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日盛会〔第53回=芋〕 [俳句]

〔第53回〕8月27日午前 兼題「芋」

 自分にとっての日盛会最終回。19回で190句を出したことよりも、目の前を通過した19回×平均13人×10句=2470句を味わうことができたのが最大の鍛錬であり,楽しみだった。もっとも、午後から「選句は時間のムダ」とか「ヘタな句を書き移しているとヘタになる」とかいうせりふが聞こえて耳を疑うはめになったが。俳人というのは全員が全員、選句が好きな人種なのかと思っていたんだが。
 ホトトギスのSさんがおみえ(俳句歴半世紀…)。笹子会でA先生とご一緒だったとか。

(選句用紙から)
 川から笯(ど)引き上げてをる芋畑
 笯は、竹を筒状に編んで入口を漏斗状にし、入った魚が出て行かないようにした道具で、筌(うけ)の別名(広辞苑)。ほかに簗(やな)とか竹瓮(たっぺ)とか、川にしかけて魚を捕る道具やしかけは一杯あるけれど、どれも川の近くに人の生活があることを示している。つまり、堤防や護岸で人間の生活から隔離された川ではなく、引き上げた漁具のすぐ横には芋の葉がゆれているような川だということ。風景としては、人里離れた上流でもなく、大河となってゆったり流れる下流でもない。上流から中流にかけての早朝の風景で、また田んぼではなく畑であるというところも読み手に地理的な条件を考えさせる。

(句帳から)
 朝涼や花ぬすびとといふ花屋 (1)
 芋の葉の咲けてしまひしまま揺るる (1)
 夕空と夕立雲との境あり (2)
 この島は芋が主食よ艀船 (1)
 夕立雲むかうの光見えてをる (1)
 だしぬけに電車夕立を離れけり (2)
 はっきりと終わりのありて夕立雲 (1)


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