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追悼・石井桃子さん [本と雑誌]

3月10日のエントリー(http://yabukoji.blog.so-net.ne.jp/2008-03-10)で、101歳の誕生日を祝ったばかりなのに…

半世紀以上にもわたる著作や翻訳を通して石井桃子さんが追い求めてきたものにもかかわらず、いま私たちの(少なくとも私の)目の前に充満するのは、全然石井桃子的ではないというか、身もふたもない現実であって、その落差はいかんともしがたいが、せめてその精神は多くの人々に引き継がれていると信じたい。

そしてもう一つ、この際声を大にして言いたいことは、“石井作品の魅力は、その圧倒的な日本語力にある”ということ。「くまのプーさん」にしても「ピーターラビットのおはなし」にしても、単語や文章の日本語の選びかたがなんと魅力的であることか。
もう少し具体的にいえば、ややクラシックで、温かみがあり、イギリス風のユーモアにあふれた日本語。いま思いつくだけでも、
「イーヨーのしめっ地」
「クフロ」
「トオリヌケ・キンジロウ」
「あーう!」
「ばっかなやつ!」
「ハチミチ」
「百ちょ森」
「これもなるす」
「あ、くるし!」
「プー棒投げ橋」…キリがない。

ね?小学生に英語習わせるより、日本語の読み書きをしっかり叩き込むほうがいいでしょう?
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六

 たしか、母方の祖父母の家(東長崎)の近くに、「ノンちゃん」の図書館があった。千川通りを越え、十三間道路(目白通り)を越えて、ポクポク歩いて行ったような記憶がある…。
 通っていた小学校(大泉南小)の前に、松谷みよ子さんの家があり、図書館として開放されていて何度か行きました(女子児童達は入り浸っていた…)。こちらの先生は、まだお元気のはずです。
 となりの下石神井には、いわさきちひろさんの家があり、そのもう少し先の荻窪に、石井桃子さんはお住まいだったんですね。
 …今住んでいる諏訪には、原田泰治さんがいて、美術館があります。

 これらの方々の仕事は、とても立派な仕事なんだと、最近ふと思うことがあります。
 僕には今、子供はいませんが、御柱のお祭り仲間がみんな小中高の子持ちだからなのかもしれません。

 徒然なるままに書きました。ご容赦。そして合掌。
by 六 (2008-04-04 06:18) 

やぶ

ろくさん、おひさ!お元気ですか?

子供の頃に、訳もわからずひたすら本や絵本を読みまくるという経験は、知らず知らずのうちにその人の屋台骨になっている感じですね。しかも石井桃子さんは「何でもいいから好きな本を読め」という方針だったと報じられていますから、子供に個別具体的な方向性を与える本より、判断の礎となる多くの材料を与えようということなんでしょうね。それは戦中から戦後にかけての経験の産物かもしれません。
近所にあるたったひとつの公立図書館に通っていた私なんかも、手当たり次第にいろいろな本が読める場所であることがパラダイスだった記憶があります。
by やぶ (2008-04-05 00:05) 

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