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番町句会(7/10) [俳句]

(選句用紙から)

赤富士や別荘村を出外れし

季題「赤富士」で夏。
恥ずかしながらこの年まで、赤富士って夕暮に赤く染まる富士山のことだと思っていた。
朝早く目覚めて、まだ寝静まっている別荘村をぶらぶら歩いて出外れると、そこに大きな富士山が赤く染まっている。冬には誰もいないであろう高原の別荘村だが、この時期にはずいぶん賑やかで、しかしまだ早朝なので人の往来はなく、静かに朝を迎えている。

梅雨烏止まりて尾羽揃はざる

季題「梅雨」(梅雨烏)で夏。
目の前の手すりか電線かに烏が止まっている。その烏が羽根繕いをしているのをふとみると、梅雨がふりそそぐ中にいるその烏の、尾羽の端が寝ぐせのように不規則になっていて、揃っていない。雨は一年中いつだって降るのだけど、何日も雨がふりつづくこの季節らしい烏の風情。

(句帳から)
このあたり苺畑であったはず
→このあたり苺畑もあったはず
いくつもの橋を渡って極暑かな
→いくつもの橋を渡りて極暑かな

祝・カフエマメヒコ10周年(7/1) [雑感]

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(「10周年記念ブレンド」のパッケージ)


いつもお世話になっているカフエ「マメヒコ」の三軒茶屋店が開業10周年。おめでとうございます。

6月30日の「10周年記念パーティー」には、札幌菊地珈琲の菊地さん、クルミドコーヒーの影山さんなど、マメヒコの屋台骨に関わるみなさんと、かつての店長さんはじめOG/OBの懐かしい姿が。本当にお世話になりました。そしてなぜか、Part3でとんかつを揚げていたEさんも(えー!)…
初めて拝見する顧問会計士さんの口癖が「社長、残高わかってますか…?」だという紹介が、職業会計人的にはたまらなくおかしい。

会場の一角に静かに置かれている「Sさん」という名前の人形(オブジェ)は、今は遠くへ行かれている能楽師Sさんの「代理」なのだけど、それをこのパーティーに運んできて、会場を見渡せる場所にさりげなく置いておく、そのメンタリティは訓練やマニュアルとは無縁の、いかにもマメヒコらしい気配りで、本日いちばんありがたく感じたことだった。

10年といっても、自分が知っているのは2007年秋以降のおよそ7年10か月でしかないのだけど、その間に繰り出されたかずかずのトライアルを思い返すと、よくもまあと思うほど次々に新しいことに挑戦してきた、その「挑戦しつづける姿勢」こそ、このカフェの真骨頂なのだと思う。察するに、損得じゃないところで「やむにやまれぬ思い」から実現させているいろいろなことがあるということだろう。そのボールを全部受け止められるわけではないのだけど、共感できるものは末席に連ねていただいて、拍手をしたりお手伝いをしたりすることができるのは幸せなことだと思う。

また、静かで清潔な環境(いつも清潔を保つために、目立たないところで大変な努力をされていると思う)でおいしいお茶を出し、適度で控えめに声をかけてくださることから、自分にとって代替不可能な、貴重な場所であることは昔も今も変わりはない。

みなさんには「20周年を楽しみにしています」と声をかけて帰ってきたけど、いちばん苦しい時期にさりげなく支えてくれたこのカフエが、引き続き繁盛してくれることを切に願う。

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(参加者全員で「フニクリ・フニクラ」を熱唱)