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第2回深夜句会(6/19) [俳句]

まだ第2回なのに、昔からある句会みたいな気がするのが不思議。きょうは会場となる喫茶店のご主人もまじえて5人。句評(全員)や感想戦が十分できるのがこの句会の楽しいところ。

(選句用紙から)

河骨の斜め斜めに並び出る

河骨(コウホネ)は夏に咲く水辺の花で、丈夫な茎・丈夫な葉・丈夫な花とでもいうのだろうか、諸事万事肉厚な感じが睡蓮とはちょっと好対照でもある。葉は里芋のようなハート型をしているが、ここで並び出ているのはもちろん茎と、その先端に咲く黄色い花であろう。太い茎が水中からぬっと斜めに突き出ていて、その隣のも同じように斜めに出ている、という風景だが、その茎の太さ、丈夫さから、ある意志をもって同じ方向へ斜めに突き出しているように見える様子が一句の眼目。

明易の川を流れてゆく芥

河口近くの川を、ゆっくりとゴミが流れていく風景と読みたい。夜明けに起き出して家から、あるいは宿から駅へでも向かうのだろうか。既に明るくなっているのにほとんど誰も見る者のない川面は、芥を浮かべて下流へ(あるいは、上げ潮に乗って上流へ)のろのろと流れていく。それ以上の大げさなことは言わずに、その醒めた感じ(白々した感じ)が伝わってくるところもミソ。

社員証掛けたるままにビール飲む

オフィス街のカフェとか居酒屋であろうか。退勤した若い勤め人がIDカードを首からぶら下げたままビールを飲んでいる(飲む、だから自分のことでもよい)。何人かでやってきて、ストラップを外すのもそこそこにビールを痛飲し、渇きを癒している風景か。
あるいは、これからもう一度仕事に戻らなければならない一団が、しばし咽を潤しにやってきている風景とも読める。これが「熱燗」とか「温め酒」とかだと、「社員証掛けたるままに」の勢いが生きてこないのだ。

(句帳から)

崩れつつ腐れつつ散る四葩かな
あぢさゐの花青い球白い球
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GO!LEAFS!GO!

古くからやっているような句会の感じがする・・・
の件同感です。
仕事の疲れで頭がボーとっしている時に、ああいう暗いところで脳の違う部分を活用する。
何となく、家でクラッシクを聴かれる感じと似ているものなのでしょうか?
by GO!LEAFS!GO! (2008-06-22 23:57) 

やぶ

GO!LEAFS!GO!さま、コメントありがとうございます。

脳の違う部分を活用…しているような気はあまりしないのですが(苦笑)、参加者みんな一日の仕事で疲れてハイになっているか、もしくはちょうど酔っ払い同士の会話が盛り上がる—傍で聞いてると、話が全然かみあっていないのに盛り上がる—のと通じているかもしれません。

キャパを考慮すると、大人数での深夜句会は難しいでしょうが、少人数だからこそできることを、少しずつやっていきたいですね。
by やぶ (2008-06-24 00:30) 

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