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池袋句会(12/7) [俳句]

(選句用紙から)

ラティス塗る枯山吹を少し汚し

季題「枯山吹」で冬。
天気のいい冬の日に,庭のラティス(木材でつくられた格子状の仕切り)にニスを塗り直していく。夏の間は草木が生い茂っている庭も,草木は冬枯れているから,春になる前にこの作業をやらなければならない。枝がラティスにかかっている部分は片手でどけながら塗っていくのだけど,あちこちを向いている枯山吹の枝であるゆえ,全部きちんとどけきれず,枝にすこしニスがついてしまった。それでも次のラティスに移って塗り直していく。

「少し汚し」を字余りにすることで,文字通り「はみ出してしまった感」を出しているところ,また「汚し」でもう一度視点を「ラティス塗る」に戻していることの2点が了解される。また,書かれていなくても,雨や雪の日とかやたらと風の強い日でないということは察せられるわけなので,「何を言わないか」の重要性も感じさせるのである。

山茶花の引懸りたるやうに咲く

季題「山茶花」で冬。
山茶花の咲きかたは,なんだか始まりもなく終わりもなく,咲きながら散りながら,だらだら続いていくのだけれど,その感じをよく表現している。つまり,咲いている花が木に引っ掛かっていて,それはまた,散った花が木に引っ掛かっているようでもある,というとりとめのなさ。そう言われてみれば,そうだよなと納得。

(句帳から)
青空に流れてゆける冬の虻
枯木立黒く浮かべて夜空かな
ジグザグに枯山吹の冬芽かな→枯山吹の芽ごしらへ
鍋ずつと音たててゐる小春かな
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