SSブログ

留別句会(1/14) [俳句]

りゅうべつ【留別】旅立つ人が、あとに留まる人に別れを告げること。(広辞苑)

お子さんを帯同してインドに赴任される俳句仲間の留別句会@小金井。
午前中、小金井に持参するおつまみを作っていると、雨が雪に変わる。それもちょっと冗談ではないかというぐらいの降り方で、どんどんつもってゆく。ジプロックのコンテナに入れたおつまみ(今回はタラモのディップとまぐろアボカドのディップ)を運ぶのに、手提げ袋では片手がふさがって危ないのでデイパックを使わざるを得ない。そうすると、レインウェア+ザックカバーという組み合わせも大儀なので、ポンチョをすっぽりかぶっていくことにする。武蔵小金井駅を降りると、雪もさることながらすごい風で、春着のお嬢さん@成人式が気の毒。

(選句用紙から)

停車駅ではゆつくりと降れる雪

季題「雪」で冬。停車駅で「は」がこの句の眼目で、詠み手は列車の中にいるのだが、列車が動いている間は降雪がすさまじい勢いで車窓をよぎっていくので、これは猛吹雪なのかなと思うのだけれど、列車が駅に止まると、雪はまっすぐに、さきほどまでよりはゆっくりと上から下へ落ちてくる。

リハウスの赤い旗揺れ雪景色

リハウスの赤い旗は、売りに出ている家がオープンハウスとかオープンルームの日にのぼりのように立てられているのだろう。冬でも暖かな日ならいろいろな人が実見に訪れるのだろうが、あいにく雪になってしまった。だからといって今日はヤメというわけにもいかず、部屋の中では売主やリハウスの担当者が手持ちぶさたなのだろうが、それはともかく、都心でも農村でもない郊外、売りに出されている家、そして少し寂しい雪景色をよく叙しえていると思う。

足跡にひそかな影や雪の庭

ちょっと不思議なテイストの句。作者は庭の雪につけられた足跡を見ているのだが、そこにひそかな影があるというのだ。そうすると、ずぼっと深い足跡でもなく、粉雪をつなぎとめたような足跡でもなく、すこし踏みこまれた足跡であって、かつ、その足跡の凹みに影をなすぐらいの光がさしていることになる。詠み手とこの影の持ち主とはどういう関係なのだろう。自分のつけた足跡を自分で振り返っているのだろうか。庭から帰っていった誰かの足跡と考えても面白いかもしれない。

(句帳から)

オリーブの幹を揺らして雪払ふ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0