SSブログ

第52回深夜句会(8/23) [俳句]

前回(7月12日)が遠い昔のように思われる―その間に本試験と夏休みがあったので―が,参加者もそれぞれに夏休みを楽しまれた様子。

(選句用紙から)

八月や汽車を乗継ぎとほくまで

季題「八月」なのだが,まず「汽車」に惹かれる。電車でも列車でもなく「汽車」。遊園地の汽車とか保存鉄道の汽車ではなく,その汽車を乗り継いで遠くまで来てしまうような汽車っていったいいつの時代なのでしょうという感じなのだが,なんだか志賀直哉の『網走まで』みたいではある。でも,汽車を乗り継いで遠くまで来てしまった自分に対する愛のようなものもあるので,ちょっと青春している句でもある。「八月」と「汽車を乗継ぎとほくまで」の結びつきがどうかを検討すると,一見無造作なようではあると,これが春愁とか秋思の句ではつきすぎになってしまうので,やはり八月(とか一月)なんだろうと思う。

秋の蚊が足ぶら下げて飛ぶを見る

秋の蚊が見ているのではなく秋の蚊がそうして飛んでいるのを見ているのだけど,「見る」という措辞がなんだか生々しい(「見ゆ」ではないところがその生々しさの原因なのだろうか)。
足をぶら下げて飛んでいる秋の蚊は,しかし春の蚊や夏の蚊よりずっとしぶとく獰猛だ,という話で大いに盛り上がる。やはり急いで繁殖の準備に入らなければならないからだろう,とも。

(句帳から)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0