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津村記久子『ワーカーズ・ダイジェスト』(集英社文庫、2014) [本と雑誌]

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津村作品としては珍しく、主な登場人物の片方が男性。
仕事に関しては「そうそう、そういうことってあるよね」という率直な出来事の連続になるのだけど、仕事以外に関しては、何かが起こりそうでいて起こらない。男性と女性の会話も、読み手を試しているかのような不思議な会話で、「この場面でそのセリフですか?」的なはぐらかされ方。出てくる小道具も想定外というか、鍵盤ハーモニカですか。

人によっては、それを物足りなく感じるかもしれないが、自分には、このようなヤマもオチもない(仕事以外に関する)記述こそが、かえって、働く人、それも特別でない人の日常の記述として不思議な納得感がある。



 
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