でお目にかかる、「全員完歩」の幟を立てた応援の方が手を振ってくださる。どこからおいでになるのだろうか。犬も元気そう。市街地を歩くのだけど、前後の参加者の会話がにぎやかで、女性2人組のボルテージが特に高い。このあたりが関西なのか。

きょうは暑い。10キロすぎでソフトフラスクが空になり、第1CP手前でコンビニに駆け込んで補充。歩きながら充填するのが上手になってきた(何の役にも立たない技量)。ついでにゼリーを2つ。冷たい食感が心地よい。

第1CP(18キロ):チョコ&クリームパンをありがたくいただき、食べながらすぐ出発。境内にはAからD各組の参加者がおおぜい休憩中。道路に戻ったところで山と道のMINIを背負っている参加者を見かける。ちなみにショートパンツも山と道のLight 5-Pocket Shortsだったので、山と道ファンなのだろうか。

東二見(27.2キロ):ついに海岸線に出る。さっきから曇り空なのでまぶしさは感じない。眺めがよく平坦なだけでなく、信号がないのでとても歩きやすい。こんなところだけを100キロ歩けたら理想だけど。

第2CP(40キロ):明石公園のカフェでトマトカレーをいただく。油脂が少なく酸味があるので、歩行中の人間にとっては食べやすくかつおいしい。日没のころ再スタート。

スタバ(43.9キロ):ガソリンを補給。さいわい誰も並んでいないので最小限のタイムロスで済む。

舞子公園(45.7キロ):明石大橋の真下。構造物が巨大すぎて、まったく実感が湧かない。それにしてもすごい人出で、広場では大道芸のようなことをやっている。ここに集っている人にとっては、大会参加者は奇妙な闖入者に見えることだろう。

塩屋駅(50.2キロ):全行程の半分に達したとたん、心の中でカウントダウンが始まる。あと49キロ、あと48キロ…と数字が減ることだけが楽しみになる。

須磨駅(53.9キロ):かつて六甲全縦の前日に駅前の旅館に滞在して、駅前のベーカリーショップでおいしいホットドッグを食べたけど、店の名前が思い出せないなあ…と思いながら歩いていると、国道がJRをまたぐ地点で、なんと踏切に誘導される。複々線の踏切!!休日とはいえ、なかなか遮断機が開かない(平日のこの時間ならもっと大変だったはず…)。初めから「5分後」とか「10分後」とわかっていれば大したことないのだけど、いつ開くかわからずに待つのはとてもつらい。

CP3(63.7キロ):いろいろなおかずパンがあるのだけど、どれをいただけばよいか決められない(判断力が低下している)。ようやくカレーパンをいただき、熱いみそ汁といっしょに味わう。ソックスを交換し、あと36キロあまり…

三宮東交差点(64.8キロ):LEDのランタンをポールに提げて歩いている参加者がいて、これはスマートと感心する。市街地の国道(の歩道)を歩いているからヘッドランプや懐中電灯で足元を照らす必要はなく、むしろランタンのようなあかりで自動車に存在を知らせる方が重要なわけで、気が利いた選択だなと思う。
第3CP以降、歩いても歩いてもすぐ信号で止められてしまい、全然ペースが上がらない。うんざりする。

阪神西灘駅前(67.9キロ):券売機にも改札にも人がいないが、時刻はちょうど23時半、おそらく終電ギリギリの時間だろう。電車に乗れば梅田まで帰れるか…と考える。その先も駅で下りた人がときどき歩いてきて、きょうは平和な土曜日の夜であることが思い出される。あと三分の一。


東灘区役所(72.2キロ):赤信号で立ったまま待つことがつらくなってきた。花壇のへりでも何でもいいので座ることにする。足腰も苦しいのだけど、尾籠な話だが「げっぷ」が出そうで出ないのが苦しい。大食いをしたわけでもないのに胃袋に空気がこみ上げてきて、しかしなぜか外に出ないのが大層気持悪い。努力の末にようやく出るといったん楽になるが、ほどなくまたこみ上げてくる。これは何の症状なのだろう…

第4CP(77.1キロ):小さな公園で、スペースがないので参加者同士譲り合って休憩。いつの間にか神戸市から芦屋市に入っている。おにぎりを1個いただくが、もう食欲がない。足の指が痛むのでいったん靴をぬぎ、しばらく冷やしてから出発。

武庫大橋(82.9キロ):それまでぽつぽつ降るだけだったのに、突然の大雨が襲来。運が悪いことに橋の上に出てしまっていて、逃げ込む場所がない。ほんの3分前まではマンションやオフィスが立ち並ぶ中を歩いていたのに、なんという不運。ようやく橋を渡り切って最初の建物の軒先に逃げ込むが、舗装に跳ね返る雨粒が白いしぶきをあげている。雨具がわりの上着をかぶって道に戻ったとたんに雨がやむ。

第5CP(89.9キロ):もう何も食べたくない(第4CPでもらったおにぎりを、まだ持っている)が、粉末のお茶をお湯で溶いていただく。ことのほかおいしい。早々に出発し、すぐに神崎川を渡る。右手に電車の音がして、鉄橋を渡る阪神電車の灯火が見える。始発電車だろうか。空の一角が明るくなりはじめる。

淀川大橋(92.1キロ):淀川を歩いて渡るのは初めてだが、たいへん大きな川で、しかも川幅いっぱいに流れているので不気味な感じが漂う。左から右へ吹きつける風が冷たい。こんな早朝にもかかわらず、ランニングの人や、ジャージ姿で登校途中とおぼしき高校生(自転車)とすれ違う。この橋を毎日渡って学校に通うとしたら、真夏や真冬や雨の日は相当つらいだろうが、一生持続する根性を身につけることができるのではないかと。

阿波座駅(95.0キロ):あと5キロ。頭の中で計算してみると、もしかしたら午前7時30分までに(=22時間以内に)ゴールできるかもしれない気がしてきた。しかし相変わらずの信号待ちでペースが上がらない。

馬場町(98.2キロ):大阪城が見えてきた。空は青空。雨と汗で全身べたついて気持悪い。この先コースはお濠に沿っていくので信号はあまりなさそう。残された全力でスパートする。スパートといっても11分台しか出ないのだけど…
城の北側を大きく回り込み、ビジネスパーク側の新鴫野橋から大阪城公園に突入する。しかし公園の少年野球場の利用者?管理者?が歩道にホースで水をぶちまけている。次々に歩いてくる参加者に注意を払っているようには見えず、仕方なく道の反対側に大回りしている参加者もいるのだが、おかしな話で、はるばる99.9キロ歩いてきて、しかも公道を歩いているのに、どうして少年野球さまの水撒きに遠慮しなければならないのだろう。構わず歩道を直進し、ホールの角を左に曲がったところでゴール。突然ゴールが目の前に現れるので、心の準備ができないのはちょっと残念。

ゴールのあとはお約束のように貧血。冷汗が出て文字通りぶっ倒れ、しばらく横になってようやく回復。最後に申し訳程度にスパートしてみみっちく22時間を切ったごほうびに紙片をいただく。

20221022.png

(感想)
東二見から須磨までの景色はすばらしいのだけど、第3CP(三ノ宮)以東のコースが面白くない上、信号待ちがつらい。びわ100やしおや100では考えもしなかった「信号待ちや踏切待ちの時間を差し引いたら」というしょうもないことをつい考えてしまう。歩行者にとって、姫路城とか大阪城といったキャッチ―なものには大した価値が感じられないわけで、姫路よりもっと西からスタートして、三ノ宮をゴールにするようなコース設定はできないものだろうか…

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2022・第6回しおや100参加の記録 [ウォーキング]

まったく練習しないまま前日を迎え、雨の中、かつて正調駅前旅館であったと思われる矢板駅前の宿(現在はビジネスホテル)に投宿。

住吉屋旅館.png

21時間を超えてしまった第4回大会(2019年11月)のリベンジをしたいけど、その後の体力の低下は著しく、さらに昨年5月のぐんま100での敗退(リタイア)もあり、今回は控えめに、制限時間(26時間)以内の完歩を目標にする。とはいえ、完歩できるなら24時間以内に完歩したいところ。4月だと日が長いので、前回より5キロか6キロぐらい余計に風景を楽しめそう。

しおやは内陸にあるので、気温の日較差が大きい。この点を考慮して装備をえらぶと、昼の暑さ対策もさることながら、朝方の冷え込みにどう対応するかを考えなければならないところ。で、日本気象協会の2週間予報をモニターしていると、日曜日朝の最低気温が3度とか2度とか、尋常でない低温になる予報。100キロウォークは、あまり体が温まるスポーツではない(だからこそ長時間持続できる)ので、何よりもこの低温対策を考えなければならないが、防寒具を全部背負って歩くのはしんどい。化繊のダウンベストのように軽量かつコンパクトなものばかりならいいが、それだけでは足りないので。

さて当日。
矢板駅から黄色い送迎バスが出発するのが前回と同じ7時20分。玉生小学校の受付を簡単に済ませ、体育館に荷物を預けてフラスクに水を入れると、もうスタート時間である。

8時にスタート。今回は、膝が爆発して途中リタイアした昨年のぐんま100の教訓を踏まえ、
 ・前半はとにかくスローペース。1キロ12分より早く歩かない。
 ・歩行者用信号が点滅しようが気にせず、急ぎ足で渡ろうとしない。
の2点を徹底することが目標。
その上で、残り20キロぐらいの時点で1キロ12分のペースをおおむね維持できているようなら、そこからペースを上げて、ギリギリ20時間以内をめざすことにした。

列の後尾につき、午前8時01分ごろ静かにスタート。意図してゆっくり歩く。最初の1キロは12分05秒。さてこのペースでどこまで行けるか。感覚的にはものすごくゆっくり歩いているが、みな気持ちがはやっているので仕方がない。

前回のしおやは秋だったが、今回は晩春なので、沿道のどの家にもさまざまな花が咲き誇っている。桜はさすがにもう葉桜になっているが、まだ少し花が残っているのが山間部らしい。レンギョウ、花蘇芳、モクレン(白木蓮、紫木蓮)、水仙、黄水仙、芝桜、チューリップ、菜の花とまことに色彩ゆたかで、山間部では春が一斉にやってくると言われるがその通りだ。またこれらが、人工的に整備された公園ではなく、人間の住まう場所にめいめいに植えられているところがよく、横を歩いていて楽しい。

ペースを抑えているので、上り坂がとても楽に歩ける。最高地点(10.7キロ、海抜421m)も難なく通過。各エイドではもれなく食事をいただくことを目標にしていたが、お饅頭とかミニたい焼きとかバナナとか、さらに栄養補給ゼリーまで用意してくださっている。これはありがたい。しかし当然のことながら、ペースを抑えているのでどんどん抜かれてゆく。途中、メイド姿のコスプレをした女性にさくっと抜かれたのだけど、このメイドさんには去年もどこかで抜かれた記憶が。そしてこのかたは、緑番号のゼッケンをつけておられるので、持ちタイム20時間未満なのだ…おそるべし。

20キロすぎ、コースが西へ向いて、はるか遠くの山々が雪をいただいているのが見える。これは春の大会らしく、気持ちのいい風景。あの山はどこの山なのだろうか…男体山か…

男体山.png

少し迷ったが、23.6キロの道谷原エイドで豚汁もいただき、かなりの満腹感。続く26.8キロの道の駅エイドで袋入りの揚げ餅をいただき、さあ食べよう…ところが、両手両指の力が既に落ちていて、袋がうまく開けられない。早くも消耗していて、これは情けない。30.7キロの佐貫エイドを出てすぐに、ぐんま100の実行委員長を務めておられた宮本さんをお見掛けしたが、声をかける間もなく背中が遠ざかっていく。ここから39.5キロの上平エイドまでは、おおむね鬼怒川の流れに沿って緩やかに下る区間で道路も直線が多く、歩きやすいはずだが、前回もうまくペースが作れず苦戦した区間。今回も何度か集団につられてペースが上がってしまったが、そのつど脛が痙攣して減速することになり、結果的に、11分50秒ぐらいのペースをずっと続ける。

鬼怒川.png

39.5キロの上平エイドに15時58分着。ほぼ12分ペースでここまで来た。足首と脛が痛いが、さいわい膝はまだ何の痛みもない。暗くなるまであと2時間半。どこまで行けるだろうか。

集落の中の道を歩いているときには、さまざまなものが目を楽しませてくれるのだけど、田畑の中の道、特に、整然と区画整理された農道を歩いていると、距離の感覚がおかしくなってくるし、何より、退屈で仕方がない。きょうは頭の中で、栗コーダーカルテットの「カントリーマーチ」がぐるぐる回っているのだけど、脳内音楽とスポーツウォッチのキロ数表示だけを楽しみに歩くのは、なかなかに倒錯した趣味である(自嘲)。コースの東の端、東北自動車道に沿った殺風景な一帯をくぐるとすぐに46.0キロの杉山農場エイド。うどんの汁の量をわざわざ尋ねて加減してくださる細やかな配慮に感激する。まだ道のりの半分(50キロ)に達していない事実に気が重くなるが、こんなとき不思議と、ここまで歩いてきた道をスタート地点に戻るよりも、この先の道をゴールまで歩くほうがずっと楽であるように感じられる(いつもそう感じる)。理由はわからない。
宇都宮の日没(太陽上辺)が18時15分、常用薄明が18時42分のところ、ここでは17時55分ごろ山の端に沈む。さえぎるもののない田園の夕暮れ。だれかイングリッシュホルンで「新世界より」第2楽章のテーマを吹いてほしい。

50k.png

50キロ通過が18時10分、まだまだ明るい。

日没.png

ヘッドランプをつけたのは52.1キロのたておか商店エイド。ここまでくると、既に食べ物をとるのがつらくなっていて、お湯だけいただくことにする。急に暗くなり、ヘッドランプと懐中電灯を取り出すが、太陽と入れ替わるように大きな月が出てきて(きょうの月齢は14.9)、その後朝まで照らし続けてくれた。月は驚くほど明るく、これが今回の最大の幸運。ついでにダウンベストとウインドブレーカーを羽織り、夜の寒さに備える。

57.1キロのセブンイレブンにふらっと立ち寄り、食欲はないがゼリーを1個購入して歩きながらいただく。58キロの私設エイドである「さいかち」さんは、今年も各種おにぎりを用意して待ってくださっていた。食欲は全然ないが、炭水化物を補給しないと完歩できないので、おかかのおにぎりをいただきながら夜道を歩く。ヤイタ工業に通じる森の中の道は、前回も感じたことだけど、深い森のように見えて途中からふと住宅地に出てしまったり、なんだか不思議な雰囲気の場所。

暗闇を68.0キロの玉生小学校まで戻ってきたが、すでに22時半を回っている。

玉生小学校.png

なぜか誰もいないベンチで、ポットからお湯をそそいで粉末のラテをいただきながら、回らない頭で、ここでリタイアすべきか少し悩む。しかし、リタイア者の待機場所である体育館には暖房がない(=極寒)と聞いていたので、それなら歩き続けたほうが楽かもしれないと考え、ゆっくり歩き続けることにする。玉生から船生への長い単調な上り坂がつらい。少しでもスピードを上げようとすると脛の前側が痙攣をおこすので、ゆっくり歩かざるをえない。左側遠くの小道(85キロ地点)には、反対向きにすごい勢いで歩いている出場者のランプが連なって見える。こちらとスピード感が全然違う…

このあたりから、無性に座りたくなる。72.8キロのファミリーマートにベンチがあるのを見つけて休憩。しかし気温が下がっているので、休むと体が冷えてしまう。座れないのもつらいし、座って寒いのもつらい。ここから79キロの道の駅まで、集落の中の細く暗い道が、果てしなく長く感じる。私設エイドでいただいたキャンディやミルキーを舐めながらトボトボと歩く。

午前1時すぎ、やっと道の駅にたどり着く。もうスープ餃子をいただく力は残っていないが、お湯をいただいて持参のオニオンスープを飲む。靴を脱いでしばらく放心。仮眠場所も用意されていて、1時間ぐらい眠ろうかと真剣に考えるが、一度寝たら最後、起きられないだろうと考え、やはりゆっくり歩くことにする。

ここから先、前回強く印象に残っていた「森の中の暗い道」を今回も歩いたのだけど、月明かりの威力は絶大で、ごく普通の村はずれであることがよくわかる。それでもどこかに座りたくてたまらず、84キロの道路わきに並んでいたコンクリートブロックに腰かけてしばらく休憩。暗闇で道端に座っていると、ヘッドランプをつけていても後続の歩行者に心配されてしまうので、それらしい場所(座っていてもおかしくない場所)を選ばないといけない。

85.7キロから廃線跡に入ると、これが流石というか、やはり鉄道線路の跡だけに傾斜もカーブもゆるやかで、とても歩きやすい。歩きやすすぎて眠くなるのだけど、本当に歩きながら眠ってしまう前に88.2キロの芦場新田エイドに到着。前回より少し手前に移設されていて、焚火はないのですね(あの焚火は、意識の低下とあいまって幻想的だった)。でも腰かけて休むことができた。相当気温が下がっているのを実感するが、重ね着の効果と風がないので思ったほど寒さを感じない。また、微気候とでもいうのだろうか、場所によって暖かい空気と冷たい空気がはっきり分かれているような気がする。いま何度ぐらいなのだろう。吐く息が白いのだが。

芦場新田エイドを出て20分ほどで、東の空が明るくなってくる。周囲や路面がよく見えるので歩きやすくなるのだけど、反面、折り返し地点と思われる集落がはるか遠くに見えていて、あそこまで歩くのか…と気分が暗くなったりもする。

94.7キロの大宮エイド。もうオニオンスープも入らないので、白湯をいただく。トイレがあるが、そのトイレに行く気力もなく、10分ほど休んで出発。あと5キロだが足が前に出ない。なんとか14分台で歩行を続け、午前6時48分にゴール。タイムは22時間48分。密かに狙っていた20時間から遅れること2時間48分…って全然ダメですね。
ゴール横におられた男性から、完歩賞です、とニラを一把いただく。塩谷町の特産なのだそうだ。

97k.png

荷物をとりに体育館に入ってみると、石油ストーブが何台か焚かれている。それならリタイアして寝ていたほうがよかったかな?でもまあいいや。
当日の塩谷の気象データを後日検索してみると、16日は日照時間8.5時間で最高気温は16.9度、17日の最低気温は0.7度…0.7度って、これで強風だったら、低体温症で倒れるところだった。くわばら、くわばら。

帰宅後2週間ぐらい、両足首が串団子のように膨れ上がってしまって大変。次回20時間を切るタイムが狙えるかと問われると…全然無理そう。

(6.4追記)
立派な「完歩証」を郵送していただく。記憶よりもう少し短い時間でゴールしたようだが、22時間台後半であることに変わりはない。それでも、残雪の山々や色とりどりの花、新緑を楽しみに来年も参加しようと思う。




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二年越し・第10回ぐんま100参加の記録 [ウォーキング]

2020年

1月25日 昨年(2019年)の第9回大会参加者を対象にした「払込通知票兼参加申込書」が届く。これで払込手続をしておけば、混みあったサーバーにいらいらしながらウェブで申し込む必要がないのはありがたい。
今回が第10回の記念大会にあたることから、参加賞として、特別なデザインのTシャツをくださるとのこと。遠方からの参加者としては白無地のTシャツにぐんまちゃんをプリントしたシンプルなものが嬉しいのだけど、地元の方にしてみれば、なんで今更ぐんまちゃん、というのももっともな話で。

1月27日 さっそく手続完了。ついでに、前橋市内のビジネスホテルを予約。
 今大会の自己目標は、「19時間を切る」にする。
 ぐんま100を、びわ100と比較すると、
(+)コースの距離が短い(実質101.2キロある「びわ100」と比べると、これだけで15分ぐらいのアドバンテージ)
(+)太田市役所エイドで荷物の出し入れができる
反面
(-)コース上の信号がむやみに多く
(-)高低差がそこそこあり
(-)気温の日較差が大きい(昼は暑く、夜は寒い)ので消耗する
ので、総合的な条件はぐんま100のほうが厳しいと判断する。なので、「19時間を切る」という自己目標は、自分としてはハードルを一段でなく二段上げたつもり。

2月12日 参加受付控が届く。ずいぶん若い番号。そんなに快足でもないのに、申し訳ないような。

4月1日 開催延期のお知らせ。残念。でもまあ、予定通りに開催できる状況じゃないことは明らかですよね。来年(2021年)の5月16-17日に開催予定とのこと。それまでに、世の中が落ち着いているといいのだけど。

4月23日 開催延期の通知が郵便で届く。封筒の中に、ヒマワリの種が入っている!これは蒔かないと。

ということで、今年の「ぐんま100」は幻に終わってしまった。来年に期待。

8月 ミニひまわりが5本、きれいに咲いた!すてきなプレゼントでした。

2021年

3月1日 開催するか否かの基準は、「4月4日時点で群馬県内の市町村の警戒度が3以下であること」とのこと。この時点では、伊勢崎市と太田市の警戒度が4になっている。
4月4日 大会開催が決定。しかし、現在の実行委員会による開催はこれが最終回とのこと。残念。
5月1日 書類が到着。ずいぶん若いゼッケン。世の中がこんな状況なので、エイドステーションがないのはむしろ当然のところだが、太田市役所での荷物引出ができなくなってしまった。この変更は痛い。防寒具一式をスタート地点から全部背負って歩かなければならないので。

5月8日 気象庁の週間予報。15日は曇時々晴、降水確率30%、最高気温26度、最低気温17度。これだと去年とほぼ同じか。

Screenshot_2021-05-08 気象庁|天気予報.png

5月14日 前橋へ移動。あすは終日曇りで気温は20度前後と理想的な予報になっている。

5月15日 午前11時スタートの指定だったが、40分前にスタート地点に行ってみると、もう出発していいよとのこと。さっそくタイムカード?を提出してスタートする。一斉でないので、前後に人がいないから気楽に歩けるかと思ったが、逆に焦りが出てやたらと早く歩いてしまう。
あらかじめわかっていたことだが、信号がひどく気になって、早歩きや小走りを繰り返す。これが災いしたのか、45キロを過ぎたあたりで、これまで全く故障したことのない左膝が爆発。加圧タイツの上からバンテリンを塗ってごまかすが、50キロを過ぎて1キロ12分を維持できなくなり、53キロを過ぎて1キロ15分すら維持できなくなって万事休す。
56キロ地点のリタイアポイントで回収バスを待ちながら、呆然とする。

5月16日 スタート地点に預けた荷物を回収しながら反省。まあともかく練習不足というか、全然練習していないのに自己ベストとかおこがましいにも程があるというものですね。
また、ぐんま100は今回が最終回なので、このコースを歩くことはもうないのだけど、もしもう一度歩くとしたら、故障回避を最優先に、1キロ14分ぐらいのペースで「信号を気にせず歩く」ことを徹底しないとダメなんだろうなと思う。

(6.2追記)いまさらではあるのだけど、このユニークな大会を発案し、第10回までずっと運営されてきた実行委員会のみなさまに深くお礼を申し上げたい。最後の2回に参加しただけではあるが(しかも2回目はリタイアしておいて言う資格があるのか怪しいが)群馬県に職場や故郷をもたない自分にとって、群馬県といえばぐんま100、ぐんま100といえば群馬県、みたいな絶大な存在だった。他の大会と比べる趣旨ではなく、運営に携わる人の気持が感じられることの多い大会で、感謝している。



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2020・第4回しおや100参加の記録(③感想・分析編) [ウォーキング]

(②当日編から続く)

初めて参加する大会だったのだけど、とても印象に残る大会だった。

まずレベルの高さ。
大会終了後の発表によると、最終参加者数は559名、うち72%にあたる406402名が完歩したとのこと。制限時間が当初の24時間から26時間に緩和されたとはいえ、完歩率は高く、この大会の競技色の強さというか、参加者の脚力の高さが数字となって現れた感じ。ちなみに参加者についていうと、他の大会で見たことのある方を何人も目撃したので、今秋唯一開催されたこの大会をめがけて、日本中の100キロウォークファンが押し寄せたと想像され(自分も?)、それも完歩率を押し上げた要因の一つだろう。(1.4追記)ちなみに完歩者のタイムの中央値は20時間46分で、これは今まで参加した大会のなかでたぶん最速。

次に地元密着のすばらしさ。
コースがひとつの市町村域内で完結する大会って初めての経験だったのだけど、さすがの地元密着ぶりで、公民館に設置されたエイドで近所のみなさまが拍手で迎えてくださるなど、とても励まされ、また印象に残った。それ以外にも私設のエイドや、個人宅での「トイレどうぞ」の掲示や、沿道に出ての声援(山羊もいた!)など、町をあげて、とまでは言わないが、コロナ禍をはねかえすかのように、多くの方が大会を盛り上げようとしてくださっている心遣いがたいへんありがたく感じられた。

3つ目に、コース設計が周到であること。信号が少なく(100kmで10か所あるかないか)で、とても歩きやすかった。前半(昼間)が外周大回り、後半(夜間)が内周という設計も、安全管理上合理的だと思う。

これだけすばらしい大会にもかかわらず自分の記録がふるわなかったのは、膝の故障が原因だけど、この故障は序盤のアップダウンを甘く見て飛ばしすぎた失策によるところが大きく、25km以降はずっと徐行運転だった感じ。ゴールした時点で体力はまだまだ残っている感じだったので。また、そういう講釈以前に練習不足だった。やはり一度は30キロぐらい歩いて足の様子をみないと。あと、荷物(食べ物)を持ちすぎだった。

また、やはり寝不足は大禁物だと痛感。自分のような体力のない人間は、寝不足で参加すると事故につながりかねず、少なくとも前日は早く寝られるように、金曜日の仕事を休まないと。

なお、外的な要素として、ぐんま100同様、一日のうちの温度差が大きいことを実感。気象庁データでは、7日の最高気温が20.1度、8日の最低気温が7.5度で、その差は12.6度もある(感覚的にはもっと差が大きいのだけど、データではそうなっている)。途中で荷物がピックアップできない大会なので、夜のための防寒着を背負って朝から歩かなければならないのが大変。

ともあれ、2日間にわたって大変楽しい思いをさせていただいたことに感謝。来年もまたぜひ参加したい。

20201108Geographica.png
↑GPSアプリ"Geographica"の集計画面。今回なぜかGPSの精度が低く(設定を間違えた模様)、右左折するたびに少しずつショートカットしてしまうので、 距離が2km以上も短くなっている。これに対してGPSウォッチは、「100.075km」と表示していて、これでも実際より短い(少なくともエイドではコースから外れて歩いているので、その分を加算すれば100kmよりかなり長くなるはず)けど、アプリよりは精度が高いような。

 
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2020・第4回しおや100参加の記録(②当日編) [ウォーキング]

①事前準備編から続く)

送迎バスが7時20分に駅を出るので、5時に起きて支度を始める。天気図は微妙。雨が降っても降らなくてもおかしくない感じ。

20201107.png

・0km 事前のアナウンス通り、スタート地点で行われるのは検温と手荷物預入だけ。
開会式も準備運動もなく、8時になったらQRコードを各自が読み取らせて順次スタート。すがすがしいというか、効率的でよいですね。食べ物をあれこれ持ちすぎて重い。飲み物は600mlのソフトフラスクに紅茶。

・5km 白い大きなヤギ(”すごーくおいしいよ!”というLINEのスタンプを思い出す)がつながれた橋を渡る。そのしばらく先から上り坂。といっても階段とかではなく、車が通る舗装道路を歩くだけなのだけど、これがけっこうきつい。まわりの選手についていくのが精一杯。ダム湖はキャンプ場と釣り場になっていて、土曜日の朝なので大賑わい。最初のエイドでお饅頭をいただく。

・10km 川を渡ってもう少し登ったところで、最高地点(海抜421m)を通過。両側の林が伐採されていて、なんだか不思議な風景。コースに沿って1kmおきに、「〇〇km」の小さな看板が出ていて、それにこどもの字で一言書き添えてあるのが楽しい。地元の小学生に書いてもらったのだろうか。ただ、もっと太い字で書かないと読めないが…

・15km 左手に唐辛子の畑、右手には蕎麦の畑という珍しい風景。唐辛子が畑に植わっているのを見るのは初めてのような気が。また、刈田でなく稲田がたくさん残っている。これは山間部だからなのか、植わっている稲が晩生の品種なのだろうか。天気は上々で、暑いぐらい。ちょっと厚着すぎたか。
 閉鎖されたゴルフ場に太陽光電池がびっしり敷き詰められている横を通り過ぎる。まぁ法律上の問題はないのだろうけど、好意的に言っても奇観としかいいようがない。

・23km 個人のお宅の庭先(庭先といっても、大きなお屋敷のお庭)がエイドになっていて、豚汁がふるまわれている。お招きにあずかったようで、なんだかいい感じ。ついでにペットボトルをいただき、ソフトフラスクに給水1回目。
その先は道の駅まで、廃線跡と思われる歩きやすい道(=ほどよい道幅、ほどよい傾斜、ほどよいカーブ)。こういう道ばかりだといいのだけど。
まだ4分の1しか歩いていないのに、早くも右膝が痛くなる。これはダメ(完走できない)かもしれないな…と同時に、荷物が重く感じられるようになる。次のエイドでゼリーを全部食べてしまおう。

・26km 道の駅に設置されたエイドステーションで膝にテープを貼り、持っていたゼリー2つとりんごスティックを全部食べる。都合660kcal。これで少しは荷物が軽くなっただろうか…

・30km 鬼怒川の流れに沿って歩く。それまでの晴天が曇り空に。気温が上がらなくてラッキーなのだけど、せっかくの景色が少しくすんで見えてしまうのが残念

・32km 特別養護老人ホームのフェンスから身を乗り出したスタッフの方々が、「いま何キロですか?」と声をかけてくださる。「ええと…まもなく32キロですかね。まだ3分の1も行ってませんね。」と答えながら苦笑する。この調子で残り68キロも歩けるのだろうか。思案しながら歩く横を、赤ゼッケン(=前回16時間以内にゴールした達人)の女性が美しいフォームで追い抜いていく。そのスピード差に、ちょっと衝撃を受ける。
 建設途中の道路をコースに開放してくださった区間、舗装は完璧だし車の心配もないしで歩きやすいのだけど、一直線なだけにどうにも退屈。

・39km ようやく直線道路から解放され、上平ポケットパークのエイドステーションでおにぎりと唐揚げのお弁当をいただく。おいしい。ベンチに座っていると地震が。しかし携帯も鳴らないし、いつまでたっても誰も反応しない。どうも自分の体が勝手に震えている模様。

・40km エイドステーションの少し先、一軒家のポストに「トイレどうぞ」という貼紙が。ウォーカーが何を必要としているか本当にわかっている方のご厚意と思われ、このご時世に本当にありがたく、手を合わせて通り過ぎる。

・44km 遥か東の方角に見えていた東北自動車道がだんだん近づき、下をくぐってしばらく歩くと、コースの最東端に到達。最低地点(海抜190m)もこのあたりで、最高地点との標高差はおよそ200mもある(いや、距離を考えれば、200mしかないというべきだろうか)。

・46km 日没。肘内公民館のエイドステーションでバナナをいただきながら、オニオンスープを試してみる。アツアツで火傷しそうだが、おいしい。公民館の先で日没。あっという間に空が暗くなる。手控と照らし合わせると、昨年のびわ100のペースよりかなり遅い。「50km地点で50分の貯金、60km地点で40分の貯金」はとても無理そう。

・50km 川べりの真っ暗な道を歩いていると、誘導灯を準備されているスタッフの方が「もう半分まで来ましたよ!」と声をかけてくださったので、いつの間にか半分歩いたことを知る。うーんまだ半分…あと50キロもあるのか…リタイアするなら玉生小学校だが、それにしてもあと18キロもある。

・52km エイドステーションまでやってきたが、何も食べる気がしない。

・57km コンビニでトイレを借り、ついでにウィダーイン。これで済むのであれば、携行する食糧は最小限でいいですね。

・58km 国道461号の歩道、落ち葉や枯れ枝が積もって歩きにくい。上りきって鋭角に曲がったところに、思いがけず私設のエイドステーション。おにぎりとスープをふるまってくださる。梅しそ味のおにぎりと、アツアツのスープがたまらなくおいしい。

・59km 道がよくわからなくなる。前に人がいれば、大会本部支給の点滅灯が背中でまたたいているのでそれとわかるのだけど、それが遠ざかってしまうと、「この道でいいのだろうか?」と不安になってくる。しかし、真っ暗で深い森の中を歩いていたかと思うと、不意に人家が何軒も現れたりして、ここはどんな場所なのだろう?と不思議に感じる。

・62km 暗闇の中にエイドステーション。さきほどから寒さを感じていたので、ここでダウンベストを着こむ。歩き始めたら、保温力がありすぎて今度は暑い。なかなかコントロールがうまくいかない。

・68km 大会本部のある玉生小学校まで戻ってくる。リタイアすることも考えたが、もう終電には間に合わないし、明日の朝まで体育館で寝ていても仕方ないので、行けるところまで行こうと決める。この時点で、20時間以内の完歩は難しいと判断。少しゆっくりする。焼きそばを勧めてくださるが、どうにも食欲がわかず、バナナを1本、それに2本目のオニオンスープをいただく。ソフトフラスクに2回目の給水。ウインドシェルを羽織り、これでレインウェア以外は全部着こんだ。

・70km 玉生から船生への長い上り坂がつらい。ペースはどんどん落ち、12分台をスキップして13分台に入る。

・73km 青いイルミネーションを施した、民家なのか飲食店なのか判然としない建物(暗闇と疲労でよくわからなくなっている)に私設エイド。キャンディーとかラムネとかキャラメルを勧めてくださる。洵にありがたく、なにか現実でないような不思議な感じ。キャラメルをなめながら歩くと、少し元気が回復。

・79km ふたたび道の駅。もう20時間切りは到底無理なので、屋内でゆっくりスープ餃子をいただき、暖をとる。ついでに3回目のオニオンスープ。朝から20時間近く歯を磨いていないので、口の中が気持悪い。

IMG_5090.JPG

・81km 歩道に茶色の蛇がうずくまっているように見えたが、幻覚かもしれない。振り返ると腰が痛くなるので、振り返って確認することができない。危うく踏むところだった。

・85km また廃線跡とおぼしき道路に戻ると、ものすごく眠い。スマホで音楽を聴いたり、小声で歌ったりすると、その間だけは紛れるのだけど、圧倒的な眠気の前にはほぼ無力で、自動運転というか、目をつぶったまま歩いている(危険)。ぬれ煎餅をかじるのが意外に効く。正面つまり東の方角に月がのぼっているのが見え、流れていく雲とのやりとりが美しい。きょうの月齢は21.3。北斗七星とカシオペアがくっきりと見える。

・88km 焚火を設けたエイドステーション。ベンチに腰を下ろし、4回目のオニオンスープをいただきながら少し瞑目する。焚火の煙がこちらに流れてきてケムいのだけど、場所を変える元気もない。炎が幻想的。写真を撮ってみたが、なんだかよくわからない映像…

IMG_5091.jpg

あと12キロ歩けるのだろうか…眠い…

・90km 真っ暗な道路沿い、どこかのお屋敷の飼い犬がすごい勢いで吠えている。そりゃそうだろう。ふだん人の気配のない細い道を、点滅灯をピカピカさせながら、何百人も歩いているのだから…

・95km 大宮公民館。最後のエイドステーション。甘酒をいただく。疲れていて味がよくわからないが、暖まるだけでもありがたい。室内の長椅子に座り、ふたたび瞑目。歩いている時間より座っている時間のほうが長いような気が…

・96km やっとの思いで歩き出すと、全身が痛む。暗闇のなか、新聞を配達するバイクとすれ違う。もうそんな時間なのですね。ゴールをめざしてひたすら北上するが、ペースは1キロ15分台で、もはやお話にならないスピードになってしまっている。スタート時に1キロ9分台だったことを考えると、まるで別人。

・100km 最後の角を曲がると、小学校の建物が見えてくる。前にも後ろにも誰もいないが、ともかく歩き続けてゴール。21時間台前半。自己目標には遠く及ばず。ゴールして東の空を見上げると、少し明るくなっている。

 ゴールのすぐ横にポスターが貼りだされ、「2021年は4月17,18日 春の開催で待ってます!」と。うーん4月って暑いのだろうか寒いのだろうか…来年も11月にしてほしいなあ…整理体操がわりにグランドをゆっくり歩き、焚火にあたり、飲み物を提供している場所にポットを見つけて5回目のオニオンスープをいただく。やはりおいしい。

IMG_5092.jpg

 いつもなら、着替えに七転八倒するところ、案に相違して楽に着替えができる。体力が尽きる前に膝が壊れてスローペースになってしまったためだろう。

 体育館で仮眠をとることができるのだけど、体を動かしていないと寒い。これでは風邪をひいてしまうので、次の送迎バスで矢板駅に送っていただくことにする。バスを降りぎわに、「来年もよろしくお願いします。」とご挨拶。矢板駅には何もないので、宇都宮駅のタリーズに入ってようやく人心地。

③感想・分析編に続く)

  
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2020・第4回しおや100参加の記録(①事前準備編) [ウォーキング]

5月のぐんま100も、10月のびわ100も、11月の六甲全縦もことごとく中止になってしまった。残念に思っていたところ、しおや100(正式名称は「第4回しおや100キロウォーク」)が11月に実施される(4月11日に実施予定だったところ、11月7日に延期して実施)とのニュース。これはぜひ出場したい。

9月7日 追加受付開始30分後(午前0時30分)にエントリー。整理番号が13番(ゼッケン番号ではない)なので、この瞬間を待ち構えていた人が少なくとも12人いたわけですね。

9月8日 修正後の大会概要をよく読むと、やはりマスクを着用して歩くのですね。大変。
よく工夫されているなあと思うのは、スタート時間に幅を設けていて、午前8時から10時まで、自分の判断でいつでもスタート可能となっていること。明るいうちに歩ける時間が2時間長くなれば、その間に10キロぐらい歩けるわけで、大変ありがたい。
また、エイドはセルフサービスを原則にするとのこと。リスク軽減のためエイド全廃もありうると思っていただけに、何かを補給してくださること自体が嬉しい。

10月25日 ゼッケンと取説等一式を受領。このゼッケン番号はどういう番号なのだろう。追加募集分は500とか1000番ぐらいから振るのかと思っていた。春の募集分の最後の番号の次から、追加申込の順番に、ということなのだろうか。

10月28日 日本気象協会の「10日間天気」で11月7日(土)の天気をチェック。予報は予報であって、時間の経過でどんどん変わるものだとわかっていても、この瞬間はかなりドキドキする。7日の塩谷町は晴れ、降水確率30%、最低気温3度、最高気温17度の予報。この日は九州地方が曇のち雨の予報になっていて、西から気圧の谷が近づいてくる模様。うーん8日(日)の朝まで天気がもってくれるといいのだけど。

11月2日 続いて気象庁の週間天気予報。7日に気圧の谷が通過するが、雨にはならず曇りで踏みとどまる予報になっている。また、最高気温・最低気温ともかなり高いことが目をひく。

20201102.png

11月6日 大会本部のウェブページを見ると、申込総数は611名とのこと。この人数で分散スタートなら、それほど密にはならないだろうと安心。
昼過ぎには矢板まで行き、夕食を早めにとって寝だめをするつもりだったが、諸事情で大幅に遅延。夜遅くにチャーハンの大盛をいただきながら、明日はどうなることかと案じる。

②当日編につづく)
 

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中止(延期)相次ぐ [ウォーキング]

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5月16日に予定されていた「ぐんま100」につづき、10月16日に予定されていた「びわ100」も来年に延期とのこと。やむを得ない。が、次の目標が来年の5月って、遠すぎる…

とはいえ、一番残念な思いをされているのは他ならぬ実行委員会のみなさんなのだから、来年を楽しみに静かにトレーニングを続けなければ(って、何もしていないのだけど)。

(5.28追記)来年のことはさておき、いま100キロウォークの大会が開催されたら、参加者はマスクを着けて歩くことを要請されるのだろうか?ペースを上げたときにちょっと苦しそう。
  
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GPSウォッチ [ウォーキング]

いまごろ気づいたのだけど、エプソン社がGPSウォッチから撤退していたのですね。
安い、軽い、日本製といいことづくめだっただけに、これは残念。

(5.13追記)
自分の用途は100キロウォークなので、ゴールまで19~24時間ぐらいかかる。そうすると、20~22時間ぐらい(バッテリーの経年劣化を考慮すると、仕様上はもう少し長い時間)GPS測定できることが必要。他社でこの条件を満たすモデルは重くて高価なものが多い中、エプソン社のは手ごろだったのだけど。
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糖や脂肪の吸収を抑える… [ウォーキング]

20200319-1.png

糖や脂肪の吸収を抑える(吸収されにくい)ことって、アピールポイントになるのですか!
「抑える」の真意は、「最終的に、吸収されない」ということなのか、「吸収に時間がかかる」ということなのか、どちらなのでしょう。
どちらにしても、このチョコを100キロウォークの行動食に持参したら、食べても食べても血糖値が上がらず、倒れてしまいそう…って、そんな視点でCM見る人はいないですね。失礼しました。

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2019・第6回びわ100参加の記録③感想・分析編 [ウォーキング]

(②当日編から続く)

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(GPSアプリ"Geographica"の集計表示画面。このアプリはとても便利です)

過去2回同様、サポーターのみなさんの意気込みが強く感じられる、すばらしい大会だった。後半のチェックポイントやゴール地点のように長時間にわたって開設されている場所では、気力体力を持続させるのが大変だと思うのだが、はるか手前から何人もが拍手やライトで出迎え、また見送ってくださることは、特に深夜にはとても勇気づけられた。また、たった一人で、分岐点やルートが変わる要所に待機していて、選手が通るたびに案内をしてくださる方にも頭が下がる。今回は特に、暑さや雨や虫刺されで難儀だったと思うのだけど、そのつどパイプ椅子から立ち上がってくださって、こちらが恐縮してしまう。

また、「たねや」さんのお饅頭とか、いちご飴、サラダパン、しじみ汁などなど、エイドでいただくものに「滋賀県らしさ」が現れていることも楽しく感じられる。たねやさんファンひいては滋賀県ファンを育成する効果は絶大で、東京のデパ地下で「たねや」さんを見かけると、思わず何かを買ってしまう習慣がついている。このあたり、運営の巧みなところだと思う。

それにしても、雨と高温に難渋した大会だった。実際に強い雨に降られていたのは2時間ぐらいなのだけど、その後も弱い雨や霧雨が断続的に続いたためにレインウェアを外す決断が遅れ、高温とあいまって消耗につながった。
気象データでみると、
・19日の最高気温:長浜23.5度、彦根22.0度、大津21.0度
・20日朝の最低気温:長浜16.7度、彦根18.8度、大津16.7度
・19日(全日)の降水量:長浜15.0mm、彦根14.0mm、大津14.0mm
となるが、湿度が高いためか、この数字以上に暑く感じた。
これまで、第4回は台風、第5回は低温、第6回は雨と高温といずれも悪条件だったが、最も過酷だった第4回の台風にくらべれば今回はまだマシ。とはいえ、3回参加して2回が雨って、確率的にかなりレアなのでは…たわむれに計算してみると、①準備編で

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10月の彦根の晴れ日数と降水日数の平年値は、晴れ日数18.1日、降水日数8.9日。ちなみに晴れ日数とは、「日照時間が可照時間の40%以上」の日数、降水日数とは「日降水量1mm以上」の日数で、びわ100参加者にとっては、むろん降水日数のほうが重要。ほぼ24時間歩き続けるわけなので、歩行中に1mm以上の雨にみまわれる確率は、8.9日/31日=0.287となる。
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としているので、10月の大会に3回参加したとして、
・3回とも雨にみまわれる確率 0.287x0.287x0.287=0.024
・3回のうち2回雨にみまわれる確率 (1-0.287)x0.287x0.287x3=0.176
・3回のうち1回雨にみまわれる確率 (1-0.287)x(1-0.287)x0.287x3=0.438
・1回も雨にみまわれない確率 (1-0.287)x(1-0.287)x(1-0.287)=0.362
のはずなのだが、0.176のクジをひいてしまったようだ。

それでも、雨に濡れたら濡れたで、そのまま歩き続けられる(薄いソックスなら、雨があがればやがて乾く)こともわかったので、次回以降、過剰な装備を省けるだけでもありがたい。

また、これも毎回同じことを書いているが、信号待ちがとても少ないこと(特に、スタートから松原町の信号まで11.8km、長命寺町信号から守山美崎公園手前の信号まで13.9kmにわたって、いずれも信号待ちがない)と、高低差が少ないことは、歩いていて気持ちがよく、びわ100のコース設計が優れているところだと思う。

しかし、これまでも最大の課題としてきた「後半の栄養補給」が、今回も最大の宿題として残ってしまった。60km地点以降のおよそ8時間、エイドでいただいたものを別とすれば、ドライフルーツとビスケットをわずかに食べただけだった。ふだん深夜早朝に食べる習慣がなくても、あれだけ歩けば空腹になって当然のはずだが、実際には、何も食べたくない(ゼリーさえ食べたくない)ので困ってしまう。温かいお茶を飲むのがやっとでは、体に悪いにきまっているので、何か対策を考えないと。

これに関連して、ゴール直後のひどい症状も、一体何がおきているのか(貧血?低血糖?脱水?)よくわからないだけに困ってしまう。スタート直前とゴール直後に採血して、どういう状態なのか分析したいところ。ゴール地点、隣のベンチでおいしそうに唐揚げ食べながらビールを飲んでいる参加者がうらやましい。日ごろの鍛え方が違うのか…

2019心拍数推移.png
(心拍数の推移。20時ごろから23時ごろまで謎に低下している。なお歩数は、10月19日83,659歩、20日60,641歩)

繰り返しになるが、ハード面で同じであっても、それを運営する人しだいで印象はいくらも変わるわけで、文字通り不眠不休でマネジメントやサポートにあたられた実行委員の皆さんに深い感謝を申し上げたい。来年も参加させていただきたいと思うと同時に、何年かに一度はサポーターとして参加するのもいいかなあなどと思ったりもする。

(★11.5追記)〔主催者から発表されたデータ〕
・びわ100コース(一般の部)
  登録者数 921
  出場者数 854
  完歩者数 590 (出場者数に対して69%、登録者数に対して64%)
       ↓
  完歩者590人のゴール時間帯別内訳
   午前7時まで(=21時間以内) 33
   午前8時まで(=22時間以内) 21
   午前9時まで(=23時間以内) 50
   午前10時まで(=24時間以内)57
   午前11時まで(=25時間以内)43
   正午まで  (=26時間以内)65
   午後1時まで(=27時間以内)68
   午後2時まで(=28時間以内)58
   午後3時まで(=29時間以内)66
   午後4時まで(=30時間以内)129 ※

・アスリートコース(健脚の部)
  登録者数 78
  出場者数 76
  完歩者数 70 (出場者数に対して92%、登録者数に対して89%)
       ↓
  完歩者70人のゴール時間帯別内訳
   午前7時まで(=18時間以内) 12
   午前8時まで(=19時間以内) 11
   午前9時まで(=20時間以内) 13
   午前10時まで(=21時間以内)6
   午前11時まで(=22時間以内)10
   正午まで  (=23時間以内)6
   午後1時まで(=24時間以内)1
   午後2時まで(=25時間以内)4
   午後3時まで(=26時間以内)0
   午後4時まで(=27時間以内)7

※完歩者の2割以上が、最後の1時間(29時間から30時間以内)にゴールしている事実は、いくつもの点ですばらしいと思う。
一つめに、これだけ多くの方が目標を達成されたという事実。これは、チェックポイントやエイドステーションなどでのサポーターの応援、さらには最後尾追跡(16時直前にゴールできるよう最後尾でペースをコントロールしているサポーターがいるはずで、コースに1kmちょっとのおまけ(余分)があることを考慮すると、コントロールには高度な技術が必要だと思う)など、参加者のがんばりと運営の心意気がマッチした結果だと思う。
二つ目に、制限時間をあえて30時間としていること。仮に制限時間が24時間だったら、完歩者は限られる…というか参加者が限られる(腕に覚えのある者に限られる)ものと思われ、それで大会の価値が変わるわけではないにしても、「大会の趣旨を体現する度合い」という点では、やはり午後4時までゴールを開けつづけることが、運営上楽なことではないだけにすばらしいと思う。

(★11.7追記)自分が知る範囲で、100キロウォークの各大会の制限時間を列挙すると、
30時間 びわ100
28時間 ぐんま100
26時間 行橋別府、三河湾、東京エクストリーム
24時間 つくば、しおや、晴れの国おかやま
となっていて、びわ100(と、ぐんま100)が「完歩する経験」を重視していることがよくわかるし、とても共感できる(制限時間が短い大会をdisる趣旨ではないので為念)。


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2019・第6回びわ100参加の記録②当日編 [ウォーキング]

(①準備編から続く)

目覚めると晴れ間がのぞいていて、もしやと希望を抱かせるが、天気予報をつけてみると、むしろ午後から宵の口までずっと雨との無情な宣告。さらに気温高めというダブルパンチ。まあ、この天気図ではどうにもならない。きょうは1日かけて停滞前線を味わう日になりそう。

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宿の食堂で朝ごはんをつめこむ。隣のテーブルの宿泊客からは、炭水化物をひたすら摂取する気色の悪いおっさんに見えたことだろう(炭水化物を摂取しなくても、気色の悪いおっさんには違いないが)。
湿度は100%近く、真夏用の上下にレインウェアを重ね着すると、歩く前から既に暑い。また、防水でない靴を持ってきてしまったので、途中で浸水することは明らか。一応の対策として簡単なシューズカバーをかけるが、これでどこまで浸水を先延ばしできるか…せめて20kmぐらいまでもってくれるといいが。
また、バックパックの上からレインウェアを羽織ると、中味の出し入れが面倒になるのも困るところ。ハイドレーションには紅茶1.2リットルを入れる。

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・0km スタート地点で受付後、開会式。100人足らずなので、受付も実行委員長挨拶も伝達事項もラジオ体操も記念写真もあっさり終わってしまい、予定の13時を7分半ほど繰り上げてスタート。たとえ7分半でも、明るいうちに歩く時間が長くなるのはありがたい。スタートしてすぐのところで、犬を連れた年配の方が「全員完歩」の幟を並べて応援してくださる。
アスリートコースと称するだけあって、あっという間に半分ぐらいの選手が見えなくなってしまう。この人たちに無理についていこうとすると後で体力が尽きてしまうので、自重しなければと思いつつ、1kmあたり10分ぐらいの早いペースで歩き始める。
今回の目標は、20時間を切ること。単純計算では、1kmあたり12分のペースでずっと歩けばよいのだが、コースに1.4kmのおまけがついているので、その1.4kmに必要な時間を考慮に入れると、19時間40分ぐらいで100km地点に到達していないと、20時間は切れないことになる。

・10km スタート直後に天気予報どおり降り始めた雨が、本降りに変わる。彦根城の周囲の狭い歩道にさしかかり、傘をさしている旅行者のみなさんと接触しないように歩くのが一苦労(むこうから見ると、大雨のなかをレインウェアで突進してくる迷惑な歩行者だろう)。長曾根町北の信号で湖岸道路に戻る際、水たまりに踏み込んだ右足が一気に浸水。あと85kmもあるのに…
 きょうの雲は、上空を北西から南東に押し寄せてくる。比良山系の上に濃い墨色の雲が出てくると、それが湖上をこちらに近づいてきて、自分のいる場所でも強い雨が降り始める。やがて雲の薄い部分が同様に近づいてきて空が少し明るくなり、小降りになる。この繰り返しで時間が過ぎていく。

・20km 雨はすこし小降りになる。相変わらずのハイペースで歩き続け、早くも右足の足首と前脛が痛くなりはじめる。少しペースダウンしないともたないという恐怖と、このペースでどこまで貯金できるか?という好奇心とが拮抗し、後者が若干上回る。20kmの看板の少し先で、10時にスタートした一般の部の最後尾とおぼしき二人連れを追い越す。その先、「あのベンチ」に私設エイドのようなものがあるあたりから、一般の部の選手をちらほら見かけるようになる。

・27km 去年と同じ公園でトイレタイム。ついでにヘッドランプと点滅灯を点灯し、懐中電灯を取り出す。公園を出てしばらくすると日没。このあたりから、グループで歩いている出場者をいくつも追い越すが、まだ渋滞というほどではなく、歩道も広いので、そのつど挨拶をする余裕がある。

・30km 時速5km/hで歩けば6時間を要するところ、5時間12分で通過。この時点で48分の貯金。ハイドレーションの水が、雨と高温のため、全部汗になって出てしまっている感じ。薄いソックスをはいているので、濡れていることがあまり気にならないという思わぬ効果。しかし足がふやけていることに変わりはない。

・32km 雨の第1CPに到着。去年と同じお嬢さんから「たねや」のお饅頭をいただく。「これが楽しみでびわ100に参加しています」は社交辞令ではなく、本当にありがたく思う。去年はパイプ椅子に座り込んで風邪薬を飲んだりしてタイムロスになってしまったので、ことしは立ったままバナナとお饅頭をいただいてすぐ出発。守山市内で待機している家族に電話し、あと4時間ぐらいで到着する旨を連絡。

・ 35km 前を歩く人がだんだん多くなってくる。歩道の狭い箇所で追い抜くときには後ろから声をかけ、注意深く右側を通るようにするが、そこがちょうど水たまりだったりして、なかなかしんどい。街灯がないので、ヘッドランプでよく見えない部分を懐中電灯で補いながら進む。

・ 40km 長命寺橋の先、おととしの第4回大会で広大な水たまりになっていた場所の状況を案じていたが、思ったほどではなくてほっとする。それでも水たまりの端をつたうようにして歩く箇所がいくつか。41km地点の第1エイドに立ち寄り、シューズカバーを外し、ロキソニン錠を服用し、さらにロキソニンテープを右足首に貼る。いただいた飴玉をしゃぶりながら、再び歩く。

・ 45km 湖岸道路の広い歩道をひたすら歩く。前の選手のバックパックで点滅する灯りがしだいに近づいてきて、追いつき、しばらく会話して追い越し、ふたたび真っ暗な中を歩くことの繰り返し。ときどき、真っ暗な道端に座り込んで休憩している選手がいてびっくりする(というか、ちょっと危ない)。

・ 50km 50キロ地点を示す看板がどこかに出ていたはずだが見あたらない。もう一度家族に電話し、あと30分ぐらいで着くので補給物資を持ってバス停で待っていてくれるよう依頼。

・ 53km スタートから9時間10分余で第2CPに到達。一昨年より40分以上、また昨年より30分以上早い。おにぎりとお味噌汁をおいしくいただく(このあたりまでは、まだ食欲があった)。ここでも座らずに出発し、バス停で待機していた家族から水と行動食の供給を受ける。ゼリー2本を一気飲み。夜間の寒さ対策として用意した着替えは、結局出番がなかった。

・55km 市街地の道路に戻ったので、信号待ちが気になる。待っているあいだはストレッチをしたり、行動食を頬張ったりするのだが、しだいに食欲も落ちてきて、後半用の行動食は大半を残してしまいそう。1kmあたり11分台をまだ維持しているので、60km地点で貯金が1時間あれば(つまり、12時間かかるべきところ11時間以内で到達していれば)、残り40kmに1分ずつ配分して40分(つまり、1kmあたり13分で歩いて)、残り20分で最後の1.4kmを歩ければ20時間を切れるかも、などと頭の中で計算する。

・60km 午前0時をすぎて播磨田町を右折し、県道42号線に入る。24時間営業のスーパーの前を通るが、駐車場にはほとんど車が停まっていない。大丈夫なのだろうか。

・65km 去年長逗留して失敗した喫茶店が道の反対側(進行方向右側)に見える。まもなく第3CP。温かいコーンスープをちびちび飲み干し、サラダパンは遠慮申し上げて早々に出発。どのCPやエイドも、今回は最小限の滞在時間で出発できている。

・70km 去年の第3CPが、やはり道の反対側に見える。あのときは恐ろしく寒かったのに、きょうは暑く、おまけに夜半をすぎてもパラパラと雨が降り続けるので、レインウェアを脱ぐ決断ができない。

・75km まったく食欲がない。ハイドレーションの水を飲むのもいやになってきたので、コンビニで温かいほうじ茶を買うが、それも半分も飲めない。湖岸道路に戻ると、長浜や彦根では感じなかった「水辺のにおい」を感じる。瀬田川畔の遊歩道に入り、懐中電灯を駆使してあるく。運営委員のみなさんがサイリウムを遊歩道の両側に配置してくださっているので、それが目印になってたいへん助かる。

・80km 遊歩道には信号がないので歩きやすいはずだが、真っ暗かつ水辺であることと、しばしば土手に上がらなければならないため、ペースが上がらないし、あまり楽しく感じない。ようやく第4CPの明かりを見つけてほっとする。飴玉を3ついただき、ふたたび歩きながらしゃぶる。飴玉で僅かでも糖分補給をと思うが、2ついただいたところでそれもいやになる。

・83km 去年と同じ場所でしじみ汁の差し入れ。陳腐な表現だが、五臓六腑に染み渡るおいしさ。思わず「しみわたる!」と口走ってしまう。スタートから15時間あまり、ここで初めて座る(立っているほうが楽)。

・85km 再度コンビニに立ち寄り、温かい緑茶を買うが、やはり半分も飲めない。固形物はもはや全く受け付けない。いつものことだが、近江大橋が見えているのになかなか近づいてこない。やっと近江大橋をくぐると、今度はプリンスホテルの高い建物がなかなか近づいてこない。そうこうするうち、対岸つまり東側の空がうっすらと明るんでくる。

・90km 明るくなりかけた第5CPに到着。スタッフが出してくださる熱い緑茶が驚くほどおいしい(「チャイと緑茶、それぞれホットとアイスがあります。何にしますか?」とわざわざ尋ねてくださって、ありがたいやら恐縮するやら)。持参したお菓子とドライフルーツを無理やり流し込み、ロキソニンをもう1錠服用。ついでにテープも貼る。ここでようやくレインウェアの上をバックパックにしまう(涼しい!)。まだ貯金が1時間あるので、残り11.2kmを1kmあたり15分のスローペースで歩いても、なんとか19時間台でゴールできると皮算用。

・ 95km 5月の「ぐんま100」でも残り10キロで足が止まってしまったが、今回も1kmあたり13分台までペースが落ちてくる。それでも、途中から生活道路に入って歩きやすくなったことで、ふたたび11分台を回復し、これなら19時間台の前半もいけるかもと考える。この静かな生活道路は、おそらく旧道なのだろうが、地元の人が数多く歩いていて、通りすがりに挨拶をすると返事をしてくださったり、応援してくださったりするのがたいへんありがたい。

・100km 最後の難所である「歩道橋」をどうにかクリアして、幹線道路に戻ってからの長いこと。途中の駐車場で、スタート直後に応援してくださった「全員完歩」さんが応援してくださるのを力に、残り1.8キロをなんとか進む。最後に1人抜かされたものの、19時間台前半でなんとかゴール地点に到着。

 しかしその後がいけない。加圧タイツを脱ごうと更衣所で前かがみになった瞬間に貧血のような症状(貧血ではなく低血糖か?しかし空腹感はまったくない)と腹筋の痙攣が爆発し、這うようにベンチへ移動して失神。足をあげ、頭に血が戻ってきて、ようやく意識が回復したものの、世界が暗く見え、吐き気が治まらない。ハイドレーションに残った紅茶を棄てるためにトイレに移動するが、袋の中の紅茶の色が血液に見えていっそう気分が悪くなり、トイレで冷や汗が出て動けなくなる。

(③感想・分析編へ続く)

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2019・第6回びわ100参加の記録①準備編 [ウォーキング]

5月1日 大会公式サイトに「きょうから募集開始」の告知が出ているのを偶然見つける。去年は7月1日募集開始だったので、2か月繰り上がっている。
去年と同様、どちらのコースに申し込むか少し考えたが、同時にスタートする人数が少ないほうが歩きやすいと思われること、また第3CPが午前0時まで開かないことを考慮して、今年はアスリートコースに申し込む。今回から申込先がJTBスポーツステーション社になったのですね。ここは、六甲全縦と同じ代理店。

5月8日 滋賀県で大きな交通事故と伝えるニュースを聴いていたら「大津市の大萱6丁目交差点」とアナウンスしている。大萱6丁目って、びわ100のコース上、しかも内陸部から湖岸道路に左折する重要な交差点(73.5k地点)ではないですか。これは大変なことに。
安全のため保育士さんに手を引かれている園児でさえこのような事故に遭遇するのであれば、半ば眠りながらふらふら歩いている自分などは、いつ事故にあってもおかしくない(比較が不適切だが)。

6月29日 申込が550名に達したとのこと。しかし定員1000名って大層な数ですね。信号待ちをあまり気にしなくて済むこの大会ならではという気もするが、それでも、彦根市街地などは歩道が狭いので、渋滞が起きてしまうのではと心配。

7月31日 応募締切。最終日に多数の応募があり、ほぼ1000人に達したとのこと。仮にアスリートコースの最後尾からスタートするとしたら、その時点で自分より前を1000人が歩いていることになるのですね。すごい。

8月5日 仮バージョンとして表示されているコースマップを見たら、第3CPの位置が去年より4キロほど手前になっているほか、湖岸道路の74.1キロ地点に「救護所」が設けられるように書かれている。救護所なら、もう少し手前に必要な気もするが…

8月23日 きょう発表の3か月予報によると、近畿地方の10月の平均気温は平年並か高い見込み(低20・並40・高40)で、降水量はほぼ平年並(少30・並40・多30)。気温が高いことはいい面もわるい面もあるが、降水量だけは少ないことを願う。
10月の彦根の晴れ日数と降水日数の平年値は、晴れ日数18.1日、降水日数8.9日。ちなみに晴れ日数とは、「日照時間が可照時間の40%以上」の日数、降水日数とは「日降水量1mm以上」の日数で、びわ100参加者にとっては、むろん降水日数のほうが重要。ほぼ24時間歩き続けるわけなので、歩行中に1mm以上の雨にみまわれる確率は、8.9日/31日=0.287となる。

8月27日 参加者は992名(びわ100が909、アスリートが83)で確定との発表。992名とはすごい人数。ぐんま100キロの倍だ。後から追いかける形でスタートする自分としては、先行する909名がうまくばらけてくれると歩きやすいのだけど。それ以上に、エイドステーションやチェックポイントで、出場者が集中する時間帯に、バーコードの読み取りとか、1000人分のおにぎりとかバナナとかの手渡しをどうやるのだろうか。オペレーションが大変そう。

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9月16日 大会公式ウェブサイトに掲載されたコースマップを点検する。去年からの変更点は、
・木浜町交差点から生活道路(北寄り)に入っていたが、そのまま幹線道路(南寄り)を播磨田町まで進む。また、途中速野小学校前から幹線道路の右側(南側)を通行するようになる。
・ロイヤルホームセンターの大会本部は、これまでエイドとリタイア者仮眠所を兼ねていたが、大会本部の機能だけが残る(だから別途「救護所」が必要になるわけですね)。
・播磨田町交差点で県道42号線に右折後、全区間で左側(南東側)を通行するようになる。
・第3CPが4キロ手前に移動(70.1キロ地点→66.1キロ地点)し、開設時間が1時間繰り上がる。
・大萱6丁目の交差点で湖岸側(西側)に渡らず、陸側(東側)を南下する
・ロイヤルオークホテルに「救護所」が設けられる。リタイア者の仮眠場所ですね。
・95キロ地点のエイドステーションが廃止される。
ぐらいで、大きな変更はない感じ。
ところで、ウェブサイトには「おかげさまで、999名の方のお申込みを頂きました。」と書かれているのだけど、いつの間にか7人増えたのですね。
999人って…わざとやろうと思ってもできない人数ですな。

9月19日 1か月予報(9月21日~10月20日・近畿地方)
向こう1か月の
・平均気温は平年より高く
・降水量はほぼ平年並み(か、やや多い)
との予想。希望とは逆の予報。4週間先のことなので、一喜一憂しても仕方ないことはわかっているが、雨だけは降ってほしくない。

10月9日 参加説明書とコースマップが届く。いよいよ本番が近くなってきた。コースマップは…畳めないので、携帯には不便。去年のコースマップはA4両面印刷で情報量も多く、携帯しやすい優れものだっただけに、ちょっと残念。

10月14日 滋賀県の週間天気予報で1週間後の天気を参照。
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残念…雨ですか。しかし本格的な雨でもなさそうで、着るものや靴の選択に迷うところ。最低気温が高いのはありがたいが、風が強くなると体感温度が下がるので、風向や風速も気になる。

10月18日 19日は午後3時ごろまで雨で、そのあと晴れという微妙な予報…スタートから3時間ぐらい、なんとか持ちこたえられるか。
長浜まで移動し、宿に荷物を置いてテレビの天気予報を見ると、明日は午後3時どころか夕方まで雨だという。がっかり。また、駅前ビルの、過去2回夕食をとっていたカフェが廃業してしまっている。

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大きな町だから食堂ぐらい沢山ありそうなものだが、駅のまわりは居酒屋ばかり。やむを得ず、駅の隣のビルのファミリーレストランに移動すると、こちらはスポーツジムになってしまっている。「電車でやってきて駅前で食事をとる人」がもはや想定されていない事実に大いに盛り下がるが、近くの店で食べられるだけ食べて、20時すぎに就寝。

(②当日編に続く)



 


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2019・第9回ぐんま100参加の記録③感想・分析編 [ウォーキング]

②当日編から続く)

スタッフのみなさんの意気込みや心遣いが伝わってくる、とても気持のよい大会だった。主要な地点が市役所であることや、出場者に占める群馬県在住者の比率の高さなど、地元密着の度合が高い大会であることのよい面が出ているのだと思う。「ぐんま100kmウォーク」という看板の大きさ(他の大会は市町村名とか地域名であるところ、県の名前が大会名になっていることを言っている)も、納得がいく。

いつも思うことだが、100キロウォークの主役は2つ(2グループ)ある。
ひとつは、
「制限時間内に完歩できるか不安に思いながら挑戦している出場者(この大会でいえば、26時間台とか27時間台でゴールした出場者)」
もうひとつは
「実行委員会やボランティアをはじめとする運営スタッフのみなさん」
だ。両者に共通するのは、計算が入り込む余地のない(少ない)、より純粋な挑戦という点だ。自分のように、完歩できることは前提としつつ「どうすれば20時間を切れるか?」などと考えるのは、楽しいけれどもきわめて個人的な目標なので、なるべくスタッフのご迷惑にならないよう静かに参加し、エイドやチェックポイントでは十二分に謝意を表現するのがお約束というものだろう。

特に、エイドやチェックポイントのみなさんの励ましや、整体やマッサージの充実ぶりは、どちらもとても助かった。わけても、第2CPで足のマッサージをしていただいた先生には感謝してもしきれない。お名前を聞き忘れたのが悔やまれるが、あのマッサージのおかげで、第5エイド(90.2k)近くまで、1キロ11分台で歩くことができました。ありがとうございました。

にもかかわらず、最後の10キロで、やはり失速してしまった。失速といっても12分台か13分台なので、昨年のびわ100の失速ぶりにくらべればだいぶ改善されたのだけど、最後の10キロを11分台で歩くことができれば(つまり、最初から最後まで概ね11分台で歩ききることができれば)、あとは「12分未満で歩いた時間の累積」と「休憩時間」のどちらが長いかで19時間台か20時間台かが決まるというシンプルな構図になってくる。だが、最後の10キロで失速しないためのトレーニングって、どのようなものだろうか。これが第1の課題。

第2の課題は、昼間の暑さ&明け方の寒さ対策。いつもこんなに暑いわけではないのだろうが、5月11日の最高気温は前橋28.6度、伊勢崎29.4度、桐生29.5度、12日の最低気温は前橋13.5度、伊勢崎12.8度、桐生12.8度で、かなり日較差が大きい。着替えや着重ねはむろんのことだが、前後半でもっと明確に差をつけた方がいいかもしれない。極論すれば、前半はTシャツ1枚、後半はダウンジャケットとか。

第3の課題は、水と栄養の補給。前半は概ね計画どおりだったのだけど、後半になってほとんどのものを受け付けなくなってしまったので、秋のびわ100までに考え直さないといけない。最後まで摂取可能なものって、何なのだろう。

上記3つのいずれにも関連する第4の課題は、途中から頭が働かなくなってしまうことで、今回も、着替えや補給を忘れたり、トイレに行きかけて戻ってきたり、お店の人の問いかけに反応できなかったりと散々だった。眠気と疲労の相乗効果なので対策をとることは難しく、カフェインを摂取すれば一定の効果はありそうだが、心肺系への負担が心配。

課題というより懸念としては、当日編にも書いたとおり「歩道のない幹線道路を夜間に歩くこと」だろうか。これは安全の「度合」に関する懸念であること、またニューイヤー駅伝のコースを歩くことが謳い文句であることから、簡単に解決できないことは承知しているが、歩道のない区間だけ、並行する生活道路に迂回することは難しいだろうか。とはいえ、安全は自分の責任で確保しなければならないので、個人的には来年以降、本降りの雨だったら出走しない選択もありだと思っている。

冒頭にもどって、もう一つこの大会のいいところは、「適正な規模」を意識されているところだと思う。ちょっと考えると、参加者が多いほど大会が盛り上がりそうに思いがちだが、おそらく、エイドやチェックポイントのキャパを考えて、あえて適正規模にとどめておられるのだと思われ、これは素晴らしいことだと思う。(9.18追記 信号待ちの問題も、規模を一定程度に抑制する理由なのかもしれない。最初の15キロぐらい信号のないルートが設定できればこの問題はおおむね解決できるのだけど、この大会ではそうもいかないだろう。)

さらに一点、途中第2CPで荷物の出し入れができるところも、この大会のすばらしいところで、これができないと、上記「前後半での着替え」などは絵に描いた餅になっていまうので、ぜひ存続してほしいところ。

いずれにせよ、来年もエントリーして前橋へ行くのが今から楽しみ。大会スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

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2019・第9回ぐんま100参加の記録②当日編 [ウォーキング]

(①準備編から続く。備忘録を兼ねているので、いつにも増して冗長な点はご勘弁を)

朝からいい天気。やはり暑くなるのか。
天気予報が「夕方はところにより雷雨」と言っているのがいやな感じ。歩行者は、雷雨でも雪でも避けようがないので。

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8:00 前橋市役所前、スタッフのみなさんとぐんまちゃんに出迎えられて受付。風が強くて寒い。安全ピンを使ってゼッケンをTシャツに止めるのが毎度面倒だが、他にいい方法はないものか。

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8:30 開会式。市役所前の広場は出場者でいっぱい。何人いるのだろう。どなたかのご挨拶で「100キロウォークの折返点は50キロではなく、80キロである」とおっしゃっていて、本当にその通りだとうなずく。最初の80キロを歩く大変さと、残り20キロを歩く大変さがほぼ同じだということ。

9:01 かわいいゲートをくぐってスタート。0.5km地点で歩道橋を渡ることもあって、スタート後しばらくは、先導役に従ってゆっくり歩かなければならない。この時点で既に暑く、道中の大変さを予感させる。
前橋から高崎への大きな幹線道路を歩く。事前に想定されていた通り、信号で立ち止まるのが(より正確にいえば、信号を渡る直前で赤に変わってしまって立ち止まるのが)フラストレーションになる。かといって、赤に変わる直前に間に合うように予測しながら歩くのはけっこう難しい。信号待ちのあいだに、PETボトルの柿ピーをかじるのだが、ボトルから柿とピーが均等に出てこない(柿だけ先に出てきてしまう)ことが判明。事前の実験でわかったいたので、口の広いPETボトルを用意したのだけど、それでもうまくいかなかった。

11:09 高崎市役所のエイドポイントでスポーツドリンクをいただいて一気飲み。案の定、腹痛がやってくる。しまったと思ったがもう遅い。

12:28 第1エイド(19.5k)。塩むすびと梅干が美味。だいぶ汗をかいているので、きょうは水分補給も難しくなりそう。気温は30度近くまで上がっているが、湿度がとても低いので、日陰に入りさえすれば涼しい。

13:25 東善町の交差点を南へ。北から南へ向かう歩道には、日陰が全くない。これはつらい。途中の大きな豆腐屋さんが「豆乳ソフトクリーム」みたいなものを商っておられて、心惹かれるものがあるが、自重しておく。古い瓦葺の民家(農家)で、瓦屋根の上にもう一つ小さな瓦屋根が載っているというか、ロフトのようなものが設けられているのは、養蚕が盛んだった時代の名残りであろうか。

15:04 第1チェックポイント(伊勢崎市役所:34.1k)。バナナをいただく。汗を拭って額を冷やせるおしぼりのサービスがとてもありがたい。

15:32 応援団が待機する沿道のカフェに入る。不思議なことに、エアコンの効いた室内に入ったとたんに汗がどっと噴き出る。温かくおいしい紅茶をいただいて、再び出発。いちめんの麦畑の中を歩くのは気持がいい。その麦畑の中を、2両か3両の東武電車が走っていく。この景色は、北関東らしさを満喫できるすばらしいもので、県外からの参加者を募るには、ここでポスター写真を撮れば…などと考える。

16:29 幹線道路を外れ、古い街道に入る。進行方向左側は歩道がなく、右側にはわずかな歩道があるが、この歩道は昔風に、車の出入口が各戸ごとに削ってあるので、細かい凹凸につきあわなければならない。また、首の後ろから西日を受けて歩くのはなかなかにつらい。

18:49 第2エイド(49.3k)。コンビニの駐車場にキッチンカーが停まっていて、楽しみにしていたミニカレーの配給を受ける。食欲が維持できるかな?と危惧していたが、おいしいカレーで、すんなりと食べることができる。クリームパンもいただいて、早々に出発。

19:40 コース上に1か所だけあるスターバックスの前を通過。立ち寄って甘いものを買おうか買うまいかとギリギリまで迷ったが、第2チェックポイントが近いので、効率が悪いと考えて通過する。

19:53 第2チェックポイント(太田市役所:56.5k)。稲荷ずしをいただく、あとで果物もいただこうと考えたが、結局忘れてしまった。マッサージが数分待ちで受けられそうなので、少し考えてから申し込む。これは大正解で、ガチガチに固まっていた足の各所をほぐし、新品同様?に戻してくださった。値千金とはことのことで、本当にありがたい。

後半用のシャツやベスト(保温性重視)に着替える。脱いだシャツは汗びっしょりで、想像以上に水分が失われていた模様。行動食も全部入れ替える。後から考えると、このころから判断力が低下していたようで、後半用にわざわざ持ってきたジェルの包みを開けることすら忘れてしまった(しかも、ゴールするまでそのことに気づかなかった)。結局、54分間滞在して20時47分に出発。

21:12 太田と桐生を結ぶ地方道を北上するのだが、歩道のない箇所がところどころに現れる。これはたいへん怖い。もともとこの「ぐんま100」のコースは、ニューイヤー駅伝と同じコースであることが看板になっていて、地元群馬県の皆さまにとっては重要なポイントなのだろうけど、大型トラックが体のすぐ横を次々に通過していくとなると、心安らかではない。念のため反射材のタスキを掛けているが、まぁ気休め。

22:00 第3エイド(63.2k)。草津湯の花まんじゅうをいただく。ずっと食べ続けてきたドライフルーツや柿ピーがしだいに食べられなくなってきていたので、これはありがたい。

前後を歩く人はまばら。太田市と桐生市の境界の手前だっただろうか、とある一軒家の前で、こどもをだっこしたお父さん、お母さんから「がんばって!」と応援を受ける。遅い時間に真っ暗な中を一人でとぼとぼ歩いているとき、これは大変ありがたく、また心強い。よく晴れて星がきれいな分だけ、気温がどんどん下がっていくのを感じる。半月が西の空低くかかっている。きょうの月齢は6.2。100キロウォーク当日が満月で、かつ、夜中に高い角度で南中してくれると理想なのだけど(←これは参加申込時にまず調べることのひとつで、藪柑子には大きな関心事)。

22:44 深夜の渡良瀬川を右岸から左岸に渡る。桐生市街地のはずれなので、川面や河原の様子はよくわからないが、橋の長さや高さから、大きな川であることはわかる。むろん、渡良瀬川を歩いてこえるのは初めて。

23:48 第3チェックポイント(桐生市役所:72.3k)。スタッフのみなさんの歓迎で元気づけられる。豚汁の補給をいただくべきところだが、寒いさなかにおなかを壊してはいけないと考えて自重。トイレに行こうとして市庁舎の奥まで歩いていって、直前で翻意して戻ってくる。私は何をやっているのか?自分ながら不可解な行動をとっている。

00:25 疲労と眠気で食欲がなく、持参した行動食をこれ以上食べられないので、76.6k地点のローソンに入って温かいお茶とゼリー2つを購入。その場でinゼリー(エネルギーストロング)を飲むが、栄養ドリンク味ってどうしてこんなにまずいのだろう。エネルギーレモンにすればよかった(どうでもいい話)。朝バナナは、歩きながらちびちび吸い込む。

00:55 国道50号線に入る。あとはこの道路を、ひたすら西に向けて歩いていくだけ。とはいえ、ゴールまで23.5キロもある。また、さきほどの太田桐生間の地方道にも増して大型トラックやトレーラーがすごいスピードで走っている。トレーラーがホッパー?のようなものを2台牽引しているやつが特に怖い。この国道もところどころに歩道や街灯のない箇所があり、眠気と恐怖心が拮抗して変な感じ。また、ものすごく立派な、まるでリゾートホテルのようなラブホテルがあって、へええと感心してしまう。昼間見ればハリボテなのかもしれないが。

01:48 第4エイド(80.4k)。エイドはローソンの駐車場に開設されているので、先に店舗に立ち寄り、焼きおにぎりと温かいお茶を購入。もうこれしか食べられない。食欲はないが、あと20キロもあるので、少しでも食べ続けないとガス欠になってしまう。
このあたりから、道路の途中に冷気が充満した場所(数百メートルだけ特別に寒い区間)がいくつかあって、どうして一様に寒くならないのかわからないが、歩くながらぞくぞくする。

03:53 第5エイド(90.2k)。あと10キロ。第4エイドと同じように、コンビニに入って塩むすびをもとめる。お店の人が「温めますか?」と尋ねてくださるのだけど、何を尋ねられているのかわからず、一瞬ぽかんと考えこんでしまう。目をあけたまま眠っているというか、もう廃人同様の状態。エイドでいただいたわかめスープと併せていただくと、すばらしくおいしい。エイドにはバナナもあるのだけど、食指が動かない。スタッフのみなさんに励まされて出発。
この第5エイドを過ぎたところで、空が明るくなってくる。大型車が多い道路だけに、明るくなることは、安心できてありがたい。

05:06 野中町交差点。あと5キロ。しかし足が前に出ない。第5エイド以降、1キロあたり12分(時速5キロ)を維持できていないので、午前6時前にゴールするのは難しそう…というか、そういう計算も既にできなくなっている。

06:00 前橋市街地に戻り、最後の歩道橋を渡って(意外なことに、歩道橋は全行程で3回、地下道は1回しかない。)、前橋市役所の方角へ進む。はたから見ればかなり滑稽な姿になっていることだろう。最後の2つの信号は短い間隔で連続し、かつ2つ目の信号の赤が長いことをおととい経験していたので、2つ続けて渡りきるべく全力で歩く。そんな力が残っていたことに自分でも驚く。それでも午前6時をだいぶ過ぎて、ようやくゴール。ゲートは「START」から「FINISH」に換装されていて、さらに、1人ずつテープを張って迎えてくださるのですね。ゴール地点のスタッフの皆さんは、昨晩からずっと配置についていると思われ、有難いやら申し訳ないやら。
疲れたというより、今はとにかく眠い。食欲は皆無。

07:00 ご厚意で午前7時に開店してくださった市役所横のお店で温かいうどん。まだ眠いが、ようやく人間の世界に帰ってきたような気がする。

歩数は、11日が100,697歩、12日が46,218歩。ただし両日とも、スタート前後の歩数を含んでいる。

(③感想・分析編に続く)





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2019・第9回ぐんま100参加の記録①準備編 [ウォーキング]

1月 毎年秋に開催されるびわ100とは逆の季節、つまり春に開催される100キロウォークを探してみて、関東地方で開かれるしおや(栃木県)・ぐんま(群馬県)・つくば(茨城県)の3つの大会に興味を覚えた。競技ではないことを明言している点やスケジュール上の都合から、ぐんま100キロウォーク(通称「ぐんま100」)に参加してみようと考える。

(↓ぐんま100のロゴマーク。大会HPによれば(少し長いが、以下引用)、「群馬県の県花であるレンゲツツジの花びらモチーフにし、人々が手を取り合って輪を広げていく意味を込めています。レンゲツツジの花言葉は「あふれる向上心。情熱」まさに大会趣旨を象徴するかのような、ピッタリの花言葉です。そして3つあるという3の数字が意味すること •参加者、運営ボランティア、地域それぞれが支えあうこと •お父さんとお母さん、そして子どもたちが協力し合うこと •子どもから大人、そして高齢者まで全ての世代に挑戦の機会を さまざまな想いが、ぐるっと一回りしてそれぞれが関連しあう、そういう輪と和を象徴しています。」(以上引用終わり)ということで、こういう理念を掲げて参加者を募ることは、とても共感できる。

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2月1日(受付初日) 申し込もうとするが、サーバが混雑していてなかなかつながらない。夜遅くになって、ようやく必要事項を入力する。
参加費払込を終えて、数日後に郵便で届いた書類を開けてみると、けっこう後のほうの番号になっている。その後も参加申し込みが殺到した模様で、2月11日正午には満員札止めとなる。期間中に定員に達して募集打ち切りになるのは、この大会では初めてのことらしい。適正な規模にとどめ、いたずらに拡大しないことは、とてもよいことだと思う(申し込む方は大変なのだけど)。

また、参加費とあわせてお納めした若干の寄付に対してたいへん丁寧なお礼状をいただき、かえって恐縮してしまう。大会充実のためにお役立ていただければ、それで十分なのだけど。

初めて歩くコースなので、ウェブサイトに載っていた前回大会のマップを読み込んで学習する。幹線道路をずっと歩くのは、①ロードサイド店などの殺風景な景色 ②信号待ちが歩くリズムのさまたげになる(次の信号が点滅しないか気になって仕方がない) ③雨の日に大型車両の水しぶきをかぶる といった理由であまり気がすすまないが、「ニューイヤー駅伝のコースを歩く」ことがこの大会のコンセプトなので、いたしかたない。

次に、歩行中の栄養補給について考える。
余分な荷物は少しでも減らしたいし、ほぼ全行程幹線道路沿いを歩くから、コンビニやファストフードはたくさんある。なので、なるべく飲料水や行動食を持たず、沿道で補給することにしたい。
それで、100km歩くのにどのくらいの栄養を補給すればいいのか、考えてみる。

まず (1) 基礎代謝。これは年齢性別身長体重から、およそ1,300kcalと推定。
次に (2) 歩くことによる消費カロリーの計算。
この計算は、歩くスピードによって値が異なってくるのだけど、とりあえず体重と歩行時間(22時間)を固定して計算すると、
分速67m(時速4.0km)→ 3,534kcal(歩行距離88km)
分速80m(時速4.8km)→ 4,123kcal(歩行距離105.6km)
と推定される。
(以上(1)(2)ともカシオ計算機ウェブサイト「ke!san」による)

上記(1)(2)の合計は、4,800~5,500kcalとなるのだけど、これだけの栄養をどうやって摂取すればいいのだろうか。スタート前の朝食で1,000kcalをとり、エイドでいただくパンやおにぎりで1,000kcalをとったとしても、残りの2,800~3,500Kcalは、持参するか、コンビニで買うか、外食の店に入って食べる必要がある。

では、コンビニで調達可能な食事ってどんなものがあるのだろうか。コンビニをよく知っている人なら考えるまでもないだろうが、ふだん滅多にコンビニで買い物をしないので、この機会に店に行って、「歩きながら食べられる高カロリーのもの」を物色する。

まず、コンビニの代表格であるセブンイレブン。
一口サイズのお菓子だと、
 ・バウムクーヘン 280kcal
 ・チョコチップスコーン 383kcal
店頭の蒸し器に並んでいる中華まん
 ・肉まん 245kcal
 ・あんまん 286kcal
定番のおにぎり
 ・ツナマヨ 225kcal
 ・梅 166kcal
菓子パン
 ・メロンパン 405kcal
 ・チョコブレッド 336kcal
…と並べていくときりがないのだけど、1回につき300kcalとしても、4,500kcalのためには15回調達しなければならないことになる。これは面倒すぎる。

続いて、コース上に1店舗だけあるスターバックス。
 ・シナモンロール 477kcal
 ・アメリカンワッフル 241kcal
となっていて、さすが米国のコーヒーチェーンだけあって高カロリーなのだが、まあ限界がある。

では外食チェーンはどうか。タイムロスになることさえ我慢できれば、かなりの高カロリーが期待できる。例えば吉野家のウェブサイトでは
・牛丼並盛 652kcal
・牛カルビ丼並盛 839kcal 
となっている。しかし、3,500kcalを摂取するために、24時間に牛カルビ丼並盛を4回食べられるかというと、勘弁してほしいところ。

結局、どのような方法をとるにしても、一度にたくさん食べるのは無理なので、少しずつ食べ続けるしかない。問題は、終盤になると、その「食べ続ける」こと自体ができなくなってしまうことなのだけど。
結局、行動食を減らすという当初方針とは逆に、柿ピーとドライフルーツを大量に携行し、それが食べられなくなったら(その先は)コンビニで食べられそうなものを探すことにした。

5月2日 日本気象協会の10日間予報では、11・12の両日とも曇か雨となっている。特に12日は降水確率80%。雨用の靴やら何やらを運ぶのは大変なので、降るのか降らないのか、どちらかにしてほしいところ。大雨だったら出走取消も考えないと…

5月4日 一週間前なので、炭水化物を減らしてカーボローディングの真似ごと。

5月8日 両日とも曇で降水確率40%に。曇は一番ありがたい天気(日中気温が上がりにくく、夜間下がりにくいから)なので、天気が曇になるか雨になるかで天国と地獄なのだが…

5月9日 降水確率は11日0%、12日30%とほぼ雨の懸念が解消されたのはよかったが、11日の最高気温が28度の予想に…暑い中で幹線道路を歩くので、熱中症対策を考えないと。

5月10日 応援団(家族)とともに前橋へ移動。炭水化物を大量に摂取。明日は予報どおり、いい天気で暑くなりそう。なので、ハイドレーションには午後の紅茶(無糖)ではなく、グリーンダカラを入れることにする(気休め)。明日の打合せをして、早めに就寝。

(②当日編に続く)


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2018六甲全山半縦走大会 [ウォーキング]

5年ぶりの六甲縦走。今年あらたに開設された半縦走大会に出場する家族のサポート役のつもりだったが、途中で自分の右膝が故障し、四苦八苦するはめに。

半縦走のコースは、途中市ヶ原までは全縦と同じで、桜茶屋を南に曲がって布引貯水池の横を新神戸に降りるおよそ20キロ。須磨浦公園スタートは午前5時でなく7時30分なので、まわりがすっかり明るくなっている。なかなかいい景色だったのですね。

鉢伏山から鉄拐山へ、記憶していたよりも遠いなあと思いながら上ったり下りたり。おらが茶屋なんて見たことがないような気がするのだけど、全縦ではこのへんはいつも真っ暗なので仕方ない。気温が上がらないので、下りになると寒い。高倉台はすっかり明るくなっていて、すでにスーパーが営業している。

高取山の茶屋。お姉さんの名調子は今年も聞けなかったが、おなかがすいてきたので1本50円のバナナを実際に買ってみる。露店はもう撤収間際で、ベンチに座ってもぐもぐ食べている間にすっかり片付けられてしまった。ここの下りから右膝が痛みはじめ、これはまずい事態になった…と暗い気分になる。

鵯越駅の手前の住宅街にあったコンビニは、前回歩いた2013年にすでに閉店していたが、デイケア施設に変貌していた。これで、半縦走ルート上には1軒もコンビニがないことになる。

菊水山の登りも5年ぶり。標高差300メートルがきつい。狭い階段を一列で登るので、後ろから人が登ってくるという心理的な圧迫感で疲れるのかもしれない。頂上で大休止し、持参した行動食のほとんどを食べる。初めて食べた「エネ餅」は、塩味がほどよく効いていて、好ましい。念のために持ってきたレーズン1袋は、戸棚に転がっていたものだが、これも食べてしまった。あとは何の気なしに駅で買ったオレンジピールとレモンピールのドライフルーツ。疲れているので文句なくおいしい。

菊水山から天王吊橋へ降りてゆく途中でいつも目に入る風景なのだけど、自分がいま下りている山道やその先の吊橋より高いところに、住宅地が造成されている。理屈では了解できても、現実のものではないように感じられる。天王吊橋から鍋蓋山(本日の最高地点)まで標高差200メートルの登り返し。これはこれできついが、斜面をジグザグに登っていく分だけ菊水山より楽な感じがする。

鍋蓋山からは、痛む膝をかかえて降りてゆくのみ。大竜寺のバス停には、ちょうど三宮行きのバスが来ていて、あれに乗れば三宮のカフェでおやつを…などと考える。

全縦の出場者はとっくの昔に先へ行ってしまっているが、市ヶ原にはどんな看板が立っているのだろう…と考えていたら、ごく普通の看板だった。

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あとは2キロ足らずなのだけど、途中から階段が連続して現れ、まさかの難行苦行。結局、8時間35分ほどでゴール。累計高度は登りが1,578m、下りが1,451mで、その差が100m以上あるのは、ゴール地点が新神戸よりずっと手前の丘の上にあるため。見晴らしのよい高台にあって、ゴール地点としては気持ちのよい場所でよかった。

翌日、駅から整形外科へ直行して右膝の痛みを訴えると、念のためレントゲンを撮った上で「腸脛靭帯の炎症ですね…」との診断。完治するのは難しく、高山の稜線上とかでこんな症状が出たら一巻の終わりなので、本格的な登山はやめておいたほうがよさそう。残念。

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2018・第5回びわ100参加の記録③感想・分析編 [ウォーキング]

(②当日編から続く)

〔全体総括〕
・2度目の挑戦で完歩できたことに、ほっとする。去年の第4回大会を53km(第2CP)でリタイアして以来、ずっともやもやしていた気分がすっきりした。80km(第4CP)以降は意識がぼんやりして、体力の限界に近かったような気がするが、そんな大げさなものではなく、単に眠かっただけかもしれない。

・完歩できた理由の第一は、大会サポーター(スタッフ)の皆さんの熱心かつ強力なご支援だと思う。チェックポイントやエイドステーションでの出場者への対応は、すばらしいものだった。オレンジ色のウインドブレーカーは、特に夜間には存在自体が励ましになった。大会運営の特色については後記。
理由の第二として、天候に恵まれたこと。具体的には、①2日間ともよく晴れ、雨がほとんど降らなかったために歩きやすく、かつ荷物が減らせたこと ②20日の強風が、当初予想の北西の風ではなく、北北西ないし北の風であったため、若干の追風効果があったこと ③21日朝の冷え込みがきつかったとはいえ、歩行に支障を生じるほどではなかったこと の3点。

・これに対して、後半の各地点での休憩が長すぎたことは、今回最大の失敗だった。長すぎる休憩は、それ自体がロスタイムになると同時に、体が冷えて歩行再開後のペースが上がらない原因ともなるわけで、もう少し上手にペース配分すれば(つまり、もう少しゆっくり歩く代わりに休憩時間を切りつめれば)22時間を切るのはむろんのこと、21時間を切ることも可能だったのではないかと思われる。歩き方についても後記。

〔大会運営について〕

・びわ100以外の100キロウォークに参加したことがないので比較することはできないが、この大会は、その理念において、すばらしい面があると思う。
具体的には、
(1) 一人でも多くの完歩者を出すために、制限時間を30時間と大幅に遅くしていること(これは運営上、非常に負担が大きいところ、あえてそうしていると思われ、その理念は大いに称賛されるべきと思う)。また、競技色を排除するために、チェックポイントの開設時間を遅くしていること。
事実、今大会でも午後2時台(28時間台)と午後3時台(29時間台)にゴールされた方が212人もいて、その数は一般の部の完歩者556人の38%にも達している(全体データはこの記事の末尾に示す)。まる1日以上、30時間近くも歩き続けたこれらの方こそが、びわ100の主役なのだと思う。タイムを縮めたいとか何時間を切りたいとかいう当方の思惑は、そうした主役や運営者の邪魔にならない範囲で、静かに検討すべきことだと思っている。

(2) チェックポイントやエイドステーションごとに工夫をこらした歓迎ぶりで出場者を休ませ、また元気づけていること。今年は5か所のチェックポイントごとに小さな缶バッジをくださり、全部揃うと「ありがとう」になるというおしゃれな趣向も。寒い中で前記オレンジ色のウインドブレーカーを着て励ましてくださったサポーターのみなさんもまた、びわ100の主役なのだと思う。

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・遠方からの参加者として、しいて希望することがあるとすれば、次の2点。
(1) 各コースのスタート時間を、なるべく繰り上げてほしい
 遠来者は長浜に前泊せざるを得ない。従って、極論すればスタートが午前7時でも8時でもかまわない…というよりも、せっかく滋賀県まで来たからには、明るいあいだに少しでも琵琶湖の景色を楽しみたいので、夜明けと同時にスタートが理想。
(2) 中間地点での荷物取り出しを復活させてほしい(または、途中地点への補給物資送りを行ってほしい)
 これをやるためには、運営者は預り荷物をスタート地点→中間地点→ゴール地点と順次運ばなければならず、大変なのはよくわかるので、あまり強く求めるものではないが、家族や友人から沿道で補給や支援を受けることができない遠来者としては、やはり中間地点で荷物を入れ替えることができればありがたい。入れ替えるのが難しければ、せめて、荷物とは別に、中間地点に送るためだけの小さな袋か箱を受け付けて、最低限の補給物を送れるようにすれば、一応の目的は達せられる。聞くところによると、ウルトラマラソンでは自分の補給物(ドリンクとか)を途中のエイドステーションに送っておくことができるそうなので、これと同じことが実現すればうれしい。

〔歩き方の課題と今後のトレーニング〕

・ペースを乱した原因のひとつは、第2CPと第3CPの間が17kmしかないのに計時開始に4時間差があることだ。これを上手にクリアするためには、第2CPまではあえて遅い時間に通過して、午前0時ちょうどぐらいに第3CPに着くようなペースを考えなければいけないことになる。
 計算上、70km地点(第3CP)に午前0時(スタートから14時間後)に到達するためには、1kmあたり12分のペースでコンスタントに歩き続ければよいことになる。チェックポイントやエイドステーションでのタイムロスを加味して、それより少し早いペースが必要であるにしても、少なくとも、今回の序盤のような1kmあたり10分台とか9分台のペースは、無意味に速すぎたということになる。

・もっとも、前半のペースを抑え目にしたからといって、後半の体力が温存できる保証はないわけで、ひょっとすると時間の経過とともに同じように疲れてしまうのではないかも思う。もしそうなら、今回同様、最初のうちに無理してでも距離を稼いでおくのが正解ということになるのだが。これは、実際に何度も100kmを歩いて実験してみるしかないので、次回は最初から1kmあたり11分30秒ぐらいで(コンスタントに)全行程を歩き、CPやエイドでの休憩は5分以内にとどめることに挑戦してみようと思う。

〔装備について〕

まだ軽量化の余地があると思われる。

・行動食を持ちすぎだった。各種とりまぜ8回分を持参して、5キロおきに補給するつもりだったが、結局7回分しか使わなかった。チェックポイントやエイドステーションでいただいたバナナやおにぎり、チョコレート、お煎餅などで足りてしまったため。本当に足りなければタイムロスを承知でコンビニで買うこともできるので、次回はせいぜい4回分にしようと思う。
また、行動食の内容も、甘いものに偏っていたことが反省点。塩気のある煎餅とかみたらし団子などを交互に摂るような設計にすべきだった。甘いものにしても、ほぼ糖質100%のものと、脂肪や蛋白質を多く含むものと、どう組み合わせるかは今後の研究課題。この点を考えようとすると、生化学の教科書をきちんと読まなければならないが…

・夜の寒さ対策も改善する必要がありそう。具体的には、
(1)どのくらいの寒さを想定すべきか
(2)どのような装備で対応すべきか
の2点。
まず、寒さの想定については、事前の検討で、10月21日の早朝に彦根の最低気温が10度を割り込んだことは過去11年間で1回しかなかったので、あまり深く考えずにレインウェアを防寒着がわりに使ったのだが、実際に歩いてみると、もっと寒かった。何度ぐらいまで下がったのだろう…と調べてみると、15.3度までしか下がっていない。おかしいな…と思い、大津と長浜のデータを参照すると、大津は9.5度、長浜は7.8度まで下がっている(↓気象庁データから藪柑子作図)。同じ県内でも、これほど大きな差があるのですね。このあたり、地元の事情に詳しくない遠来者は入念な情報収集が必要と痛感。ということで、最低気温が10度未満となることを念頭においた対策が必要という結論。

20181020-21 気温推移.png

 その際、レインウェアのシャカシャカ&ぼってり感は、保温力がさほどない上、長い距離を歩くには向かない感じがする。かつ、レインウェアは重い。背負っても着ても重い。大雨ならともかく、防寒着がわりに使うのであれば、もっと軽いレインウェアを持参すべきだった。

・給水について、ハイドレーションを1.1リットル飲みきった時点でコンビニに立寄って補充する予定だったが、あまりの寒さに、冷たい飲物を買い求めて補充する気が起きなかった。それなら、昼間なら冷たいもの、夜間なら暖かいものを、その都度ペットボトルで買って持ち歩いた方がよいのだろうか。これも次回に向けた研究課題。ペットボトルの開閉が煩わしく感じられるので、飲み口のついたソフトフラスクを使うことも有効かもしれない。

・靴の選択はうまくいったようで、靴ずれもマメもできずに済んだ。出発前にワセリンを塗ったが、その後はノーケアで、かつソックスの交換がうまくいかなかっただけに、これは大助かり。しかし、そういう靴ほど早くすり減ってしまうような気がする。

〔主催者から発表されたデータ〕
びわ100コース(一般の部)
 登録者数 821
 出場者数 782
 完歩者数 556 (出場者数に対して71%、登録者数に対して67%)
       ↓
 完歩者556人のゴール時間帯別内訳
  午前7時まで(=21時間以内) 33
  午前8時まで(=22時間以内) 36
  午前9時まで(=23時間以内) 38
  午前10時まで(=24時間以内)51
  午前11時まで(=25時間以内)49
  正午まで  (=26時間以内)48
  午後1時まで(=27時間以内)47
  午後2時まで(=28時間以内)46
  午後3時まで(=29時間以内)86
  午後4時まで(=30時間以内)122

アスリートコース(健脚の部)
 登録者数 76
 出場者数 70
 完歩者数 62 (出場者数に対して88%、登録者数に対して81%)
       ↓
 完歩者62人のゴール時間帯別内訳
  午前7時まで(=18時間以内) 10
  午前8時まで(=19時間以内) 11
  午前9時まで(=20時間以内)  8
  午前10時まで(=21時間以内) 8
  午前11時まで(=22時間以内) 9
  正午まで  (=23時間以内) 4
  午後1時まで(=24時間以内) 6
  午後2時まで(=25時間以内) 3 
  午後3時まで(=26時間以内) 1
  午後4時まで(=27時間以内) 2

〔スポーツウォッチのデータ〕
 歩数 10月20日93,325歩 21日55,249歩
 心拍数 20日 最高値147/最低値64
     21日 最高値130/最低値43

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2018・第5回びわ100参加の記録②当日編 [ウォーキング]

(①準備編から続く)

夜中に咳で目が覚めてしまう。これは困った。
朝起きて外を見ると、小雨が降っている。降水確率10%だったはずでは…
テレビをつけてみると、気圧は高くて安定している(確かに理想的な天気図…)が、高層に冷気が流れ込み、大気が不安定な状態だとのこと。

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幸い、わずかに路面が濡れる程度の雨だったので大事には至らなかったが、ショートスパッツが要るかもしれないな…と荷物に加える(結局使わなかった)。
長袖Tシャツ+ショートパンツの組合せは事前に2種類用意しておいた。気温が高いとき用(薄手)と気温が低いとき用(厚手)の2種類なのだが、最後まで迷った末、厚手のセットを選ぶ。これは大正解だった。
ハイドレーションの1.5リットルパックに「南アルプス天然水はちみつレモン」を約1.1リットル給水。
咳が止まらないので風邪薬をのみ、かつ、マスクをして会場に向かう。もともと帽子をかぶりシェード(日除け)を垂らしているので、マスクが加わるといっそう怪しい風体になるが、いたし方ない。

・0km スタート地点で開会式。雨はあがっている。10時にスタートするコースには、たしか811人が登録していたはずだが、実際に何人が歩くのだろうか。予定どおり10時にスタート。今年は最初からストックを使う。

・5km 予報どおり北西の強風…というか暴風に近い。体の右側から左側、つまりびわ湖側から道路側への横風で、左右のバランスを保つのが難しい。こんなときにはストックが役に立つ。湖面には白波が立っていて、まるで海のようだ。雨よりはずっとましだが。

・10km 去年より早いペース。1キロ10分を切っている。ついて歩くのに都合のよい人(速すぎず遅すぎずな人)が周囲にいないので、どうしてもペースが早くなってしまう。

・15km 彦根城の周囲では「ゆるキャラ」をテーマにしたお祭りの最中らしく、かなりの人出。ぶつからないように気をつけながら歩く。濠端で右側ストックの保護カバーが下水溝の蓋の穴にはさまり、あっと思ったときには脱落してしまった。まだ85kmもあるのに…

・20km 前後の歩行者との間隔が開きはじめる。去年は23kmの地点にカメラマンがおられて、通過者を次々に撮影してくれた(クラウド上で公開される)のだが、ことしは見当たらない。幹線道路から外れて湖岸の集落を縫う生活道路を歩くと、急に静かになる。家の前に人が出てきていたり、草むらで鳴く虫の声が聞こえたり、歩いていて気分がよい。

・25km 公園のトイレに立寄る。ふと横を見ると、去年の大会で、濡れた靴下を交換したあずまやが見える。あれから1年経つのか…

・30km 依然として強風。しかしさっきまでの北西つまり横風から、いまは北北西または北の風に変わっていて、わずかに追い風になっている。橋を渡って彦根市から東近江市へ。彦根市内をつごう20km近く歩いたことになる。すぐに東近江市から近江八幡市へ。

・32km 第1チェックポイント。スタートから5時間半余。去年より20分以上早い…というか早すぎる。クラブハリエで有名な「たねや」の法被を着たサポーターの方から末広饅頭と、メッセージが書かれたバナナをいただく。思わず「去年ここのCPでいただいたお饅頭がおいしくて、今年も楽しみにしていたんです!」と口走ってしまった。ビバ末広饅頭。靴下を交換し、現在位置を家族に知らせ、昼の分の風邪薬をのむ。去年も見かけた車椅子の出場者が、向かいのベンチに座っておられる。
今年は、チェックポイントごとに小さな缶バッジをくださるようだ。かわいいデザイン。

・40km 長命寺の交差点の先で日没。湖のむこうの山に沈む夕日と湖面が、映画のワンシーンのように美しい。明るいうちに41kmのエイドステーションにたどりつこうと急ぎ足でがんばる。エイドステーションでおにぎりと豚汁。ここでいただくおにぎりのお米は、大変おいしい。エイドステーションを出るともう真っ暗で、月が明るく見える。
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・45km 幹線道路の右側(湖岸側)を進む。32kmから53kmまでは、人家の少ないところを通るので、信号がないのは嬉しい反面、目標物が少なくてやや寂しい。去年のコースだった左側(内陸側)の歩道よりずっと幅が広く歩きやすいのだけど、対向車のヘッドライトがまぶしくて歩道の路面がよく見えないのが残念。
 参加者のバックパックには大会本部支給の点滅灯が後ろ向きに取り付けられているので、暗闇の中でも前に人が歩いている様子がわかるのだが、追い抜くよりも追い抜かれることが多くなってくる。40kmまでのオーバーペースが災いして、しだいに減速気味に。
 湖岸のオートキャンプ場で、火をたいてバーベキューをしているのが見える。別世界。

・50km 河口にかかる高い橋を渡る。暗い上に風が強いので少々怖い。右前方に守山市街地や琵琶湖大橋の灯火が見えてくる。
 前後の選手が遠く離れ、沿道に人家もないので、ピッチを上げるため小声で歌いながら歩く。万聖節も近いので、♩=110ぐらいで"For all the saints"を何度も何度も繰り返す
(以下引用)
For all the saints, who from their labours rest,
Who Thee by faith before the world confessed,
Thy Name, O Jesus, be forever blessed.
Alleluia, Alleluia.
(以上引用終わり)

・53km 第2チェックポイント。スタートから9時間47分。去年より11分早い。まだ計時がはじまっていないので、およそ50人ほどの出場者が整理券をもらって計時開始を待っている。その間に靴下を替え、いただいたあんぱんとクリームパンを食べる。20時になって計時してもらったあとも、なんとなくダラダラ休んでいて、結局30分ぐらい長居してしまう。
20時10分すぎ、ようやく重い腰をあげて出発する。去年はここでリタイアしたので、ここから先は未知の領域。歩く方向がわからなくなり、スタッフの皆さんに「こっちですよ!」と指示してもらう。

・55km ショッピングモール「ピエリ守山」の前を通過。ずいぶん立派なショッピングセンターで、本屋の看板も見えるが、本を買いたい気分ではない。ここでびわ湖畔を外れ、内陸の幹線道路へ。

・60km エイドステーション。マッサージを受けられるかも、とテントをのぞいてみたが、混んでいるようなので先へ進む。
交差点を右折して栗東市に入る手前の広い歩道で、13時に(3時間後に)スタートしたアスリートコースの先頭選手に軽々と追い抜かれる。そのスピード差に、ちょっとした衝撃を受ける。

・65km 草津市に入る。あらかじめ調べておいたコーヒーショップに入り、小倉トーストと紅茶を注文して休憩。夜の分の風邪薬をのみ、ハイドレーションがカラになっていることを確認(寒いので、補給はしないことにする)。2回目のトイレ。両下肢にロキソニンテープを貼る。暖かくて居心地がよいので、つい長居してしまう。結局40分近くもぐずぐずした末、防寒着がわりのレインウェアを羽織って外に出てみると、気温が10度近くまで急激に下がっている。しまった。上だけでなく、下(レインパンツ)もはいておくべきだった。
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・70km 第3チェックポイント。午前0時に計時を開始するので、開始直後の00時05分ごろ着くように歩くつもりだったが、喫茶店に長居したのが原因で00時25分になってしまう。ここでもマッサージの待ち時間がかなりありそうなので、先を急ぐことにする。立ったままレインパンツをはく。

・75km 深夜の幹線道路から湖岸道路に戻ってきた。月はすでに西に傾いているが、それが湖面に映って美しい。きょうは月齢11。幹線道路から瀬田川河畔の遊歩道に移るところでコンビニに立寄り、温かいはちみつレモンを購入。おいしいけど甘すぎる。
このあたり、各大学ボート部の艇庫が並んでいるのですね。河畔の遊歩道は、昼間なら気分のよい道なのだろうが、街灯もなく真っ暗なので、橋をくぐるときなど、ちょっと気持ちが悪い(というか、遊歩道と川のあいだに柵がないので、歩きながら眠っていると落ちそうでこわい)。水鳥がもぐるときの音が、人が飛び込んだように聞こえてびっくりしたり。草むらの虫の声がさかん。

・80km なかなか見えてこなかった第4チェックポイントに到達。午前2時の計時開始に遅れること40分。第3CPから第4CPまでの10kmに2時間15分を要していることから、1km12分ペースを維持できていないことがわかり、この時点で、午前6時のゴールは不可能であることがほぼ確定。CPでいただいたお煎餅がとてもおいしい。スタート以来甘いものばかり食べているので、塩気の効いたものがおいしく感じられる。

・85km 南郷洗堰を渡り、瀬田川左岸を北上。依然として河畔の真っ暗な遊歩道。対岸を第4CPに向かって南下している出場者のヘッドランプが、蛍の列のように見える。つらいのは自分だけではない…という奇妙な連帯感。
近江大橋(87.1km)や琵琶湖大津プリンスホテル(88.4km)の灯火が遠くから見えるのだけど、なかなか近づいてこない(∵目標物が大きい上に、こちらが遅いから)。遠近感がよくわからない上に眠い。後方から自分を見たら、多分よたよたしていることだろう。自販機で暖かいほうじ茶を買ったが、小銭を避けるためにせっかく用意したICカードが使えず、大量のつり銭で荷物が重くなってしまった。
このあたりから、早朝の散歩やランニングをされる姿が現れはじめる。大津市街を徘徊するオートバイの音がうるさい。


・90km 瀬田川沿いの遊歩道から市道に戻り、第5チェックポイント。計時開始から1時間17分。温風ヒーターの大きなやつ(あれは何という名前なのだろう)が出す熱風にあたり、靴と足を乾かす。左足小指と右足親指にしびれるような違和感があるが、歩けないほどの痛みではない。チェックポイントを出ると、びわ湖の対岸、東側の山々がうっすらと明るんできたのが見える。

・95km びわ湖ホテルの角を曲がり、堅田や高島方面への幹線道路に沿って、すっかり明るくなった大津市街を北へ歩く。高層ビルが立ち並ぶ中心部から少し歩くと、すぐに郊外に出てしまう感じ。歩幅はもはや30センチぐらいと思われ、ここが頑張りどころなのだが、さらに腰とか胸も痛くなってきたため、このまま全力で前進していった場合、あす仕事にならない惧れ(=最悪シナリオ)があることから、午前7時台のゴールはあきらめる判断をして、ゆっくり歩くとともに、95キロのエイドステーションで長時間休憩。スタッフの方々と話をしながら、お煎餅をいただく。日がさして暖かくなってきたので、上下ともレインウェアをバックパックに戻し、スタート時の格好に戻る。みなさんに「あと5キロですから」と励まされて出発。

・97km コース中最大の高低差ともいえる歩道橋を渡る。ふだんなら何でもないような階段が、絶望的な高さに見える。1段ずつ上るのが大変つらいが、下りは意外に簡単で、脚がもつれることもなかった。しかし、これで最後の体力を使い果たしたらしく、そのあとの数キロがとてつもなく長く感じる。道の右側の電柱に、大会本部が出した「あと2キロ」や「あと1キロ」の小さな貼紙が見え、最後の力を振りしぼる。
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・101km 生活道路から幹線道路に戻り、ふたたび延々と歩く。やがて信号を渡ると、ゴール地点の公園が見えてくる。公園の入り口にある階段、ほんの数段の階段をストックの助けで上り、スタッフと握手してゴール。事務局の方から完歩証を受け取って、自分にとっての大会はこれで終了。食べ物の販売もあるのだが、5kmごとに行動食を詰め込んできたため、消化管が正常に機能しなくなっている感じ。

ゴール地点に陣取って、次々に完歩される方に拍手を送り続けたいところだが、時間の制約もあり、公園の前を通る路線バスに乗って浜大津まで戻る。帰りの新幹線が東京に着くのがちょうど16時ごろ、この時間まだゴールが続いているのか…と複雑な気分。

(③感想・分析編に続く)

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2018・第5回びわ100参加の記録①準備編 [ウォーキング]

2019・第6回の記録はこちら

リタイア(53km)で終わった第4回大会から1年。2回目の挑戦でなんとか完歩したいところ。

5月20日 今年の開催日程をHPで確認し、長浜のビジネスホテルを予約する。

7月1日  受付初日にエントリー。通常コースかアスリートコースか迷う。人数が少ないアスリートコースのほうが歩きやすそうだが、昼間の時間が長いほうが景色が楽しめることと、一度も完走したことがないのにアスリートコースはおこがましいでしょう、ということで通常コースでエントリー。

7月8日 大会本部からの告知で、今年から中間点での荷物一時引き出しができないことを知る(スタート時点で預けた荷物は、ゴールまで受け取れないということ)。

これは大幅なルール変更。これだと、後半分の行動食や着替えをスタート時点から持っていくか、途中のコンビニで購入しなければならないことになる。また、これまでなら中間点でリタイアした場合に限り、荷物を受け取って即日帰京することができたけれども、今後は
①大津か京都に着の身着のままで1泊して翌朝ゴール地点で荷物を受け取る 
②着の身着のままで帰京して荷物は着払いで送り返してもらう のどちらかになる。
スタートが午前9時から10時に繰り延べられたことも含め、計画を練り直さなければ。

・行動食は、5kmごとに20回補給と仮定して、スタート時に前半10回分を携行し、中間地点で後半10回分を補充することにしていたが、後半分はコンビニに依存するほうがよさそう。チャリティー大会なので、エイドステーションでいただく食べ物は計算に入れない。
・問題は着替え。中間地点に到着するのは19時ごろなので、預けておいた長袖シャツをここで引き出して着替えるつもりだったが、最初から持っていくか、いっそ着替えないことにするか…。また、ソックスは25kmごとに替える予定なので、中間地点で補給ができるなら1足携行すればいいはずが、全部持っていくとすると3足携行する必要があるわけで、これもどうしたものか…
・スタートが1時間繰り延べられたことで、各地点の通過予想(目標)時刻も1時間ずつ下がることになる。コンビニはずっと営業しているので、何時に通過しても影響なさそうだが、65.8キロ地点にあるスターバックスに、営業時間内に到達できないのが残念。カロリーの高そうなお菓子をいっぱい売っているのだが…

8月5日 彦根地方気象台のウェブページを読むと、「滋賀県の気候」というページに、秋の気候の説明として、以下のようなことが書いてある。
(以下引用)
太平洋高気圧の縁に沿って移動する台風はこの時期に日本に上陸しやすくなります。 さらに、台風が接近する際に吹き込む暖かく湿った気流によって活発化した秋雨前線が大雨を降らせることもあります。
滋賀県の北部に特徴的な天気のひとつに時雨があります。時雨は晩秋から初冬に多い現象ですが、10月にも起る事があります。
10月中頃になると大陸の乾燥した高気圧が次第に勢力を増し、日本付近に停滞していた秋雨前線が消えて秋雨の時期は終わります。
10月末から11月にかけては、勢力の強い移動性高気圧におおわれるようになり、秋晴れの日が多くなります。
(引用終わり)
まあそうですね。秋雨前線と台風さえ排除できれば、楽しい大会になるのだけど。
ちなみに「彦根の天気出現率」というデータで10月20日の項をみると、
 晴れ 63.6%
 曇り 18.2%
 雨  18.2%
となっていて、雨に遭遇する可能性は約2割ということか。2割…なにしろ距離が長いので、雨が降ると降らないとで装備がまったく違ってくる。両日とも晴天の予報であれば、極限まで荷物を軽くできるのだけど。

8月18日 久しぶりにトレーニング、といっても12kmの周回コースを歩くだけ。ところが、10km過ぎたあたりから両足のつけ根が痛くなってきて、タイムが大幅に悪化。原因がわからない。12.0キロを2時間15分。

8月25日 もう一度周回コースでトレーニング。今度は一定のペース(10分40秒前後)を意識して歩いたら、最後までうまく歩けた。11.1キロを2時間01分。

9月6日 周回コースの半分でトレーニング。インターバル走的に、1キロごとに、10分40秒ペースと9分50秒ペースを交互に歩いてみる。6.1キロを1時間02分。

9月16日 周回コースでトレーニング、最初から最後まで1キロ10分ちょうどのペースを維持して歩く。13.3キロを2時間12分。

10月2日 今年度の参加要領とコースマップが郵便で到着。第4CPの位置が83km地点から80km地点に変更されている以外、大きな変更はなさそう。また、ことしのコースマップは歩行者の知りたいポイントをよく押さえたコンパクトなものになっていて、これなら携行可能。だんだん楽しみになってきた。

10月7日 本番と同量の荷物を背負って周回コースでトレーニング。暑さでペースが上がらず、14.3キロを2時間23分。荷物のうち行動食の重量と容積が邪魔になるので、10回分ではなく8回分に減らし、35kmと40kmはエイドステーションでいただく食事で代用、55km以遠は道ばたのコンビニで調達することにする。タイムロスになるが、重量軽減のためには致し方ない。

10月13日 本番一週間前。気象庁と日本気象協会の週間予報をドキドキしながらチェック。どちらの予報も、両日とも晴または曇で降水確率20%。すばらしい。あとは、台風が発生しないことを祈るのみ(去年は、10月16日に発生した台風21号が、わずか5日後の10月21日(大会当日)に大雨を降らせている)。

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10月15日 最悪のタイミングで風邪をひく。

10月18日 風邪が治らない。念のためクリニックを受診したが、医師に「100キロウォークに出てもいいですか」とは訊けなかった。薬をたくさんいただく。薬を飲みながら100キロウォークって、何をやってるんだかな感じだが、さっさとキャンセルする度胸もない。

10月18日 その後も予報は晴で変わらず、天気図的にもいい感じなので、去年とは逆に、雨の心配はないと判断して晴天用の装備だけを持参することに決める。それでも念のためにレインウェアの上下だけは入れることにするが、これが後で役に立つことになるとは。

10月19日 長浜に移動し、去年と同じ宿にチェックイン。ついでに、晩飯も去年と同じ店で食べる。おいしい店なのに、お客は最初から最後まで自分しかいなかったのがちょっと心配。

(②当日編 に続く)

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びわ湖チャリティー100km歩行大会(びわ100)敗退記(③感想・反省&来年に向けて編) [ウォーキング]

〔感想・反省&来年に向けて編〕

・運営スタッフの熱意が感じられる、すばらしい大会だった。運営する側も出場する側も、大半は地元の方であって、地域を盛り上げるイベントとして成功しているように思う。出場者と同時に運営スタッフ(サポーター)を募集しているのも好ましいことだと思う。

・熱意が感じられると書いたが、それは例えば、チェックポイントやエイドステーションで食べ物をくださるときでも、事務的に手渡すのではなく1人1人を見て声をかけてくださるとか、バナナにマジックでメッセージが書いてあるとか(写真を撮っておけばよかった)、チェックポイントの手前に出てきて手を振ってくださるとか、ちょっとした部分に表れていた。気温が17度とそこそこ高かったとはいえ、雨の中で長時間の対応は大変だったに相違なく、頭が下がる。

・また、制限時間がゆるやかだったり、チェックポイントの開設時間が遅めだったりと「完歩が目標であって、時間や順位は問題にしない」という姿勢もよくわかるし、グループで歩いている人が多いことなども、競技色を排除とまではいわなくとも、あくまでも地元のイベントとして好ましい姿勢だと思う。

・滋賀県の南半分を横切るような、広範囲にわたるイベントなので、こうして盛り上げていけば、やがては滋賀県を代表するような大会に発展するのではないだろうか。

・せっかくこれだけ盛り上げてくださったにもかかわらず完歩できなかったのは、われながら不甲斐ない。特に、雨の予報があって、対策を施す時間が十分にあったにもかかわらず靴に浸水してリタイアという結果は言いわけできない。公式発表によれば、100キロの部の完歩率は、374人/668人=56%とのことで、あの悪天候でも6割近い人が完歩しているのがすごいのか、自分がダメなのか…

(11.17追記 失敗のキモは「久しぶりに使った靴の防水性を過信していた」ことに尽きる。名前こそ「カメレオン4 ミッド ウォータープルーフ」と立派なのだけど、縫目からの浸水を完全に防ぐことはできないし、経年変化もあったものと思われ、30キロも歩かないうちに浸水してしまった)
 ただ、完全な雨対策として何が考えられるかとなると、ゴム長靴で歩くのも気が進まないし、ゴム長以外で、レインブーツと称して売っているものの耐水性がどの程度なのか、買って履いてみないとわからないのが困る。いっそのこと、裸足でサンダルもありなのだろうか。靴ズレで10キロももたないか。


・それでも、少なくとも53km地点まではキロ12分(時速5キロ)以上のペースで歩けることがわかったので、来年はぜひ完歩して、残りの47kmの景色を楽しみたい。もっとも、残り47kmのほとんどは真っ暗な中を(日の出前に)歩くことになると思われるので、何も見えないかもしれないが。

20171021 geographica_data.jpg
(GPSソフト "Geographica"の集計画面。ちなみにGPSを使うとiPhoneのバッテリーをかなり食う(10時間経過時点で残り41%)ので、予備のバッテリーは必須。
 余談だが、このソフトで記録した歩行ルート(トラックという)を再生表示すると、1:25000図上に驚異的に正確に表示される。たとえば道路のどちら側を歩いていて、どこで反対側に渡ったか、かなどという数メートルの動きさえも正確に表現されている。それも、バッテリーを食わないように、設定画面で「GPS精度」の項目を「省エネ」にしているにもかかわらず、だ。すばらしい。これはソフトの性能なのだろうか、それともスマホのGPS機能の性能なのだろうか。いずれにせよ、大変お買い得なアプリケーションである。)

(12.20追記:スタート前に、車椅子で出場されている方が1人目にとまった。標高差がほとんどないとはいえ、至るところに段差や障害物のあるコースに、どのように挑まれるのだろうと気をもんでいたが、スタートしてみると、自分とほぼ同じペースで進んでおられ、チェックポイントでもお見かけした。公式記録を後日参照したところ、最終的に30時間半余で完走されている。これは大変な偉業ではないだろうか。)

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