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名古屋句会(7/2) [俳句]

熱田神宮では横綱の奉納土俵入りがあったそうだが,吟行には参加できず句会のみ。

(選句用紙から)

屋根はがし解体工事日の盛り

季題「日盛り」で夏。
日盛に解体工事をやっている。ビルか住宅かは書かれていないが,「屋根」を「はがす」という措辞からは,古い住宅のようなものが想像される。何十年,ことによったら何百年とたつ住まいの屋根を「はがす」というところに一句の眼目があって,屋根に感情はないのだけど,なんだか自分の身体の一部を無理やり剥がされたような痛みを覚える(のは私だけだろうか)。
また,それでなくても暑い日盛りに解体工事をやれば,もうもうと立ち上る土ぼこりがますます暑さをかき立てるわけで,それを抑えるための水掛けとか,そんなことまで風景として再現されよう。

夜半に聞くラジオの奥のはたた神

季題「霹靂神」で夏。激しい雷,の意。
遠くから近づいてくる雷を,ラジオが(無線であるからして)拾ってしまうのであろうか。ラジオの「奥の」がややあいまいで,ラジオの置いてある場所よりも奥から,なのか,ラジオの音のなかで奥の方から,なのかはっきり読み取れないが,寝苦しい夏の夜更けの雷には,それが過ぎ去ったあとで少しは涼しくなるだろうか,などという期待も若干含まれていて,季題が「春雷」「冬の雷」ではこうはいかない。

(句帳から)

汗拭いて一礼をしてベーカリー
夾竹桃の見下ろしてをる野球場
バス通るたびに木槿の揺れてをる
ほつそりと万願寺青唐辛子
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