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田中真知『旅立つには最高の日』(三省堂、2020) [本と雑誌]

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「見えている風景が違う」という言葉があるように、同じ旅をしていても感じ方が違うなんてことはざらにあるけれど、この本を読むと、本当に見えている風景自体が違うのではないかと思わせるものがある。

 さらにいうと、仮に見えている風景や感じ方までは同じだったとしても、それを記述する力が全然違う(自分はもちろん遠く及ばないのだけど、上とか下とかではなく、この人のように記述することは難しいという意味)と感じる。田中真知さんと蔵前仁一さんが同じ旅をしたら、どちらも楽しい、しかし全然違った旅行記が二冊できるのではないだろうか。

 また、この本の隠れた主題である「親との関係」は、直截に「だから旅に出るのだ」などとは書かれていないけれども、親との関係が、その人が旅に出る理由や、その人の旅の様式や方法に影響する要素であることを改めて思い出させる。

 
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