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第120回深夜句会(5/17) [俳句]

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(選句用紙から)

耕運機の跡の斜めに代田かな

季題「代田」で夏。まだ苗を植える前の、水を張った田んぼに、それとわかる程度に耕運機の跡が盛り上がっている。なにげなく読むと「ふーん」で終わってしまうのだけど、耕運機の跡が盛り上がるのは、耕地の形が不整形で、耕運機がしばしば方向転換を強いられるからであることを思うと、「そういう田んぼが連なっている風景」が思い出される。

遠足の子をかきわけて降りにけり

季題「遠足」で夏。朝の通勤電車から下りようとすると、その駅から乗り込もうとする幼稚園児か保育園児が先生に連れられておそろいの帽子で、勢いよく乗り込んでくる。おいおい下りる方が先でしょ、と苦笑しつつも、「かきわけて」下りたのだった、という句。東京近辺でも、朝のホームに整列して、何本かあとの電車を待っている風景をよく見かける。

(句帳から)

順番に離陸してゆく夏霞
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