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上高地で句会&挙式(1) [俳句]

金曜の晩はゼミ(この懐かしい響き!)のあと遅くまで新歓コンパ。自分が歓迎される側なんで、さっさと帰るわけにもいかず、夜中の町を歩いて帰る。

土曜の朝の電車で松本へ。町を歩く時間もなく、いつのまにか出来ている「アルプス口」から乗り合いタクシーで上高地へ。釜トンネルは、これまたいつのまにか立派なトンネルになっている。

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〔午後の句会@17:00@7句〕

(選句用紙から)
木道をとんとんとんと秋高し
沼沢地にかかっている木道って、下が空間なので、硬い登山靴なんかで歩くとけっこう音がするのだけれど、その音を「とんとんとん」と叙し(「与作」じゃないですよ)、そこから一転して視線が上を向いて「秋高し」とつなげるところ、ちょっと面白い。

秋の雲流るや空の流るゝごと
秋の雲が流れているのだが、規則正しく一定の方向へ流れていくその流れはまるで、空が流れているようだ。「流るるごと」の字余りが巧み。

列車いま笛吹川や秋桜
固有名詞(地名や人名など)を俳句に使うのは難しいのだけど、笛吹川いいですね。音韻的な響きもいいし、言葉の感じもいいし、そこから立ち上ってくる風景もいい。甲州の明るい秋の空と、もうすぐやってくる冬の冷たい風まで「秋桜」で感じさせる。
(句帳から)
穂高より夕霧落ちてきたるかな
鶏頭の倒れ伏したるまま真赤

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〔夜の句会@21:00@7句〕
今日は中秋の名月。六百山の上に月が出る前から、稜線を黒々と浮かび上がらせて、夜空の雲が自ら光っているかのように白くなる。月白(つきしろ)だ!
やがて小さな、しかし強い光が稜線の一点から届き、それがどんどん大きくなっていくと、谷全体が月の光に照らし出され、神々しい(こんな言葉を軽々しく使ってはいけないのだろうが)までに美しい。

(選句用紙から)
月白を煙のやうな雲移る
雲薄く月のうしろを行くごとし
月いよゝ六百山を抜き出たる
稜線の一筆書きの良夜かな
円満が常なる理想月今宵

(句帳から)
八右衛門沢の真上の月白に
やや寒の河原へ降りる小道かな

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