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第78回深夜句会(10/16) [俳句]

(選句用紙から)

教会がこんなところに虫時雨

季題「虫時雨」で秋。
むかし「こんなところに総務省」というコピーがあったが、自分の住んでいる町なのか働いている町なのか、いずれにせよ、よく知っていると思っていたその町のどこかに、思いもかけず教会があった。その軽い驚き「こんなところに」が過ぎ去ってみると、その教会のまわりの植え込みは、虫の声がしきりであった。
(「こんなところに」の後の軽い切れがいい感じ)
小さな村の教会だったら住民が知らないわけないし、村中どこでも虫時雨だろうから、この句はしっくりこない。そうすると、都会あるいは近郊の住宅地のようなところで、立ち並ぶ民家のうちの一軒が教会だったりするのではないかなあ。


魔法使いサリーに似たる案山子かな

季題「案山子」で秋。
収穫を迎えようとする田畑にかかしが立っているのだが、その案山子が「魔法使いサリー」に似ているという。ただいま絶賛流行中のアニメの主人公とかではなく、ひとむかし前のアニメがなぜ…という思いを作者も読者もいだくのではないだろうか。そこにこの句の面白さのひとつがある。「似ているのではなく、最初から似せて作られたのではないか?」という句評も。だとすると、魔法使いサリーを知っていて、似せて作ることができるぐらいの年代の人が作っているのだということになり。面白い。
もうひとつの面白さは、案山子が「魔法使い」に似ているというところ。句評では、「オズの魔法使い」にかかしが出てくるように、そもそも「かかし」と「魔法使い」は親和性があるのではとの声も。なるほど。

(句帳から)

予備校の運動会のマスゲーム
台風の闇から始発電車来る


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