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2020・第4回しおや100参加の記録(②当日編) [ウォーキング]

①事前準備編から続く)

送迎バスが7時20分に駅を出るので、5時に起きて支度を始める。天気図は微妙。雨が降っても降らなくてもおかしくない感じ。

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・0km 事前のアナウンス通り、スタート地点で行われるのは検温と手荷物預入だけ。
開会式も準備運動もなく、8時になったらQRコードを各自が読み取らせて順次スタート。すがすがしいというか、効率的でよいですね。食べ物をあれこれ持ちすぎて重い。飲み物は600mlのソフトフラスクに紅茶。

・5km 白い大きなヤギ(”すごーくおいしいよ!”というLINEのスタンプを思い出す)がつながれた橋を渡る。そのしばらく先から上り坂。といっても階段とかではなく、車が通る舗装道路を歩くだけなのだけど、これがけっこうきつい。まわりの選手についていくのが精一杯。ダム湖はキャンプ場と釣り場になっていて、土曜日の朝なので大賑わい。最初のエイドでお饅頭をいただく。

・10km 川を渡ってもう少し登ったところで、最高地点(海抜421m)を通過。両側の林が伐採されていて、なんだか不思議な風景。コースに沿って1kmおきに、「〇〇km」の小さな看板が出ていて、それにこどもの字で一言書き添えてあるのが楽しい。地元の小学生に書いてもらったのだろうか。ただ、もっと太い字で書かないと読めないが…

・15km 左手に唐辛子の畑、右手には蕎麦の畑という珍しい風景。唐辛子が畑に植わっているのを見るのは初めてのような気が。また、刈田でなく稲田がたくさん残っている。これは山間部だからなのか、植わっている稲が晩生の品種なのだろうか。天気は上々で、暑いぐらい。ちょっと厚着すぎたか。
 閉鎖されたゴルフ場に太陽光電池がびっしり敷き詰められている横を通り過ぎる。まぁ法律上の問題はないのだろうけど、好意的に言っても奇観としかいいようがない。

・23km 個人のお宅の庭先(庭先といっても、大きなお屋敷のお庭)がエイドになっていて、豚汁がふるまわれている。お招きにあずかったようで、なんだかいい感じ。ついでにペットボトルをいただき、ソフトフラスクに給水1回目。
その先は道の駅まで、廃線跡と思われる歩きやすい道(=ほどよい道幅、ほどよい傾斜、ほどよいカーブ)。こういう道ばかりだといいのだけど。
まだ4分の1しか歩いていないのに、早くも右膝が痛くなる。これはダメ(完走できない)かもしれないな…と同時に、荷物が重く感じられるようになる。次のエイドでゼリーを全部食べてしまおう。

・26km 道の駅に設置されたエイドステーションで膝にテープを貼り、持っていたゼリー2つとりんごスティックを全部食べる。都合660kcal。これで少しは荷物が軽くなっただろうか…

・30km 鬼怒川の流れに沿って歩く。それまでの晴天が曇り空に。気温が上がらなくてラッキーなのだけど、せっかくの景色が少しくすんで見えてしまうのが残念

・32km 特別養護老人ホームのフェンスから身を乗り出したスタッフの方々が、「いま何キロですか?」と声をかけてくださる。「ええと…まもなく32キロですかね。まだ3分の1も行ってませんね。」と答えながら苦笑する。この調子で残り68キロも歩けるのだろうか。思案しながら歩く横を、赤ゼッケン(=前回16時間以内にゴールした達人)の女性が美しいフォームで追い抜いていく。そのスピード差に、ちょっと衝撃を受ける。
 建設途中の道路をコースに開放してくださった区間、舗装は完璧だし車の心配もないしで歩きやすいのだけど、一直線なだけにどうにも退屈。

・39km ようやく直線道路から解放され、上平ポケットパークのエイドステーションでおにぎりと唐揚げのお弁当をいただく。おいしい。ベンチに座っていると地震が。しかし携帯も鳴らないし、いつまでたっても誰も反応しない。どうも自分の体が勝手に震えている模様。

・40km エイドステーションの少し先、一軒家のポストに「トイレどうぞ」という貼紙が。ウォーカーが何を必要としているか本当にわかっている方のご厚意と思われ、このご時世に本当にありがたく、手を合わせて通り過ぎる。

・44km 遥か東の方角に見えていた東北自動車道がだんだん近づき、下をくぐってしばらく歩くと、コースの最東端に到達。最低地点(海抜190m)もこのあたりで、最高地点との標高差はおよそ200mもある(いや、距離を考えれば、200mしかないというべきだろうか)。

・46km 日没。肘内公民館のエイドステーションでバナナをいただきながら、オニオンスープを試してみる。アツアツで火傷しそうだが、おいしい。公民館の先で日没。あっという間に空が暗くなる。手控と照らし合わせると、昨年のびわ100のペースよりかなり遅い。「50km地点で50分の貯金、60km地点で40分の貯金」はとても無理そう。

・50km 川べりの真っ暗な道を歩いていると、誘導灯を準備されているスタッフの方が「もう半分まで来ましたよ!」と声をかけてくださったので、いつの間にか半分歩いたことを知る。うーんまだ半分…あと50キロもあるのか…リタイアするなら玉生小学校だが、それにしてもあと18キロもある。

・52km エイドステーションまでやってきたが、何も食べる気がしない。

・57km コンビニでトイレを借り、ついでにウィダーイン。これで済むのであれば、携行する食糧は最小限でいいですね。

・58km 国道461号の歩道、落ち葉や枯れ枝が積もって歩きにくい。上りきって鋭角に曲がったところに、思いがけず私設のエイドステーション。おにぎりとスープをふるまってくださる。梅しそ味のおにぎりと、アツアツのスープがたまらなくおいしい。

・59km 道がよくわからなくなる。前に人がいれば、大会本部支給の点滅灯が背中でまたたいているのでそれとわかるのだけど、それが遠ざかってしまうと、「この道でいいのだろうか?」と不安になってくる。しかし、真っ暗で深い森の中を歩いていたかと思うと、不意に人家が何軒も現れたりして、ここはどんな場所なのだろう?と不思議に感じる。

・62km 暗闇の中にエイドステーション。さきほどから寒さを感じていたので、ここでダウンベストを着こむ。歩き始めたら、保温力がありすぎて今度は暑い。なかなかコントロールがうまくいかない。

・68km 大会本部のある玉生小学校まで戻ってくる。リタイアすることも考えたが、もう終電には間に合わないし、明日の朝まで体育館で寝ていても仕方ないので、行けるところまで行こうと決める。この時点で、20時間以内の完歩は難しいと判断。少しゆっくりする。焼きそばを勧めてくださるが、どうにも食欲がわかず、バナナを1本、それに2本目のオニオンスープをいただく。ソフトフラスクに2回目の給水。ウインドシェルを羽織り、これでレインウェア以外は全部着こんだ。

・70km 玉生から船生への長い上り坂がつらい。ペースはどんどん落ち、12分台をスキップして13分台に入る。

・73km 青いイルミネーションを施した、民家なのか飲食店なのか判然としない建物(暗闇と疲労でよくわからなくなっている)に私設エイド。キャンディーとかラムネとかキャラメルを勧めてくださる。洵にありがたく、なにか現実でないような不思議な感じ。キャラメルをなめながら歩くと、少し元気が回復。

・79km ふたたび道の駅。もう20時間切りは到底無理なので、屋内でゆっくりスープ餃子をいただき、暖をとる。ついでに3回目のオニオンスープ。朝から20時間近く歯を磨いていないので、口の中が気持悪い。

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・81km 歩道に茶色の蛇がうずくまっているように見えたが、幻覚かもしれない。振り返ると腰が痛くなるので、振り返って確認することができない。危うく踏むところだった。

・85km また廃線跡とおぼしき道路に戻ると、ものすごく眠い。スマホで音楽を聴いたり、小声で歌ったりすると、その間だけは紛れるのだけど、圧倒的な眠気の前にはほぼ無力で、自動運転というか、目をつぶったまま歩いている(危険)。ぬれ煎餅をかじるのが意外に効く。正面つまり東の方角に月がのぼっているのが見え、流れていく雲とのやりとりが美しい。きょうの月齢は21.3。北斗七星とカシオペアがくっきりと見える。

・88km 焚火を設けたエイドステーション。ベンチに腰を下ろし、4回目のオニオンスープをいただきながら少し瞑目する。焚火の煙がこちらに流れてきてケムいのだけど、場所を変える元気もない。炎が幻想的。写真を撮ってみたが、なんだかよくわからない映像…

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あと12キロ歩けるのだろうか…眠い…

・90km 真っ暗な道路沿い、どこかのお屋敷の飼い犬がすごい勢いで吠えている。そりゃそうだろう。ふだん人の気配のない細い道を、点滅灯をピカピカさせながら、何百人も歩いているのだから…

・95km 大宮公民館。最後のエイドステーション。甘酒をいただく。疲れていて味がよくわからないが、暖まるだけでもありがたい。室内の長椅子に座り、ふたたび瞑目。歩いている時間より座っている時間のほうが長いような気が…

・96km やっとの思いで歩き出すと、全身が痛む。暗闇のなか、新聞を配達するバイクとすれ違う。もうそんな時間なのですね。ゴールをめざしてひたすら北上するが、ペースは1キロ15分台で、もはやお話にならないスピードになってしまっている。スタート時に1キロ9分台だったことを考えると、まるで別人。

・100km 最後の角を曲がると、小学校の建物が見えてくる。前にも後ろにも誰もいないが、ともかく歩き続けてゴール。21時間台前半。自己目標には遠く及ばず。ゴールして東の空を見上げると、少し明るくなっている。

 ゴールのすぐ横にポスターが貼りだされ、「2021年は4月17,18日 春の開催で待ってます!」と。うーん4月って暑いのだろうか寒いのだろうか…来年も11月にしてほしいなあ…整理体操がわりにグランドをゆっくり歩き、焚火にあたり、飲み物を提供している場所にポットを見つけて5回目のオニオンスープをいただく。やはりおいしい。

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 いつもなら、着替えに七転八倒するところ、案に相違して楽に着替えができる。体力が尽きる前に膝が壊れてスローペースになってしまったためだろう。

 体育館で仮眠をとることができるのだけど、体を動かしていないと寒い。これでは風邪をひいてしまうので、次の送迎バスで矢板駅に送っていただくことにする。バスを降りぎわに、「来年もよろしくお願いします。」とご挨拶。矢板駅には何もないので、宇都宮駅のタリーズに入ってようやく人心地。

③感想・分析編に続く)

  
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