SSブログ

留別句会(5/18) [俳句]

遠方へ赴任される友人の前途を祝して句仲間が集まり、俳小屋で壮行句会。

20130518.JPG

(選句用紙から)

山法師白く送別句会なる

山法師の白い花は、可憐とか繊細というよりはぶっきらぼうな花なのだけど、そのぶっきらぼうな山法師が白く咲いているころ、ちょうど送別句会だという。あれこれの修飾語は不要で、言葉少なに送り出すつどいであることと、ぶっきらぼうな山法師がよく響き合っている。
また、送別句会「なり」でなく「なる」としたことで、「送別句会という」のように一歩引いた表現になり、余情が増しているように思われる。

新樹晴たぶん地球のどこにゐても

一見とぼけた「たぶん」が、「どこにゐても」の強い破調とのバランスになっている。地球のあちこちが一斉に新樹晴になっているさまを、「地球のどこも新樹晴」でなく、そこにいる自分の視点で「どこにゐても」と叙して、自分は実際にそこには行けないので「たぶん」と加えているところもいいですね。

チグリスへユーフラテスへ田を植ゑに

「木を植ゑる」という言葉がひとつの象徴(Serit arbores, quae alteri saeclo prosint.)であるように、「田を植ゑる」こともまた、和朝の俳人ならではの象徴かと。

トンネルの合間合間の藤の花

 短いトンネルを次々に通り抜けていることからして、山深いところなのだと思うが、その合間合間に見える山あいに、藤の花の紫色が見えている。薄暑のころの日本の山の風景ーもわっと湿潤な感じのただよう、初夏の山の風景ーが見えるが、遠くへ出向くとなれば、そうした風景もいつでも気軽に愛でることはできないわけで、一つ一つの花も、その背景の山々も、印象深く見える。

(句帳から)

手提げからカーネーションの花の先
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0