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プロフェッショナル(8/21) [俳句]

機体が左に傾いたまま、どすん!とハードランディングして旅が終わる。

今回の旅行に日本から同行してくださった、コンダクターのGさん。
わずか23名のSITにコンダクターを同行させてくれる代理店の手厚い対応はさておき、その仕事ぶりを間近で見ていて、プロの仕事の凄みに脱帽した。以下は、バックパッカー視点での観察。

まず、大づかみな情報を最初に与えて骨組みを理解させ、あとから細かい情報を補足していくというブリーフィングのやりかた。これはプレゼンの極意にも通じるのだけれど。

次に、状況を先読みした位置取りが抜群(存在を示す必要がないときは目立たない位置で最後尾のチェック、統制する必要があるときはいつのまにか斜め前方の絶好のポジションにいる)。

そして、どのような照会にも対応できる準備。帰国便が出発する瀋陽の空港で、成田からの成田エクスプレス、スカイライナー、リムジンバス、国内線時刻表までカバンから取り出してメンバーの相談に答えていた。いったいどれだけの資料や資材が準備されているのだろう。準備のためには、あらゆる展開を読む必要があるわけで、用意したもののなかには結局、使われることなく終わるものもいっぱいあるはずだ。

表に出ている部分以上にすごかったのは、旅の途中で聞いたGさんの留学生時代のエピソード。
Gさんが留学していたハルビンには、ロシア風の黒パンはあるが日本のような食パンがない。その食パンを求めて、硬座で22時間かけて北京まで行き(当時の硬座車に22時間乗り続けること自体、地獄の沙汰)、北京駅からまず天安門近くにある北京飯店の「五人百姓」にのりこんでカツ丼を注文した、というのだ。
その根性と、自分のなかにあった「暗く、寒く、ひもじいハルビン」の印象がシンクロし、深く共感した。

また、バックパッカー的にいえば、「自分のことが自分でできる」のに「自分のことが自分でできない」人に常に笑顔で接しているというのは、商売とはいえなかなか難しいことだ。お医者さんとか幼稚園の先生のような感じ?察するに、Gさんの荷物のほとんどは、自分のためではなくメンバーのための資料とか食べ物とかコーヒーとか救急薬とかであろう。おいらにはどんなに努力しても絶対できない職業であることを痛感した。

中国や台湾を専門にされているとのことだが、こういう有能なコンダクターを確保しているJTBは、さすがにトップ企業だけのことはある。


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コメント 6

U氏

全くの同感です。バックパッカーではないですが。
爪の垢でも煎じてのみたいです。
by U氏 (2007-08-29 23:48) 

あさころ

JTBですかぁ~、なるほど。
いつか、中国へ行きたいと思っておりますので
参考になります。
by あさころ (2007-08-30 21:40) 

やぶ

U氏お疲れ。
年中仕事で旅の空という点では、U氏も似たようなものでは?
先日はヘリコプターに乗せてもらったようだし(自社製品?)。
しかも、行き先が渋いところばかりだしねぇ…
ともあれ、楽しみにしています。
by やぶ (2007-08-30 23:25) 

やぶ

あさころさま、コメントありがとうございます。
中国は、普通に旅するにはまだまだ体力の要る国ですが、そこが面白いところでもあるので、そういうワイルドな感じが残っているうちにぜひ一度どうぞ。
by やぶ (2007-08-30 23:27) 

優

久しぶりに「やぶろぐ」に伺いました。
中国への旅に参加できず残念に思っていましたが、少し想像できました。

またJTBのよい話を伺い、感動しました。
と同時にそのように観察された藪柑子さんも素晴らしいと、改めて敬服しました。JTBさんも幸せなことですね。

それぞれの人のようにありたいものですね。
by 優 (2007-09-21 01:42) 

やぶ

優さま

ごぶさたしています。元気ですか?中国は残念でしたが、志賀の稽古会もまたあるでしょうから、ぜひおいでください(次はいつなんだろ)。

おやじ会になかなか参加できなくてすみません。また新学期始まっちゃいましたので、なかなか土日両方つぶす日程は難しいかもしれませんが、懲りずに誘ってやってください。
by やぶ (2007-09-21 21:57) 

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