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池袋句会(5/6) [俳句]

一年三ヶ月ぶりに池袋句会に参加。平日や休日にはぎっしり予定が入っていても、祝日だとなんとか時間が捻出できたりするので、祝日の句会はたいへんありがたい。

(選句用紙から)

図書室の窓押し開き立夏かな

図書室、だから普通は学校を連想するのだろう。理科室や調理実習室なんかと違って図書室の窓はふだん閉めておくと思うので、本のにおい(黴のにおい?)がこもっているわけで、それを外に向かって押し開くと、外から立夏のころの風やにおいやグランドの埃や運動部の掛け声なんかがどっと流れこんでくる。
押し開く―流れ込むという「作用と反作用」な感じ。
あと見逃せないのが、「押し開き」。今出来のアルミサッシの引戸ではないということ。押し開くアルミの建具だってあるにはあるが、ここはやはり、中央から押し開いて掛け金をかける、木の建具の窓を連想したい。そうなると、学校もレンガ造りの古い校舎ということになり、おのずと景が浮かんでくる。
また、季題が動かない(「立春」も「立秋」も「立冬」もこの景にはそぐわない)。

山々の襞盛り上がり夏に入る

季題「夏に入る」。若葉のころの山の様子を言い表して巧み。冬の間は骨が突き出て地肌が丸見えみたいになっている山も、このごろは日増しに緑がむくむく膨らんでいく勢い。山全体が一つの大きな風船みたいに膨らんでいくのではなく、無数の緑が四方八方に枝葉を広げていく様子が「山々の襞」の「盛り上がり」と感じられた。もともと「山襞」ということばがあるように山体そのものが襞をなしているわけだけど、そこに植わっている森が一斉に若葉をつけると、襞の上にもっと細かい襞がどっと盛り上がる。

カーテンを洗いて夏に入りにけり

同じく季題は「夏に入る」。白妙の衣を干すのは天香久山だが、こちらはいまどきの風景。レースのカーテンでももっと重いカーテンでも、埃まみれになって黒ずんでいるのを洗濯機にかけると真っ黒な排水が出たりして驚く。洗って干されているカーテンの白くさっぱりした感じと、そこに当たる初夏の日差し。

(句帳から)

花に枝通したやうに花蘇芳
用水と線路のあひだ諸葛菜
吹流しまず見えてきて麓村
けふ立夏いくつも村を通過して

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