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小池昌代『弦と響』(光文社文庫、2012) [本と雑誌]


「本の雑誌」10月号に、弦楽四重奏団のラストコンサートを描いた小説として紹介されていたので、さっそく読んでみたのだけど…

弦楽四重奏曲に限らず、デュオでもトリオでも、それがたとえ初心者のアンサンブルでも、楽器と楽器とが音を重ねることの素朴な喜びみたいなものが必ずあるのだけど、どうしたことか、この小説にはそれがあまり感じられないのが残念。たまたま題材が弦楽四重奏だっただけ、といったら言い過ぎだろうか。ひとつひとつのエピソードは楽しくて、よく取材されていることが窺われるのだけど。

 
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