森知子「カミーノ! 女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅」(幻冬舎文庫) [本と雑誌]
巡礼の毎日、特に巡礼者同士の人間模様が楽しく書かれていて、ふんふんとうなずきながらページをめくるのだけど、ヒネリとかオチがないままにあっさり終わってしまうので、拍子抜けする。いゃまあ、つまらないよりはいいんですけど、もう少し深掘りしてくれてもいいのでは。唯一なるほど!と思わせるのは、800キロも歩き続けていると、サンチャゴが近づくにつれて「この楽しい日々が、あと少しで終わってしまうのがいやだ」という心境になると書かれていること。「カミーノ学園(体育科・全寮制)」という表現も、とてもいいですね(200頁)。
カミーノについて書かれた本の多くが精神性を前面に打ち出している(なにしろ巡礼なので)ことへのアンチテーゼ、例えばパウロ・コエーリョ「星の巡礼
2013-08-31 23:03
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