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番町句会(7/11) [俳句]

(選句用紙から)

冷汁の具に一村のこれやこの

季題「冷汁」で夏。句評のなかで解説があったように、「冷汁」には、ゆうべのおつゆの残りを冷蔵庫に入れてある、という第一のかたちと、宮崎県の郷土料理(?)たる冷汁という第二のかたちの両方があるのだけど、ここでいう冷汁は、後者つまり工業製品でも特定の商品でもない冷汁であるからして、村ごとにあるいは家庭ごとにあんな冷汁とかこんな冷汁があるのだろうけど、「宮崎県○○村」の冷汁、と銘打って供されているのであろう。
下五の「これやこの」は、「これがまあ」とか「これこそが」というような意味になので、その前段として、冷汁をめぐるさまざまな惹句や講釈があることになるのだけど、それを面白がりつつも、村おこしとか一村一品と称するムーブメントの中であらゆることに講釈やプロモーションがつきまとうことへの軽い揶揄が感じられる。

布袋草邪険にされるほど増えて

夏の水面に淡い紫の花を咲かせる布袋草(ホテイアオイ)って、えらい勢いで繁茂するので「侵略的外来種」に指定されているのだそうだ。もともと観賞用に日本に持ち込まれたのに、増えすぎたら有害呼ばわりってのも随分な話だが、「邪険にされるほど」がそのあたりの事情をよく言い表している。しかし待てよ。ここは「邪険にされるほどまでに」と思って読んでいたが、これは「邪険にされればされるほど」なのだろうか。いずれにせよ、理屈をいいながら理屈に陥らず、楽しめる一句。
下五「増えて」はどうだろうか。もう一度目の前の布袋草に視点を戻すねらいなのだけど、「布袋草」のあとが切字になっていないので、あまり大きな効果をあげているように感じられない。

(句帳から)

まくなぎを引き連れてくる漢かな
色見本撒き散らしたるキャンプかな
遠花火基地は独立記念日や  →独立記念日
楽屋口出待ちのありて梅雨の月 →出待ちのをりて

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