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ライブペイントを詠む(6/26) [俳句]

水墨画家田中芙弥佳さんの個展で行われる水墨画のライブペイント(実演)にお招きいただき,名古屋大学近くのカフェ「薬草labo.棘」へ。古民家を改装したカフェで,玻璃戸の外には庭の緑があふれている。和室と縁側に座卓やテーブルが置かれているが,30分前に行ってみるとすでにいっぱいで,お客さんがつめあってスペースをつくってくれる。

ふすまに下地と紙を貼ってそこに描いてくださるのだが,何もないところに筆をおいていく最初の数秒間の緊張感はやはりすごくて,俳句もそうだが,創造することの大変さをあらためて知る。

墨絵描く玻璃戸の外の四葩かな
虎尾草の穂の長きまま垂るる部屋
髪垂れてをる虎尾草の花穂垂るる

絵を描いているすぐ外はガラス戸ー古い硝子の引戸ーで,そのむこうに庭の緑が揺れているのが気持ちをなごませる。カフェからのご案内に「墨は植物の最終形」ということばがあったが,その伝でいけば,いま庭に育っている樹木が,やがてこの民家の柱や床になり,最後は墨として絵に残るということになるのだろうか。

会場には他にも多くの作品が展示されていて,なかには季節感を強く感じさせる作品も。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」に倣って,俳句を詠むことにする。
(以下,かっこの中は絵のタイトル)

猫仰向け脚仰向けに端居かな (hello)
所在なくしてゐながらも猫の恋 (presents)
ふりかへりふりかへりして苺咲く (いちごが咲いたら)
凍空を裂くやうにして笑ふかな (あなたへの炎)
樹の上の慈母の裸足に紅ほのか (慈母)
ゼラニウムてふいつも咲きいつも散る (ゼラニウム)
足元をうかがひながら秋薔薇 (薔薇)



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