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こもろ日盛俳句祭第2日(7/30) [俳句]

駅で降りると,涼しくかつ空気が乾いている。
途中から雨まじりの天気ではあったが,市内をぶらついて季題を拾いながらお茶。
小諸駅のすぐ横にある小さな喫茶店「寿徳」の紅茶がおいしいのに満足。

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13時半からこの日の公式句会。いろいろな結社の方や無所属の方を問わず合同での句会なので,回ってくる清記用紙に驚いたり感心したり。選者ではなくスタッフ俳人(「進行のお手伝い」する役割とされている)は,高柳克弘さん,仲寒蝉さん,岸本尚毅さん。

(選句用紙から)

車よりリュック取り出し登山かな

 季題「登山」で夏。
 登山口のような場所で見ていると,車が1台やってきて,1人とか2人で車からリュックを「取り出し」,身支度もそこそこにさっさと登山道を登っていく。あとには乗ってきた車が残されている(一応「他」の句として鑑賞する)。
 登山にきまったやり方があるはずもないが,昔ながらの山岳信仰にしても,自分の楽しんできた登山にしても,電車やバスを乗り継いで,そこから林道を歩いて,というようなアプローチのすえに登山道にとりつくわけなのだけど,「行けるところまで車で乗りつける」スタイルにはそういうアプローチがいっさいなく,さっさと登り始めるわけで,その無造作な感じと,パーティーともいえない少人数な感じがいまどきの登山を感じさせるとともに,詠み手の軽い驚きと揶揄も感じさせる。

まだ濡れてゐる枝に葉に毛虫かな
坂上にいたればぬッと夏の山
地下足袋が毛虫を踏んで振りむかず
夏雨の溜りあちこち土の道

(句帳から)

茶色とも黒ともつかぬ毛虫かな

シンポジウムは,配役から考えうる議論そのままの内容だったが,力の入った応酬で,聞いていて面白かったことはいうまでもない。
懇親会のあと,20時すぎから居酒屋に集まった有志で非公式句会。
題詠なのだがその題が「星・百・プラトン・枝豆・医・聖・岸・英・皿・ごぼう」という判ったような判らないような題。これで40分後に8句投句するのだが,けっこう大変。

(選句用紙から)

村医者の仲裁したる水喧嘩
季題「水喧嘩」「水論」で夏。
この数年以内にこういう光景を実際に見たことのある人は,いまの日本には一人もいないのではないかと思うのだけど,だからといってこの句が人間の実存に迫っていないとか実体験に根ざしていないとか変革の志が感じられないとか,そういう批判があたらないことはいうまでもない。

辞めるてふ英断もあり夏の月
銀漢のどれだけが滅びし星か
村医者の仲裁したる水喧嘩

(句帳から)
夜の秋星への道のあるごとく
駅裏の英語教室日の盛り

駅裏の何々,という句を以前にも詠んだことがある。以前ほんとうに駅裏に住んでいたけど,駅裏って独特の情緒があって,きれいに取り繕われた表口にはないものがいろいろ転がっているので楽しかった。
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