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バケツの水をどばああっと [音楽]

茂木大輔氏の「オーケストラは素敵だ」(中公文庫)を読んでいると,氏がミュンヘンに留学中,バイエルン放送交響楽団のオーディション(入団試験)を受験する場面が出てくる。

受験資格が確定してからオーディション当日まで,茂木氏は地下室にこもって連日10時間以上も練習をした上で本番に臨む。
その上で、自分の番がまわってきたときの気分を,氏は以下のように説明している。少し長いが、引用してみる。

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やがて、おれの番がきた。
「Nummer Sieben, bitte !」という呼び声におれは「Ja !」と答えて立ち上がり、その人についてホールに向かいながら、全く緊張していなかった。非常に、うれしかった。一ヶ月の間忍耐に忍耐を重ねて、一滴一滴溜め込んできた大事な水を、ここでいっぺんに「どばああああっ!」と、こぼしてもよいのだ、という気持ちがしていた。(p.62)
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すごい…
これ以上できないぐらい準備していると、本番ではこういう気分になるのか。しかも、毎年受験できるどこかの本試験と違い、オケの入団試験はふつう各オケにつき一生に一度だろうから、その緊張感はものすごいはずで、そう考えればますますすごいことなのだ。

やっぱり、こうでなくっちゃ。ここまでは無理でも、せめて、ホールに出る前に転んでこぼしたりしない程度にはいきたいものだ。

※季節にあわせて、ブログのデザインを変えてみました。


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