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基調文学 [皿回し]

日本銀行が苦しまぎれに連発する「基調」って、いかにもアレだな~と思っていたら、
きょう某所で見たSNSに、日銀を揶揄する用例として

「成績は悪化しているが、学力の基調は改善している」

とあって、思わず吹いてしまった。
上司に難詰されたら、この手で行きましょう。
「売上は減少しているが、業績の基調は改善している」とかね。

第88回深夜句会(8/27) [俳句]

(選句用紙から)

此処何が建つてゐたつけ秋の風

季題「秋の風」。大草原の一軒家なら「此処何が建つてゐたつけ」にはならないので、建物が立ち並んだ場所で、それも住宅地なら住宅が建っていたに決まっているので、商店街のような場所が想像される。
この場合、、蕎麦屋とか本屋とかタクシー会社の営業所なんかがあった場所が更地になって秋風が吹いている、いわば「秋の風」という季題とつきすぎともいえる風景が想像される。ただ、商店街ということから、アーケードが歯抜けになり、そこだけ外の光が差し込んで風が吹き抜けている風景であるようにも見える。そうすると「秋の風」は生き生きとした描写として捉えるべきと思う。

軽トラの荷台に供物門火焚く

季題「門火」で秋。農家の庭先であろうか、お供物は門の中に停められた軽トラの荷台に置かれている。亡くなった父親も爺さんも、その軽トラで畑へ出ていたのかもしれない。

(句帳から)

コンビニのビニールパック入り荢殻

ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』(村井章子訳、文藝春秋、2015) [皿回し]

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会計基準の規範性とは何か?法の規範性と何が同じで何が異なるのか?

法の規範性は、立法府によって国民の代表により制定されることと、裁判所の違憲立法審査権によって裏書きされている。また、その実行を担保するための装置として警察や裁判所が用意されている。

では会計基準はどうなのか?

それを考えるための一つの材料として、会計や、その手法である簿記がどのように成立してきたか、歴史的にどのような役割を果たしてきたのか、という経緯があるように思う。しかし本書では、公会計わけても国家財政と会計の関係に多くのページが割かれていて、会計の考え方自体がどのように発展してきたかという点は少々物足りない。それでも、イギリスの鉄道会社の乱脈経営が、結果的に職業会計人を誕生させたとか(この話は友岡賛『会計の時代だ』(ちくま新書)に詳しい)、監査を請け負っている職業会計人がその知識を生かして同じ会社のコンサルティングを始めたらどんな結果になるか、という話は定番として押さえてある。引用元を巻末脚注できちんと表示しているので、会計史にまつわる小ネタを探して自分で掘り下げる目的でも有用かもしれない。