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続・誰のための著作権か [雑感]

 文化庁著作権課長の講演録を読んでいたら,すごいことが書いてある。
(「コピライト」2006.9 p.19)

 講演は「著作権行政をめぐる最新の動向について」と題されていて,そのなかに「著作権の保護期間の延長」という項目が立っているのだが,延長をめぐる個別論点の5番目に「死後70年経って権利者を捜し出せるのか?」というタイトルがふられている。わが意を得たりと読み始めたら,

(ここから引用部分)
 死後70年経って権利者を捜し出せるのかという議論もあります。確かにそのとおりかもしれず,50年でもなかなか大変なのに,70年になったらもっと無理だというような議論もあろうかと思います。しかし,逆に言いますと50年でも無理で70年でも無理だったら,50年でも70年でも状況は変わらないといも言うことができるので,これは50年70年にかかわらず,著作者が不明な場合について一体どう対応するのかという問題であって,50年を70年に延長するかどうかとは結びつけて考えるべき話ではないのかもしれません…
(以上引用終り)

 をいをい。
 もともと困難なんだから,もっと困難になってもかまわないと?
 すでに患者がたくさんいるんだから,より患者が増える施策をとってもいいと?
 
 いうまでもなく,文化庁著作権課長は日本の著作権行政の元締めで,そこにかかる利害対立の圧力はたいへんなものがあろう。そのことは理解したうえで,というよりそのことを理解すればなお,この発言は軽すぎるのではないかなあ。


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