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新探勝会(8/18) [俳句]

夏休みかつ猛暑なので、参加者は少ないのではと思いつつ会場に行ってみると、とんだ勘違いで、清記用紙は28枚にもなる。自分の父親や母親のような参加者のみなさんの、その元気なことといったら!

(選句用紙から)

しをからの飛ぶ宮町に住みたくも

季題「しをから(蜻蛉)」で秋。白く塩をふいたような胴体をしたしおからとんぼは、街中でもときどき見かける。
宮町は、寺町とか城下町などと同様、神宮の門前に広がる伊勢とか出雲のような町。しおからとんぼが飛び交う宮町を訪ねてきて、その風情に、ここに住んでみたく「も」なるなぁ。
神社はもともと、動植物と親和的な場所で、その神域には木立や池や何やがあり、鳥や魚や草花もたくさん見かけるのだろうが、そんな初秋の神社と、さらにその門前に広がる町のようすを好ましく思い、住んでみたくなるちょっと高揚した心の動きを描いている。虚子の「賣家を買はんかと思ふ春の旅」を連想する。

巫女三人(みたり)神官二人(ふたり)秋の宮

しかしそこは、伊勢のような大きな神社ではなく、巫女さん三人神官二人で回しているという。察するに、巫女さんはアルバイトなのであろう。神官も、その日だけどこかから来ているのかもしれない。小さな社務所と仮ごしらえの授符所と神殿を行ったり来たりしている、そんな小さな神社の風景。

吾に縋りそこねし蝉の墜ちにけり

飛ぶというより暴れるような動きをしながらだんだん高度を落としていく蝉が、自分にぶつかってその脚でつかまろうとするが、つかまりそこねてぽとっと足元に落ちてしまう。命の終わりが近い蝉の動きを「つかまる」とか「とまる」と言わず「縋る」としたところに心の動きがあり、しかしベタつくことなく詩情をたたえている。

(句帳から)

括られしガレージミラー木槿垣
特急とともに運ばれ秋の蠅
駅前にビニールハウス野路の秋

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