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上高地で句会&挙式(2) [俳句]

雲一つない快晴。
宿の人(たいへん感じがよろしい)に「お勧めの季節は?」と聞くと、新緑のころがいいとか。
もちろん、ほかにもいい季節はたくさんあるのだけど、きれいな季節なのにあまり人が来ないから、というのがお勧めの理由。夏休みや紅葉の季節は、それはもう人出で大変らしい。

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〔朝の句会@09:00@3句〕
(選句用紙から)
明けてきてけふの秋晴うたがはず
これ、そのままお祝いの句として出せばいいのに。賛同者が多かった句でもあるが、もう夜明けから(いや、まだ夜空のうちから)雲一つない秋晴れなのだ。空気が澄みきった山の秋の夜明け。

雲流れ月が動くといふ児かな
蝮草とてびっしりと実の真つ紅
その禍々しい名前は蝮草というが、その実も、毒きのこのような濃いオレンジ色を「びっしりと」並べた禍々しい姿をしている。「びっしりと」がいいですね。

(句帳から)
朝霧と川の流れと見ゆるのみ

歩いて河童橋のたもとへ。雲一つない快晴。新婦が河童橋をバージンロード代わりに歩いてくるという人前結婚式で、たくさんの登山者やハイカーを巻き込んで盛大なお祝い。

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〔披露宴で句会@11:30@1句〕

披露宴の受付で句を徴し、俳人テーブルで選句して披講&句評。

(選句用紙から)
相寄れるかな二タすじの澄める水
賛同者多数。
季題「水澄む」で秋。秋にはことに水が澄んでいることから秋の季題とされているわけだが、ふた筋の澄んだ水の流れが互いに寄り添っていることであるよ、という句。上高地を流れる梓川の、激流でもなくよどみでもない清らかな流れを描いて、しかも贈答句になっている。

今日この日穂高全き秋天に
季題「秋の空」「秋天」で秋。屹立する穂高の山並み、そのすべてが今日という日に、もっと高く青く澄み渡った秋の空のもとにその偉容を誇っていることであるよ。
これも共感を呼ぶ句。この日みんなが帰るまで、結局上高地は雲一つない快晴だった。穂高の山並みには色がない…というか、無彩色の世界なのだが、そこに日が当たっていて、その上に青く澄み渡った空が見えているという、何だかこの世のものではないような風景。

(句帳から)
秋晴の谷に寄り添ふ流れかな
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