池袋句会(1/9) [俳句]
きょうの兼題は「冬苺」「淑気」。
(選句用紙から)
冬苺の藪の向かうに秘密基地
この季節に山で見かける冬苺は、すこし湿った場所を好み、丈も低いのだけど、その「地面近くにある感じ」を、子どもの視点を借りることで表現した一句。大人の高さからは「何かの下草のその下に冬苺がある」ように見えないのだけど、地面近くの視点からは冬苺が「藪」として感得されるのだろう。そしてその藪の向こうには、こどもの秘密基地があるという。それは木の洞であるのか、茂みの中の空き地なのか。
箸紙を書く夫の手の変りなく
季題「箸紙」で新年。新年を祝うための白木の祝い箸を入れる袋に、当主が家族それぞれの名前を書くのだけど、その手つきが例年と変わりなく、しっかりしたものであったという句。結婚2年目の28歳とかだと何のこっちゃになるが、むろん長い歳月を共に過ごしてきたパートナーが、(変わりがあってももう不思議ではない年齢だけれども)変わりがないことにほっとしている。なかなか詠めない句だなあ。
(句帳から)
淑気満ち指揮者を待つて静かかな
石段が山頂小屋へ冬苺
ゆたんぽにツイード柄のカバーかな
2013-01-10 00:09
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