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中井久夫集1「働く患者 1964-1983」(みすず書房、2017) [本と雑誌]

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ああそうだったのか、と思う。

初めて中井久夫さんの著作に接したのは、阪神大震災後の一連の著作だと思っていたのだけど、この巻の最後に納められている「精神科医としての神谷美恵子さんについて」の初出は、同じみすず書房から出ていた「神谷美恵子著作集別巻 人と仕事」(1983.4)なのですね。そうすると、これがおそらく、二十歳そこそこの自分が初めて読んだ中井さんの文章になるのだと思う。
その最後の章である「8」に記されているエピソードは、神谷美恵子さんの存在の大きさを描くとともに、中井さんの眼差しをも感じさせる名文だと思う。また、最初に接したのが精神科医としてのもっとコアな内容だったら十分に理解することができないまま終わったであろうことが明らかなので、この出会いは幸運だった。



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