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第62回深夜句会(6/20) [俳句]

(選句用紙から)

この先は闇深くあり遠蛙

季題「遠蛙(とほかはづ)」春。蛙の傍題。ちなみに「雨蛙」「蟇」「河鹿」は夏。
…だが、「田んぼに水が張られないと、蛙は鳴き始めないのでは?(だから「植田」「青田」が夏なら、夏の季題でもいいのでは?)」という問題提起も。
そこまでは街灯なり人家なりが続いていた道が、ここから先は森なのか田んぼ(田植え前の田んぼ)なのか、いずれにせよ真っ暗になっていて、その遠くのほうから蛙の鳴く音色が聞こえてくる。何の闇であるかをぐだぐだ言わず、また聞こえてくるのが「蛙」でなく「遠蛙」としたことで、蛙までの距離感すなわちこの闇のかたまりの大きさが示されている。
この先「は」がやや説明になっているのと、「闇深くあり」が措辞としてこなれていないような気がするが、それほど気にならない。

あめんぼの足にもくぼむ水面かな

アメンボが水に浮いているところをよく見ると、足の先が水に浸からず、水が凹んでいるように見える(実際凹んでいるのだと思う)が、あれは一体どういうしくみで浮いていられるのだろう。誰もが何度もみたことのある瞬間を、ひとことで切り取ってみせる。「足にもくぼむ」は「足にくぼめる」で充分なのではないかとお聞きしたところ、それも含めていろいろ考えたが最後はやはりこれに落ち着いたとのこと。あめんぼの足ほどの(わずかな)ものにも、くぼんでみせる、と読むのだろうか。

(句帳から)

ぽんぽんと干草投げる機械かな
梅雨雲の照らされてをる低さかな
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