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第70回深夜句会(2/13) [俳句]

きょうは第70回の深夜句会。計算上は2016年8月に100回になる。

(選句用紙から)

薄氷の浮くをつぶさに底の影

どこからどこまでが氷なのか境界もはっきりしないような薄氷が池だか鉢だかに浮いているのだが、春の日がその薄氷を池の底に影として写し出している。それも、切れ切れの薄氷のようすがそのまま池の底に「つぶさに」写し出されている。「張って」でなく「浮いて」であることから、薄氷が切れ切れであることが了解され、さらに「つぶさに」で、水面から底までの距離がわずかであることもわかる。

大橋を潜りて遠く雪見舟

いつも通って行く水上バスなのか屋形船なのか、きょうは雪の中を航行している。大橋を潜って遠ざかっていくその姿は、雪にまぎれてどんどんおぼろげになっていく。江戸時代の版画のような構図だが、「遠く」で、作者は岸辺にあって遠ざかる雪見舟を見ていることがわかる。また、理屈をいえば、雪見舟から自分に向けられた逆方向の視線が感じられるところも面白い。

(句帳から)

春の雪こびりついたるまま薄暮
凍雲に濃淡のある日暮かな
森の奥から林道へスキーヤー
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