ベン・モンゴメリ『グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル』(浜本マヤ訳、山と渓谷社、2021) [本と雑誌]
これは読まないと。
スルーハイカーがほとんどいなかった時代に、「なぜ」彼女が歩こうと思ったのか。本書はこの点を考えようとしていて、確かにこれは大きなテーマになるのだけど、今となっては確かめようがない。さまざまに込み入った事情をかかえた彼女の人生も、理由になりそうではあるが、理由と断定できるようなものではない。
それよりも、唯一確実なことは、彼女が歩くことをいかに愛していたかということで、それがスルーハイク完遂後の思わぬ展開(正直、こういう展開は予想していなかった)から読み取ることができる。だから、本書を「歩くことの理由探し」の本として読むと、物足りなさを感じるかもしれないが、歩くことの楽しさに気づいた女性の物語として読めば、ソローやエマーソンを連想したりもして、とても楽しめるのではないだろうか。
2022-04-26 00:19
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