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番町句会(7/12) [俳句]

(選句用紙から)

静かなる雨の窓辺の金魚草

季題「金魚草」で春。「静かなる」がどこにかかっているのかよくわからないのだけど、あえて全体にかかっているように読ませるねらいだとすれば、おおむね成功しているように思う。春の静かな雨、窓の外で濡れながら揺れている金魚草(この場合、金魚草の色が黄色やピンクといった、明るく華やかな色であることが一句に効果をもたらしている)、これらが総じて「静か」だという読み方。異論はあると思うが。


灯台へ近づいていく日傘かな

季題「日傘」で夏。映画のワンシーンのようだが、日傘の白、灯台の白、夏空の青といった要素と、灯台へ「近づいていく」というところ。観光地の有名な灯台でも悪くはないのだけど、人里離れた灯台に、近くの官舎に住む灯台守の家族がお弁当を運んでいるなどという(友人の灯台が稀な存在となった今では歴史的な)風景だと、日傘がたった一人で歩いている様子が際立つので美しい。

(句帳から)

夜濯や廊下の長い社員寮
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