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第13回深夜句会(5/21) [俳句]

(選句用紙から)

松落葉掃き溜められて詰所脇

季題「松落葉」で夏。
散り敷いた松葉が掃き溜められている。掃きためるぐらいだから広い場所であることが前提なのだが、それが詰所の脇にあるという。学校とか、工場とかいった場所で、それもちょっとクラシックな(木造で、羽目板が焦茶色のペンキで塗ってあるような)詰所の風景を思い出させる。
掃き溜められた松葉はどこかへ運ばれるか、袋につめてゴミに出される(悲しいが、最近多い風景)のだろうが、それまでちょっとの間、人がいなくなって掃きためられた松葉だけが見えている。

山の端を離るゝ雲や春の朝

季題「春の朝」
雲がひとひら、山の端を離れてゆっくりと漂っているのだが、そのゆっくりさ加減が「離るゝ」でわかる。ちぎれ雲がびゅんびゅん沸いて出てくるのでもなく、べったりと濃い雲が覆っているわけでもない。明るい春の空ならではの景。「山の端」といったことで、山までの距離がそう遠くない感じもうかがえる。「朧月夜」の「見渡す山の端霞深し」とちょっと通じているかも。

金網の塀にぱつぱと鉄線花

季題「鉄線花」で夏。
色は紫であったり白であったりするので決めきれないが、金網から咲いたように「ぱつぱと」鉄線の花がある。「ぱつぱと」の思いきりがいい。もともと「鉄線のように蔓が強いから、鉄線と呼ぶ」といわれるわけだから、それで金網はつき過ぎといえばつきすぎなのだけど、「ぱつぱと」で、金網の塀(フェンスのようなものだろうか)から直接鉄線の花が開いているような勢いと鮮やかさが見てとれる。

(句帳から)

うしろから差しかけてゐる日傘かな
駆け回る又三郎の青嵐
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