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第43回深夜句会(11/17) [俳句]

午後9時の締切直前にも次々に参加者が駆けこみ、いつものことながら、みな忙しい中を来ているのだというかすかな共感。出張帰りの重い荷物を曳きながら参加してくださる方もおられる。

(選句用紙から)

青く澄み暗く澄む空日短

青く澄む空、というだけなら俳人ならずとも日常生活でとりうる表現だし、秋か冬かな、という程度の季節感しかもたない。しかし、重ねて「暗く澄む」とたたみかけることで、これは冬の空以外にありえない。夕暮れになっても澄んだまま暗くなり続けるような好天もしくは空気のきれいな場所ということになろうか。昼間の澄みきった空が、そのまま暗くなっていく、ということは言えそうで言えないのであり、説明に陥ることなく「短日」という季題の姿をきちんと描いている。

紫に濃淡のあり式部の実

紫式部の実は、まだ葉のあるうちからついてだんだん色が濃くなり、葉が落ちてしまってからも紫色―赤紫色―の実だけが残っているのを見かける。小さな実がいっぱいつくのだが、ひとつところにいっぱいついたその紫色の実に、よく見れば濃淡がある、というのだ。何気なく読むと、それで?となってしまいがちなのだが、紫式部をよく見たことのある人なら、その濃淡が、実のひとつひとつが持つ独特のつや(ぴかぴかなつやでなく、半光沢のようなつや)と併せてイメージできると思う。それについては何も言わず、色のことだけを言って様子を想起させるところがうまいなあ。


(句帳から)

ジャムの瓶柊の花挿されある
木の葉雨にかすかな音のありにけり

「空ナナ」の各テーブルに小さな瓶に挿した花が置かれている実景を,すこし潤色したもの。
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