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森知子「カミーノ! 女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅」(幻冬舎文庫) [本と雑誌]

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巡礼の毎日、特に巡礼者同士の人間模様が楽しく書かれていて、ふんふんとうなずきながらページをめくるのだけど、ヒネリとかオチがないままにあっさり終わってしまうので、拍子抜けする。いゃまあ、つまらないよりはいいんですけど、もう少し深掘りしてくれてもいいのでは。唯一なるほど!と思わせるのは、800キロも歩き続けていると、サンチャゴが近づくにつれて「この楽しい日々が、あと少しで終わってしまうのがいやだ」という心境になると書かれていること。「カミーノ学園(体育科・全寮制)」という表現も、とてもいいですね(200頁)。

カミーノについて書かれた本の多くが精神性を前面に打ち出している(なにしろ巡礼なので)ことへのアンチテーゼ、例えばパウロ・コエーリョ「星の巡礼旅人たち」(角川文庫)のパロディとして書かれたものかとも思うが、それにしては普通な記述(夕陽に照らされた港町の風景に感激したり)もあったりするので、中途半端な感じ(半径3メートル的には事実の記録なのだと思うけど、全体として何がどうなのかということが伝わってこない)は否めない。
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