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森博嗣『喜嶋先生の静かな世界』(講談社文庫、2013) [本と雑誌]

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最後の10ページで「?」。
この終わりかたはないだろう。
仮にこの終わりかたがあるとしたら、これはスピカの物語なのだ、と理解するしかないが。


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第165回深夜句会(2/17) [俳句]

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会場に予定していた喫茶店が急に20時閉店に。急遽スタバに移って(奇異の目で見られながら)句会を続行。

(選句用紙から)

魞挿しの吃水深く漕ぎ出せり

季題「魞挿す」で春。湖に竹を並べて、魚をとるためのしかけをつくるのだが、その船がエンジンのない小さな(手漕ぎの)船で、竹をたくさん積んでいるので船縁が水面ぎりぎりまで沈んでいる(波のない湖なので、それでも平気なのだろう)。その船が、早春の空気の中を、静かに漕ぎ出していく。

いぬふぐりけふは三つや校舎裏

「けふは」なので、作者は毎朝のように、この校舎裏に何かの用事で、あるいはいぬふぐりの様子を見にやってくるのだろう(学校が職場であるか、学生であるかということになる)。
で、あの小さな犬ふぐりの青い花がわずか三つ開いていることに気づいたという。いちめんのいぬふぐりではなく、わずか三つ開いたことに気づくところが、作者の春を待つ気持ちを表しているのだろう。

春日影五百羅漢の夫々に

 夏の日影や秋日影ではダメなのかと問われそうだし、秋日影は「あり」気もするのだけど、ともかく眼前の実景であって、五百羅漢の「それぞれ」が影をのばしていること、その影の風情がやわらかく春らしくあること、を詠み手が感じていることがよくわかる。

(句帳から)

ある晴れた日に流氷が遠くから
雪原と森が斜めになり離陸
→雪原が森が斜めになり離陸
スパークの音や光や春浅き

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