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中井久夫集3 「世界における索引と徴候 1987-1991」(みすず書房、2017) [本と雑誌]

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はたと膝をうつ、という言葉があるのだけど、統合失調症の典型的な症状でる妄想について中井久夫氏が書いているこの一節は、なかなかうならせるものがある。
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自然な“虫の知らせ”(予感や余韻)に耳を傾けないからこそとんでもない妄想に頼るのである。妄想が何であれ、妄想者は信じてもほぼ安全であることを疑い、信じる根拠のないものに軽々しくとびつく。容易に信じない懐疑者であると同時に軽信者でもある。彼らを軽信させる大きな動因に権力意志がある。私は俗的な権力意志ぬきの妄想者を知らないくらいである。
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以上引用終わり(「統合失調症の精神療法」p.101)
もしこの指摘が事実だとして、さらに、妄想者が総人口に対してそこそこの比率で存在するとしたら、これによって説明のつく社会現象がありそう。あれとかあれとか。

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