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句稿入力物語 [俳句]

※俳句を詠まない方には全く意味不明な内容だと思うので、あらかじめご承知おきください。

 日盛会の句稿を入力しなければならない。

 日盛会では、選句用紙を持って帰ることができない。その代わりに、62回・全参加者の選句用紙をCDに焼いて後日配付することになっている。

 毎日の選句用紙は2部コピーされ、1部は入力者へ、もう1部は校正係つまり私のところへやってくる。入力者からメールに添付されてきたデータをもとに、A4をイメージした紙面に割り付け、校正し、PDF化して印刷し、主催者に渡すのが私の仕事なのだが、実際にやってみると、実にいろいろな難問・奇問が出てくる。

〔難題1〕「選句用紙自体に問題がある」
・ 選句が9句しかない(→いまさら仕方がないので放置)
・ 特選のマルがついていない(→本人に電話をして10句をよみあげ、どれが特選なのか確認)
   この場合、本人はどうやって句評をしたのだろうか…

〔難題2〕「選句用紙と清記用紙が違う」
  時間順でいえば、清記用紙をもとに選句用紙がつくられるわけだから、両者が違っている場合には清記用紙が正しいものとみなす。だから、選句用紙だけ見て入力してもダメなのだ。入力するたびに(あるいは、あとでまとめて)清記用紙と照合しなくちゃならない。これが大変なのだ。1回の句会が14人として、選句用紙の合計は140句。明らかに選句用紙が書き損じている場合はともかく、テニヲハぐらいだとすんなり読み飛ばしてしまう。
 なかでも泣けるのが字体。選句用紙に「蝉」と書いてあっても、清記用紙は「蝉」だったり「蟬」だったり。根気の勝負だが、兼題が「法師蟬」だったりすると、1枚の用紙のほとんどが「蟬」「蝉」で埋め尽くされ、そのつど「どっちだ?」と清記用紙をめくらなければならない。だいたいの場合、作者ごとに使う字体が決まっているので、ある程度入力すると傾向がわかってくるのだが、同じ作者の句で清記用紙ごとに字体が違うことがある。これは、短冊を清記用紙に転記する時点で、転記者が自分の使う字体に(勝手に)置き換えてしまっている可能性が高い。こうなると、もうチェックのしようがないので、そのまま清記用紙で通すしかない。

〔難題3〕「清記用紙も選句用紙も一致しているが、両方誤りの疑いがある」
 清記用紙に「青枯桃」と書かれ、選句用紙も「青枯桃」。でもこれはどう考えたって「青胡桃」のはず。そうでないと披講できないでしょう。はじめて句会に出るとき、「清記は心をこめてていねいに!」と指導されるが、こんな誤記をされたら、作者としてはたまらないなあ(でも清記に訂正の跡がないのが、また謎なのだが)。

 こんなドタバタがあと半月は続くが、大盛況だった日盛会の参加者に早く配って楽しんでもらいたい、その一心で多くのメンバーがいまも入力をつづけている。


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