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新探勝会(6/9) [俳句]

(選句用紙から)

鷭の子のまだ毛の生えぬ額かな

くちばしの赤い水鳥である鷭(ばん)の雛って見たことがないのだけど、額に毛がないのだろうか。もともと嘴と額がひとつながりに赤いような印象があるが、その額に毛がないってどんな感じなのか想像がつかないけど面白い。こういう希少なものは、見たもの勝ち。

睡蓮の水の余白に雲白し

睡蓮があるのは鉢だろうか、小さな池だろうか、その水面のあらかたを睡蓮が埋めているのだが、そこにいくばくかの「余白」つまり睡蓮がなく水が見えている部分があるという。そしてその「余白」に、夏の雲が白く映っている。なんだか印象派の絵のようなー睡蓮だからというわけではないがー風景の切り取り方だが、「余白」が技あり。

ボート楽し風に押させてしばらくを

季題「ボート」で夏。
ふだん陸上に2本足で立っているとそれほどには感じられないことだが、海でも湖でも、ボートやヨットで水の上に出ると風の力は存外強い。ヨットなどはその力で進んでいくわけだけど、ボートを漕ぐ手をいっとき休めて、夏の日の風に押されるままにしている。ボートは後ろ向きに漕ぐから、今まで漕いでいたのと同じ向きに風が押してくれるのであれば、体の正面で風を受けることになり、日差しを遮るもののない水上とはいえ多少の涼しさも感じられよう。

(句帳から)

近景も遠景までも植田かな
豆蒔いて畝の先なるポプラかな
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