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映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」(2021年イギリス/ロジャー・ミッシェル監督) [映画]

映画について書くのは、何年ぶりだろう。

心躍る感動の物語を求めてこの映画を見ると、「?」になってしまうだろう。でも、少なからぬイギリスの住民が王室に対して抱いている、屈折した親近感のようなものが、この映画にはよく表現されていると思う。手放しの賛美でなく、かといって敵対でもない、微妙な感じの親愛の情。

映画の最後、握手する女王陛下が年齢と逆順に次々に現れる場面でジーンとくるのですね。このような仕事につくことを運命づけられ、それをきまじめに果たしてきた(そういうところは、お父さんにそっくり!)人であることがよくわかる。失礼ながらこの点、現王室の人びとのなかでは、むしろ少数派に属するのではないかと。そのきまじめさが、一筋縄ではいかぬあの国の住民たちから一定の支持を得ている最大の理由なのだと思う(だから、1997年のように「きまじめな女王陛下なら、こういう対応はしないのではないか」と思われると、一転して強い批判を受けることにもなるわけで)。

こういう映画って、本人に出てきてもらって撮影収録するわけにいかないから、どういう構成にするかで決まってしまうところがあると思うのだけど、一介のイギリスおたくとしては十分楽しめる作品だった。

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