SSブログ

第49回深夜句会(5/17) [俳句]

マメヒコ飯店であわただしく腹ごしらえをして,句会場に駆け込む。
きょうは4人+不在投句1人。もう1人不在投句が送られてきたが,添付ファイルが開けないという事態に陥り,万事休す(>_<);

(選句用紙から)

子蜥蜴の渡りおほせし小径かな

蜥蜴の類が移動するのを目撃すると,たいていダダっと走って途中で止まり,あたりを見回してからまたダダっと走っていく。一気に駆け抜けてしまえばいいのに,なんでそんな危い走り方をするんだろう…という話をしたら,爬虫類の全力疾走はあれが限界なのだそうだ。そんな走り方をする蜥蜴の子の一部始終を,作者は少し離れたところから見ていて,ぶじに渡りきったことにほっとしている(「渡りおほせし」)。

リクルートスーツの人と胡蝶蘭

季題「蘭」は,手元のホトトギス新歳時記では秋の季題だが,夏の季題として詠まれているのであろう。「リクルートスーツが季題なのか?」という問題提起もあった。
蘭のなかでも胡蝶蘭ほど季節感に乏しいものはなくて,個人が家庭で育てるものというより,昇任祝いとか楽屋花として花屋さんから届けられるビジネスの道具みたいになってしまっているのだが,その白い丸い花の連なりが植わった鉢植えが置かれているその部屋に,リクルートスーツの人がいるというのだ。採用試験で役員室に呼び込まれた学生,というような状況であろうか。リクルートスーツの人,という措辞もなんだか奇妙なのだが,リクルートスーツ姿の学生とか求職者と,上に述べたような役回りを背負っている胡蝶蘭の組み合わせが,軽い皮肉というか諧謔味を帯びている。

芍薬を束ね別れの花束に

季題「芍薬」で夏。芍薬といえばすっとまっすぐに伸びた先に大輪の花をつける印象が強いが,それを束ねて別れの花束にするという。一つ一つの花が大きいのだから,それを束ねた花束もそうなるわけで,それをあえて送別の花束にするとしたら,例えば,自分が育てた芍薬を自分で截り束ねて,大切な人を送る花束とする,というような風景であろうか。色も形も華やかではあるが,牡丹とも薔薇とも違う芍薬の色合いー少し影のある華やかさーをよくとらえた句だと思う。

(句帳から)

半日で隣家解体され薄暑
花水木の白にゆるみの兆すかな

立ち寄りてけふ母の日と言ひもせで
落ちざまに萼を外れて桐の花
蔦若葉に怯める心地して眩し


帰途に途中下車してタイ料理店へ。シンハービールに続いて初めてのラオスビールを1本。なかなか素朴な味わい。

laobeer.JPG

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0