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後日選 [俳句]

最終日の機上で投句した7句の主宰後日選が、幹事から送られてくる。

(後日選から)
清記用紙からではないので、それぞれの作者もわかってしまっているが、主宰選のなかでさらに印象に残った句を。

橋脚の遺る玉蜀黍畑
とうもろこし畑のなかに橋脚が残っている。河川敷までいっぱいに唐黍を植えているので、そこに旧橋の橋脚が残っている。もしくは河川敷とかそれ以外という区別もなく(堤防らしい堤防もなく)、平地をどすんと河が流れているので、唐黍の畑に屹立するレンガ積みの橋脚を見て、河が近いことに気づく。この場合、唐黍の色との対比で橋脚はふるい赤レンガでしょう。

唐黍の畑に飽いて旅寝かな
季題は「唐黍」。どこまでも続く同じ車窓風景。変化がなければ当然眠くなる。うとうとしてはっと覚めると、やはり同じ唐黍の畑が続いている。しばらくするうちにまた眠っている。花畑とか果樹園とかと違って、見ていて楽しい要素が少ないことも、旅寝につながっている。
(この作者は「夜濯の音を聞きつつ旅寝かな」の作者でもあるのだが、よほど眠かったらしい)

旅の果バスに揺られている昼寝
上の句とは別の作者。ここは「とんでもなく遠くまで来てしまって、バスに揺られている」状況ととりたい。でも特段の気負いとか興奮とかが表に出るわけではなく、次の街まであと何時間かかるから、今のうちにちょっと寝ておこうぐらいの落ち着きぶり。作者自身がその昼寝をやや肯定的に捉えている。こちらは「昼寝」が季題で、一句のなかで昼寝にそれなりの重みがあるので、前の句と対照させて味わうのも面白い。

(句帳から)
唐黍の海へ引込線続く
唐黍の起伏のなかの廃寺かな
駅員と物売とゐる夕焼かな
サルビアの深紅戦犯収容所


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