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第163回深夜句会(12/9) [俳句]

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対面の句会は(自分は)これで年内最後。むかしながらの喫茶店のテーブルにひしめきあって短冊を書くのだけど、これもまた、第6波とやらで中断することになるのだろうか。

(選句用紙から)

聖夜飾る枯木を金に銀に塗り

季題「聖夜」で冬。とっさに連想したのは、デパートのショーウィンドウなどに、木の枝が白とか金銀に塗られている飾り付け。商品を売るための展示なので、木の枝自体はその手段にすぎないのだけど、そのために「枯木」がさまざまな色で塗られてしまうところに、いくぶん反感、とまではいかないが、軽い皮肉のようなものが感じられるところが、この句の味わいどころではないかと。

松の木も聖樹となりて住宅地

季題「聖樹」で冬。今出来の住宅地などで、隣近所が競うように庭に電飾を施すことがあると聞くが、そういう地域で、なりゆき上仕方なく、庭の松の木をクリスマスツリーに仕立てることになってしまったということか。「も」が余計だが、松の木をシンボルツリーにしている家、という時点で、それなりに年数の経っている家、ひょっとしたらそこが住宅地になる以前から住んでいる一家であることが示されている。

覆ひかむさりて其の儘蔦枯るる

季題「枯蔦」で冬。秋までに伸び放題伸びて家やビルに覆いかぶさった蔦が、そのままの形で枯れている。もっとも、春になればまたそこから葉が出てきて、いっそうびっしりと覆い尽くすことになるのだけど。「そのまま」に味わいがある。

(句帳から)

クリスマスリース掲げて集会所
駅前に駅前旅館寒灯
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