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番町句会(3/11) [俳句]

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職場を出るのが遅れ、締切に間に合わない事態に。不在投句もしていなかったので、俳句人生(?)35年間で初めての「選句のみ参加」となった。
まぁ普通なら、締切に間に合わない時点で参加をあきらめ、帰ってくるわけだけど。

(選句用紙から)

車椅子を押して屋上山笑ふ

季題「山笑ふ」で春。病院とか老人ホームのような場所が想像されるが、そこから遠くない場所に山があって、車いすの人にも、それを押す人にも木々の芽吹きや枝が風で揺れるさまが見えている。大都会のど真ん中でなく、まぢかに山が見えるような郊外とか地方の風景なのだろう。ところで「山眠る」「山装ふ」だったらどうか。これはこれで、だいぶ肌合いの違う詩として成立する。

山門は足場を組みて雪解富士

季題「雪解富士」で夏。これも作者と富士との距離が鑑賞の鍵になる。遠くからだと、富士の雪解けの状況がわからないし、ものすごく近ければ目の前の風景すべてになってしまうわけだから、富士の麓にある町の、そのお寺であろう。足場を組んで改修をするのだけど、その山門のむこうに、雪解けのはじまった富士がおおきく見えている。「足場を組んで」が、いま進行中あるいはこれから進行する一定の時間を示しているのに対して、「雪解富士」は時々刻々変化する富士山の「現在」を切り取っている。

 

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