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第174回深夜句会(11/10) [俳句]

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(選句用紙から)

黄葉して国道チェーン着脱所

国道沿いの景色で、それが黄葉しているという句はいくらでもあると思うけど、その国道にチェーン着脱所があるとしたら、にわかに場所が特定される。山の麓とか、雪国で高速道路を下りたところとか、まあそんなところだろう。いまはまだ車がいない、がらんとして広大な着脱所だが、黄葉から程なくして雪が降りしきり、多くの車が入れ替わりにやってくるようになる。詠み手はこれからやってくる冬を思い、隠れた季題は「冬近し」なのだろう。


幼稚園バス待つ母ら鰯雲

鰯雲は、これから天気が崩れることの直接的な表現なのだろうか、藤田湘子流の、思わせぶりな何か(句意を一度切って、関係ない季題として鰯雲が出てくるというあれ)なのだろうか。
それはどちらでもいいのだけど、「ら」がどうにも…


けふ最後の光集めて芒立つ

今日最後の何々、という言い方はよくあるけど、その対象が芒であるところに、秋の夕方の光線というか日の当たり具合をわかりやすく表せているのでは。


(句帳から)

数日で更地となりぬ冬隣
ぎうぎうに押し合ひながら枇杷の花

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